笑いのつぶやき
笑いの散歩51~100
76「仮病」
仮病って、みなさんお分かりですね。そうです、病気のふりをすることです。でもみなさん、フリをしていたら本当になってしまったということもきいていますから、あまりフリはしないでくださいね。それではばかばかしいフリをご紹介します。
「おい、山田。お前、ええ、風邪だって?」
「そうなのです、係長。昨日から頭と体が熱っぽいのです」
「え、頭と体が熱っぽい?そりゃ、やっぱりおかしいなぁ」
「ええ?そりゃ風邪ですから、おかしいですよ」
「いや、そうじゃないよ。だってなぁ、昔からバカは風邪ひかないというじゃないか。そのバカが風邪というのだから解釈に困るじゃないか」
「それじゃ、係長、僕が風邪を引いちゃまずいというのですか?」
「そりゃなぁ、良いもまずいもない。だって、現実としてバカがこうして風邪をひいているのだからバカも風邪をひくということだ」
「それじゃこの僕はどうすれば褒められるのですか?」
「いや、誰も山田など褒めやしないよ。褒めりゃ山田は明日からしばらく休みになるか褒めちゃダメだ」
「そりゃ、風邪ですから誰にも褒められなくたって良いですが、休んで養生しちゃいけませんか?」
「勝手に自分で決めちゃますます具合が悪くなるから、そりゃ、よしたほうが良い」
「それじゃ、僕はどうすりゃいいのですか?」
「それはこの係長に任せなさい」
「え、係長に・・任せる?」
「そりゃそうじゃないか、ええ、山田、風邪と言うのは気のせいだ。それを証拠になぁ、どうだ、ええ、今夜は会計の奈美さんと一緒に飲み会をしようじゃないか」
「え!あの八頭身の美人の奈美さんと・・飲み会ですか」
「いや、奈美さんだけじゃないぞ、庶務担当の、あの愛子さんも誘う予定だ」
「え!微笑みビーナスの愛子さんも一緒・・ですか」
「でもなぁ、山田が今日はダメというならお流れだ」
「いや、係長。そんなとびっきり上等な魚を逃がしちゃダメだ。僕は参加しますよ。風邪なんて、もう治ったのだ」
「ああ、やっぱり山田はバカだ」
そんな、バカだなんてないですよ。そりゃ誰だって風邪ぐらいひきますよ。だからといって何も美人を揃えるなんて、係長も悪ですねぇ。でも、それで風邪が治るなら良いですね。僕も誘って・・ねぇ。この漫談で今年の10月もおわりです。来月も読んでください。
美人にはとても弱い 源五郎