珍しく電車を乗り過ごしてしまいました。
眠っていたわけでもないのに・・・。
乗り過ごしてしまった理由は「よしもとばなな」を
読んでいたから。
私がよしもとばななを読む時は、悲しい時や
現実逃避をしたい時。
初めて
よしもとばななを読んだのは、確か高校生の時で
青森にしては、珍しいくらい暑い夏で
自分の部屋のベッドの上で、読んでいた。
小さい頃、妹と一緒に寝ていた二段ベッドを別々に使って
いた木の硬いベッドの上で。
2回目に読んだ時も確か夏で
まだ20代前半の、ウダウダしていた頃だった。
よしもとばななの小説は、いつも変な家族構成で
登場人物が個性的すぎるくらい個性的で
そして必ず誰かが死んで
冷静に考えると、へんてこな小説ばかりだ。
でも、必ず誰か死ぬのに、ドロドロした感じはなくて
淡々と生きて、淡々と傷が癒えていって
読後が爽やかで
クセになってしまう。
変な家族構成や、個性が強い登場人物にも
励まされるというか、「絵に描いたような幸せな家庭」
を現実で見せつけられた時なんかに読むと
妙にホッとしたりする。
私の家族もかなりへんてこだからだ。
父も母も妹も
そして両親の実家も
今の私の家、つまり私と娘と息子も
絵に描いた様な幸せな家とは
あまり言えない。
子どもの頃
家族旅行とか
家族で外食とか
家族で記念写真とか
誕生日やクリスマスを祝うとか
そんなことなかったし
自分が結婚してからも
結婚記念日を祝うとか
子どもの誕生日やクリスマスを祝うということは
残念ながら元夫はしてくれなかった。
だから、普通に
「家族旅行」
とか
「結婚記念日」
とか
「私の誕生日に夫がお祝いしてくれました♡」
とか見せつられてしまうと
弱っている時なんかは
まぶしすぎて、羨ましすぎて
めまいがしてしまう。
元気な時とか
大好きな人の幸せは
もちろん「良かったね」と思うけれど
いつもどこかにある私の寂しさは
何かの拍子に出てきてしまうので
お酒も飲めないし
走ったりする元気もなかったり・・・で
よしもとばななに会いにいく。
この小説もハワイで読むはずだったのだけど
読み切れなくて
今読むことに。
相変わらず、変な家族と変な人たちだったけれど
とても愛おしい人たちで
とっても好きになった登場人物たち。
でも、いつもよりちょっと優しすぎて
今の私にはちょっと痛かった。
でも
「あぁ、そうだった。こうやって“時がすぎていくのを
待つんだった”」
ということを思い出した。
私には今、父がいて、母がいて、妹がいて
娘がいて、息子がいて
それで十分なんだとは思う。
私には本当のおばあちゃんという人がいなかった。
生まれた時にはもう既に。
二人とも。
何となく、それが
自分のルーツを知らない様な気がしてはいた。
父が入院して、色んなことが強まっている。
それもいいことだと思う。
だけど、私の肩に重すぎることも沢山ある。
だから結局
仕事をしようと思う。
よしもとばななに付き合ってもらいながら。
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