この歌、ロマンティックで美しく、好きです。


06かささぎの


             た
かさゝきのわ多せる

 は    お     もの

者しに於くし毛能

    き

しろ支をミ

  は

れ盤

     ふけ

よそ婦希

 にけ

耳介る




6 かささぎの わたせる橋に おく霜の しろきを見れば 夜ぞふけにける 
                                     中納言家持


訳:(天の川に)かささぎが渡した橋におりている霜が真っ白なのを見ると、もう夜も更けてしまったのだなあ。


メモ:作者は大伴家持(おおとものやかもち、717?~785)。奈良時代の歌人・貴族。生年には716、717、718年など諸説あり不明。延暦元年(782)春宮大夫、従三位陸奥按察使鎮守将軍、翌2年中納言、3年持節征東将軍、翌4年死没。


大納言大伴旅人の長男。名門貴族大伴氏をたばねる立場にあったが、同氏の勢力が衰退していく中、苦労のあとが見られる。官位昇進もしばしば停滞し、また数々の政争に関与・巻き込まれている(橘奈良麻呂の乱で一族の一部が失脚、藤原仲麻呂専権に反抗、氷上川継の謀反に座す、藤原種継射殺事件への関与など)。最後の種継事件では、関与発覚時すでに家持は死後20日余りを経過していたが、除名処分・子息らは流罪(のち復位)。祖父安麻呂、父旅人の大納言にはついに及ばなかった。


家持の名を不朽のものとしたのは、『万葉集』である。編纂者であり、最多作者であり、繊細で感傷的な歌風は歌壇に新風を吹き込んだとされる。


この歌は『万葉集』にはなく、『新古今和歌集』から採ったもの(『家持集』にも末尾を「夜はふけにけり」とした歌がある)。