関西の塾の方が合格確率について記事を書かれています。その記事によれば、関西の塾では、上位から合格者数と受験者数を足していき(累積していき)、受験者数に対する合格者数の割合が80%になる偏差値をA判定偏差値と設定しているようですね。詳しくはリンク先(他にも参考になる記事がたくさんです)をご覧ください。この場合、A判定偏差値以上の人たちの合格確率は80%ですが、A判定偏差値の人の合格確率は80%ではないです。

3段論法

A判定偏差値以上の合格率は80%以上

自分はA判定の偏差値以上

合格確率80%爆  笑

は一見成り立つようにみえますが、当然成り立ちません。A判定以上の集団では成り立つことが、個人個人では成り立ちません。

 

一方、サピックスの80%偏差値は、これとは違い、その偏差値での合格確率が80%であることを意味します。これは明確です。ただ、サピックスの合格確率も結局は集団についてのものであることは変わりあません。

この合格確率が、その偏差値の人たち(集団)が入試当日時点で同じ実力をもち、入試で実力と関係のない要因(運ともいう)で合不合格が左右される確率とすれば一般に考えるイメージとほぼ一致します。つまり、誤解を恐れずに言うと、"同じ偏差値を持つ集団=ほぼ同じ実力を持つ集団"というのが暗黙の前提となっています。これは、私達が合格確率を、自分の子供個人(要するに同じ実力がある)が複数回受験し、何回合格するかという確率と解釈しがちだからです。でも、同じ偏差値でも実際の実力は異なります。厳密には、集団の合格確率=個人の合格確率とはいいきれません。

サピックス偏差値表は、秋の4回の合判SOの平均偏差値に基づいています。この場合、同じ合判SO平均偏差値の人でも、以下の要因で真の実力と偏差値に乖離があります。

1. 統計的にみると、4回平均をとっても、同じ偏差値内で±1.7程度の範囲で実力にばらつきがあります。(平均をとらない1回だけだと±3.4程度ばらつき)

2. 模試終了から入試まで2カ月程度あり、その間の取り組みのばらつきにより入試当日の実力がばらつく。

要因2の値を見積もることは難しいですが、仮に要因1と同じ1.7とすると、同じ合判平均偏差値でも、両方の効果を合わせて実力は±2.5の範囲でばらついている可能性があります。これは、例えば合格判定確率40%の偏差値でも、実際には各人の確率は20%~60%でばらついて分布していることを意味します。このように、実際には実力にバラツキがある集団が、サピの調査では同じ実力を持つ集団と扱われ、40%の合格率ということになっている可能性があるということです。

この場合、しばしばやる確率計算、40%の合格確率でも4校受ければ、以下の計算で、すくなくとも1校合格する確率が87%となり楽勝!と考えるのは危険かもしれません。

1-(1-0.4)*(1-0.4)*(1-0.4)*(1-0.4)

分布の下の方の20%の場合は、全落ちする可能性は40%もありますので。

 

ちょっと極端な例を出しましたが、要は、単純な確率で考えることができないということが言いたかっただけです。

 

SSの席次が一番あてになるというのは、授業ごとに何度も実力を測る機会がある(10回以上)、入試直前まであるということによるかもしれません。

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