前代未聞の猛暑が続く日本列島ですが、電力不足は生じていません。福島原発事故以前から、クーラーを多用する真夏の昼間が電力消費のピークとなり、電力供給量と消費量の差が小さくなって一時的な電力不足が生じていました。

 

 なぜ前代未聞の猛暑なのに電力不足が生じないのでしょうか。それは太陽光発電が普及したからです。福島原発事故以降日本では太陽光発電が急速に拡大し、現在は電力供給の約5%を占めています。当初電力会社は太陽が照っている時しか発電しない太陽光発電を「不安定」と毛嫌いしていました。しかし年間で電力消費がピークになるのはクーラーを最も使う晴天の真夏の昼間ですが、その同じ晴天の真夏の昼間に発電量がピークになるのが太陽光発電です。従来電力会社が「邪魔者扱い」してきた太陽光発電が電力不足を防いでいるのです。

 

 電力は何時の時点でも消費量に発電量を一致させなくてはなりません。福島原発事故以前から、電力会社は原発を「ベースロード電源」と称して、電力消費の少ない深夜にまで昼間と同じレベルで発電を継続していました。ヨーロッパの多くの国では早くから発電量が大きく変動する太陽光や風力など再エネ発電を優先的に消費に回し、不足分を火力発電などで補うというやり方をしてきました。日本では現在原発の発電量は全体の2%程度です。原発ゼロでも必要な電力は拡大する再エネ発電で十分カバーできます。

 

 来年の参院選は原発ゼロか原発継続かが最大の争点の一つになります。残念ながら国民民主党は立憲民主党などが提案した「原発ゼロ基本法」に提案者としては参加してもらえませんでした。その背景には連合が原発容認の電力総連などに引っ張られているからです。電力総連や原発製造にかかわる企業の労働組合を除けば、「可能なら原発ゼロが望ましい」と連合関係者の多くは言われています。連合が原発ゼロ基本法に賛同し、原発ゼロを実現する場合にも電力関連の雇用は守るということで各党と合意することになれば、野党間の政策上の最大の相違は解消します。

 

 原発ゼロを願っているのは小泉元総理をはじめ与野党を超えた広範な国民、市民です。原発推進の姿勢を変えない安倍政権に対し、野党がこうした国民、市民と「原発ゼロ基本法」実現でまとまれば、来年の参院選で参院における与野党逆転の展望が見えてきます。