非常に興味深いコメントいただきました。非公開ご希望だったので、この場を借りて御礼申し上げます。
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学校説明会で、学校側から、入試の成績は入学後の成績と関係ないですよと良くいわれます。繰り上げ合格に関連して話がでることが多いと思います。実際のところどうなのか、ギリギリ合格者のサピックス推定偏差値分布を簡単にシミュレーションしてみました。それを基に、ぎりぎり合格者と平均的合格者が入学時点でどれほど実力差があるか定量比較してみました。例によって2018年度のサピックス入試結果のデータを使っています。
シミュレーションの前提は、実際の入試は実力7割、当日の状況(体調、入試問題との相性、緊張度等)の実力と関係ない要素3割できまるとしています。この仮定のもと、入試合格平均で合格した人とギリギリで合格した人のサピックス偏差値の分布をシミュレーションしました。データは筑駒のデータを使いました。筑駒のデータを使ったのは、合格者分布≒進学者分布と考えられる唯一の学校だからです。特に他意はありません。
結果のグラフです。
実際の入試で"ギリギリ合格"と"合格平均で合格"を比べると、勿論、合格平均での合格者の方が偏差値は上に分布します。しかし、かなりの部分重なっていることがわかります。例えば、ぎりぎり合格者でも合格平均者の平均偏差値を上回っている人が3割程度はいます。逆に、合格平均で合格者も、ギリギリ合格の平均を下回っている人が3割程度います。これを見ると、そもそもスタートラインでも、それほど大きな違いはなさそうです。当たり前ですが、入学後の伸びのばらつきで、さらに差は曖昧になるはずです。なので、両者に大きな違いはないと印象を持つのが普通で、冒頭のように違いはないとの結論になるのは自然かと思います。