笑いのつぶやき
笑いの散歩51~100
57「当て推量」
これは確かな根拠もなく、いい加減に推量することです。それでは毎度のばかばかしいお話しをします。これなどはヒトさまの昇任や昇給、それに人事異動の勝手な推量が考えられますね。それではまいりましょう。
「ね、係長。係長は、来年四月からは班長ですね」
「え!俺が、は、班長だって?」
「おい、山田。どうして俺が班長に抜擢されるのだ?」
「抜擢?とんでもない。それは他に誰もいないじゃないですか」
「何だとう、誰もいないから俺がなるって?山田、他にもっとマシな言い方はないのか」
「どこをさがしても適当でマシな言葉はないですね。だから順番ですよ」
「それじゃ、順番でいくと、お前は今度何になるのだ?」
「僕など当分役職などないから、のらりくらりの、その山田ですよ」
「だけど、山田の昇任胸算用などあてにできんからなぁ」
「係長、岡目八目って結構当たりますよ。ですから、今夜はその前祝とまいりましょう、係長、いいじゃありませんか」
「まぁなぁ、そういわれりゃ悪い気もしないが、それじゃ今夜は山田のおごりで前祝と行こう」
「え?係長は班長に昇任ですから、僕のおごりじゃ、箸がうごかないじゃないですか?」
「バカ、今日は嬉しいからなぁ、人一倍箸とコップは動かしてみせるよ」
ああ、損な当て推量しましたねぇ。このようなことにならないよう気をつけましょう。でも、誰彼の昇任や昇給などの胸算用で、ただ酒が飲みたいことが本音ですよね。
昇任も昇給も異動もない 源五郎