もしもあの時。


今さらながら、あの時携帯会社から通話発信データを取り付けてよかったって思う。

まさか、水面下だなんて微塵も思っていなかった。

完全に不倫は終わったと信じていた。


ホントたまたまだった。

だから、携帯会社から送られてきた記録で不倫相手の番号を見つけたときの衝撃は破壊的だった。


でも、今こうして比較的穏やかに生活できているのは、あの記録のおかげだと思う。


あそこで気づけていなかったら、どうなっていただろう。

その時は、既に不倫相手は夫の子どもを身籠もっていた。

もし、押し切られて産んでいたら?


仮に中絶したとしても、夫はかなり不倫相手に負目を感じるはず。

別れたいなんて自分から言える立場では無くなる。

どこまでも2人の関係は水面下で続いただろう。

不倫相手が諦めない限り。


もしかすると、子どもがある程度大きくなったら、夫は長く待たせた不倫相手に

妻の立場をプレゼントしようと決断したかもしれない。

当時、まだ20代半ばの不倫相手。

何とか出産できる年齢のうちに。


気づけてよかった。


あの時、虹の橋を渡った小さな天使は、産まれていたら今年20歳になる。