こんばんは。
工藤倫子です。
突然ですが、皆さんNHKの朝ドラ「エール」をご覧になっていますか？
先週、今週は
戦争のシーンが多く
朝からとても考えさせられたり
涙、涙でメイクが崩れてしまったり・・・という内容が続きましたが
今日のお話しはとても良かった。
「エール」は
昭和を代表する作曲家・古関裕而(こせき ゆうじ)氏をモデルに
した話ですが
その古関さんの代表作ともなった「長崎の鐘」
今週はその「長崎の鐘」にまつわるエピソードでした。
長崎の鐘を随筆されたのは
長崎原爆投下直後、頭に重症を負いながら被爆者の治療を行った医師
永井隆先生です。
その永井先生役を演じたのは吉岡秀隆さん。
彼の演技も圧巻でした → ☆
昨日の内容は
家事をしながら見ていたので
正確には書けないのですが＾＾；
「長崎の鐘」の随筆者永田先生（永井隆先生）に会いに行った裕一（古関裕而氏）。
そこで裕一は永田先生に
「長崎の鐘」をどんな気持ちで書いたのかを尋ねます。
「それはもう十分そこに書いてある」と伝えた上で
永田先生は
「真っ暗闇の中、絶望の淵で
僕は“どこまでもどこまでも落ちていけ”と言うのです。
その理由が分かりますか？」
と裕一に問いかけます。
その答えを探す裕一。
原爆が落ちて、悲惨な状況の中
「長崎の鐘」を掘り出した時のエピソードや
それでも「今」必死に生きようとする市民の姿を見て
裕一が見つけた答え
それは「希望」でした。
それが今日のタイトル
「どん底に大地あり」です。
真っ暗闇の中、絶望の淵に立たされた時
どこまでもどこまでも落ちて行った先には「大地がある」
そこに辿り着いた時に
それでも「生きよう」と必死に見つけた
一筋の「希望」
この「希望」があるからこそ
人は前に進むことができる。
生きることができる。
そんなお話しでした。
これは「夜と霧」の著者ヴィクトール・フランクルも同じことを言っています。
オーストリア出身の精神科医フランクルは、アウシュビッツに収容された経験をもとに
「夜と霧」を書いていますが、収容所に収容されている人で生き延びられた人は
「希望」を持っていた人だと言います。
「希望」を失くした途端に人は死んでいく。
人は「希望」が無ければ、生きることはできない。
フランクルはそう語っているのです。
また、東京大学の玄田有史先生は「希望」を学問にしている方です。
岩手県の釜石市を調査研究し「希望学」という学問を打ち立てています。
玄田先生は
「希望は、誰かから与えられるものではない」
とおっしゃっています。
希望というのは、挫折や絶望の後に
生まれてくるもの。
夢や目標や目的という言葉は
少しふわふわしている。
今日の朝ドラでも永田先生がそれに近いことを言っていました。
夢や目標という言葉は
今、それなりに恵まれていたり、落ち着いた状態にある人が
使える言葉だと思います。
今よりもっと良くなりたい、向上したいと前向きに思う時に使う。
「希望」にも「今よりもっとよくなりたい」思いはあるのですが
それよりも、もっと切実なもの。
「生きる希み」という感じ。
私も
先が見えず、いったいこの状況があと何年続くのだろうと
絶望的な気持ちになった時
もうこれ以上どうやってがんばればいいのだろうと思った時
生きるのが辛いと感じた時
こんな状況で
いったい何を希望に生きたらいいのだろう？
そんな風に思ったことも一度や二度ではありません。
そんな時はいつも「夜と霧」を思い出して
希望だけは持っていよう。
どんなに小さな希望でも
もしかしたら叶わぬ希望でも。
そう思っていました。
親からの虐待、パートナーのDV
長引く介護
子どもの非行や引きこもり、不登校
自分や家族の病気
倒産、借金
災害
コロナ
色々なことがのしかかり
絶望的な気持ちになることもありますね。
それでも
どん底に大地はある。
家族や友人、知人の力
会社の制度
公的な支援
色々ある。
希望を失わずに
生きよ。
生きよ。
