プレイヤーをぐいぐいと引っ張るゲームを作るには | N2GAMES社長ブログ
May 05, 2011 15:20:40

プレイヤーをぐいぐいと引っ張るゲームを作るには

テーマ:ゲーム開発
今回はメルマガからの転載でお送りします。


■1・プレイヤーをぐいぐいと引っ張るゲームを作る方法

 ツァイガルニック効果。

 私のメルマガを読んでいるあなた、教材を購入したあなたには、
この言葉になじみが深いと思います。

 「はじめて聞いた言葉だ」「もう忘れちゃった」

 …そういう場合はしょうがないので、再度説明しますと、
ツァイガルニック効果とは、

「不完全を完全にしたくなる欲求」

です。

 人間には、不完全なものを見ると、それを完全にしたくなる
欲求があります。

 例えば、一番単純な例が「クイズ」です。

 クイズは質問ですが、答えが隠されています。

 どういう答えなんだろう? という興味が喚起されるわけです。

 それからジグソーパズル。

 バラバラになった状態(不完全な状態)から、絵が完成した状態
(完全な状態)にしたくなります。


 こうしたしかけを、ゲームに意識的に盛り込むと、長く遊ばれる
ゲームを作ることができます。

 ジャンルによって、プレイヤーをどのように引っ張って
いくかの方法は違います。

 例えばシナリオ型のFPSや、RPGで言えば、

・物語の進行
・新しいステージのグラフィック
・隠されたアイテム

などが、プレイヤーを引っ張る要素になります。

 今のほとんどのゲームは、こうした「消費される素材」に
よって、プレイヤーを引っ張っていくのがほとんどです。


 ここでひとつ、注意したいことがあります。

 これを間違えると、まったく無駄な開発努力をすることに
なってしまうので、非常に重要なことです。

 世の中のおおよそのコストをかけて失敗しているゲームは、
少なからずこの部分が計算されていなかったので、失敗したと
言えます。

 どういうことに細心の注意を払いたいかというと、


「ただ不完全が用意されているだけでは、プレイヤーはそれを
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
完全にする意味を見出せない」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ということです。

 例えばクイズの答えを知りたいということにしても、
質問が「私のパンツの色はなんでしょう?」とか、どうでもいい
ことであれば、その答えを知る意義がありません。

 クイズ番組であれば、さっさと席を離れてしまうこと
請け合いです。

 しかし。

 その番組を見ている人が腰痛持ちで、問題が、

「腰痛を一瞬で消す方法は、次のうちどれか?」

だったら、どうでしょうか?

 ぜひ知りたいと思うはずです。

 もしくは、その問題に正解することによって、回答者が
1000万円をもらえるとしたらどうでしょうか?

 ほとんどの視聴者は、その回答と勝負(?)の顛末を
知りたいと思うはずです。


 これはゲームでも同じです。

 ただ、アイテムが隠されていますよ、見つけてね…
というだけでは、プレイヤーは興味の持ちようがありません。

 しかし、ゲームの進行に詰まっており、
そのアイテムを手に入れることで、ゲームを進行させることが
できるとしたら、どうでしょうか?

 そのアイテムを手に入れると、プレイヤーを
パワーアップさせるお宝がたくさん隠されている場所に
行けるとしたら、どうでしょうか?

 もしくは、そのアイテムを手に入れてパラメータを
アップさせると、ホワーンとなってしまうようなウハウハな
グラフィックが見られるとしたら、どうでしょうか?

 そう、プレイヤーの、そのアイテムを手に入れたいという
欲求が、グーンと上がるのです。

 不完全を完全にする意義が必要なのです。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  そのアイテムを手に入れることで、ゲーム上の問題、
悩み、不安、興味、不足といったものをを解消する、という
「前段階」を入れ込むことで、初めて、ツァイガルニック効果は
大きな意味を持ちます。


 プレイヤーの「不完全を完全にしたい」という欲求の
高まりは、「自分に直接影響のあること」であればあるほど、
高まっていきます。

 例えば、ゲーム内で自分のキャラクタがパワーアップする
ことによって、ゲームがうまく進む…それもひとつの意義です。

 ゲーム上の障害をひとつひとつ乗り越えることで、
「自分はやり遂げた」という達成感が得られます。
 この「達成感を感じること」=快感が、人にとって大きな
意義になります

 しかし例えば、対戦ゲームがすごくうまくなって、大会で
優勝すれば賞金がもらえ、仲間からの評価も上がる…と
なれば、より大きな意義-リアル社会での意義が含まれますので、
快感はより大きくなります。
 より大きな意義が生まれるのです。

 このことは、「痛みと快楽の原則」に集約されます。

 痛みを避けること、快楽を得ること、このことに
人は大きな意義を感じます。


 より大きな痛みを避けられる、より大きな快感を得られる、
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それが分かっていれば、プレイヤーはより行動に駆り立て
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
られるのです。
~~~~~~~~~~~~~

 これを前提に、ツァイガルニック効果をゲーム中に
盛りこんでみてください。


 では最後に、プレイヤーをぐいぐいと引っ張るための方法を、
3つ、提案します。

 ここで注目して欲しいのは、「コスト」と「効果性」です。

 これはゲームの面白さと継続性、そして開発の短さに関わります。

 要するに、どうすれば、面白く長持ちするゲームを短期間で
作れるか? という疑問への解決策につながります。

 「コスト」と「効果性」、その点を意識して以下を見てください。


●1・素材を用意して引っ張る

 先を見たくさせる基本は、「紙芝居」です。

 次の絵、次の話、という素材で、引っ張るわけです。

 ほとんどのゲームが、この「素材」を用意することで、ゲームを
引っ張っています。

 例えば以下のような素材です。

・グラフィック素材

 アドベンチャーゲームの新しい絵、新しいマップ絵、
新しいキャラクタ、新しいモンスターグラフィック、
新しいアイテム…等々。

 プレイヤーに、「新しいものが出てくる、手に入る」という期待が
感じさせるので、先に進めたくなる、というわけです。

・動画素材

 動画で見せる物語で引っ張ります。

 美麗で訴求力もありますが、けっこうコストがかかります。
 クオリティを追求しだすと動画だけで何億とかかります。


・新しいイベント、新しい物語の展開

 ソーシャルゲームの恋愛ジャンルなどには、

「パラメータを貯めればイベントが見られるよ」

という引っ張りがあります。

 物語やイベントは、ゲーム上では引っ張るための素材の
中心として使われることが多いです。

 なので、たいていの場合、物語が終わるとゲームも
終わり…ということになります。


●2・しかけで引っ張る

 素材を用意して引っ張るのは、引っ張るために素材を
時間をかけてたくさん作る必要があるので、コストが非常に
かかります。

 しかしそのコストをかけた分、訴求力が出るし、話題性も
生まれ、クオリティの高さをアピールできます。

 ただし、このクオリティに訴求できるのは資金がふんだんに
ある大手のやり方です。

 中小のゲームメーカーは、ある程度のクオリティ確保は
必要だとしても、大手の追従をすべきではありません。
 大手のそれには資金的にかなわないからです。

 ではどうすればよいかというと、頭をつかうことです。

 頭を使ってプレイヤーを引っ張るのです。

 例えば、

・コレクション
 アイテムやモンスターを集めて、集めるとなんらかのメリットが
あるシステムです。

・アチーブメント
 最近のゲームに多いのですが、お金を1000集めた、
レベルが10になった、など、条件を満たすと勲章などの
達成シンボルがもらえるシステムです。
 コレクションの派生ですが、ゲームを長く遊んでもらうことに
つながっています。

・確率
 モンスターを倒すと一定の確率でアイテムが手に入るなど、
確率によって、稀少性のあるものを存在させます。
 古くはウィザードリィのムラマサなど、レアアイテムを求めて
プレイヤーはやりこみをしています。

 このほかにも「しかけ」によってプレイヤーを引っ張ることに
成功している例は多いので、過去の例を調べて盛り込むと
よいでしょう。


●3・強制的な進行

 実は、プレイヤーを引っ張るのに最も有効なのが、この
強制的な進行です。

 世界的なヒットを飛ばしたゲームは、シンプルな強制的進行を
含んだゲームが多いのです。

 例えばテトリス。
 上から落ちてくるブロックは強制的に落ちてきます。
 だから、プレイヤーは受動的に対処することになります。
 ゲームを進めるしかないわけです。

 結果、プレイヤーは自動的にゲームのエスカレートに
巻き込まれていくことになります。

 コラムス、ぷよぷよなど、一連の「落ちゲー」の
ヒットは、この強制進行が基礎にあったからだと
言えるでしょう。

 かつて一世を風靡したシューティングゲームも、
強制スクロールによる強制進行です。

 「強制的な進行」にはバリエーションがあり、
単純に時間制限でプレイを促すのも、一種の強制進行です。

 ソーシャルゲームでは、時間が経つと農作物が
完成したり、料理ができあがったりしますが、これも
ある意味ではプレイしていない裏でゲームが進んでいる、
一種の強制進行と言えます。

 この強制進行は主にライトユーザーにウケる傾向が強い
のですが、考えなくても受動的に作業をすればゲームを
楽しめる、というところが、ライトユーザー向けなの
でしょう。


 …ということで、プレイヤーを引っ張るための
3つの方法でした。

 ゲームにはシステムの要件として、プレイヤーを
引っ張る部分が必要になります(これがないと
遊び続けてもらえない)ので、ぜひ効果的な引っ張りを
突き詰めてみてください。


 今回も読んでいただいてありがとうございました!

ゲームのしくみ 新田

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