前記事『主人を連れて認知症の舅の面会【2019.10月】①』の続きです。

 

最近の舅は字も読めなくなり、唯一、自慢をしていた「日経新聞を読んでいるのは私だけ」という言葉を発しなくなりました。ベッドの隅に、広げていないキレイな日経新聞が置いてありました。

 

…となると、舅の自慢は「87歳まで生きている人は私の他に誰もいない」ということだけ!になりました。

私や主人に「ここ(施設)にいる人の中で、私ほどの年齢までになっている人はいない」とか「こんなに長生きしている人はそういない(得意げに)」とか「ご近所のみんなも、もういなくなってるんだろう?」と聞いてきました。

 

そして主人に対して「〇〇(主人の名前)だって、こんな歳になってないだろう?お前はいくつになったんだ?えーっと…(考えて)70何歳になったんだっけ?忘れちゃったよ」と言いました!(大爆笑)

 

この時、今まで私の横で一言も喋らずにいた主人が反応して「は!?誰が70歳なんだよッ!(苦笑)俺は5×歳だ!」と訂正をすると舅が「え?まだ60代だろ?そんなに若くないんだっけ?」と言い直し、主人が「ちげェーよ!5×歳って言ってんだろッ!」と巻き舌で言うと、舅が「えーそうだっけ?…ってことは、俺と3×歳も離れているのか…そんなに若いんだっけ?」とIQが高い舅なので引き算はちゃんとできるんです(笑)

 

主人はいつも喋らないのに、自分の年齢の間違いだけは大きな声で訂正するんだなァ~って変な感心をしちゃいました(笑)

 

この会話を聞いていて、ひょっとしたら舅は私達のことを「息子と嫁」ではなく、会社の人だと思っているのかな?って思いました。

舅は高度成長期の中を頑張って勤めた人なので、家族よりも会社への思いが強かったようですし、家族よりも会社の仲間達(同僚)とのつきあいや絆が濃厚だったと舅から聞いていました。

 

なので舅に「○○(主人の名前)はお義父さんの息子なんだから、3×歳も年が離れているのは当然でしょ!」と主人は舅の息子なんだよってアピールしてみました。

すると舅は「いやぁ~87歳まで生きている人で私みたいにこんなに元気な人は他にいないはずだよ」と、私の話が聞こえなかったのか?理解ができなかったのか?話題が変わっちゃいました。

 

実は…施設には舅よりも年上の方がいっぱいいらしゃいます。私の近所の方々も舅と同じ年や90歳の方もいて、皆さんもとっても元気でいらっしゃいます。でも舅にこのことを伝えたら…舅の自慢話がなくなります。

 

「お義父さんって本当に元気だよね!そういえば、お義父さんは入れ歯じゃないでしょ?自分の歯だからたくさん食べることができるんだよね~。だから元気なんだよ。87歳で入れ歯じゃない人ってそんなにいないよ!すごいね、お義父さん!」って、舅が自慢できることを褒めてみました。

 

すると舅はハッとした顔をして「そうだ、そうだ。私は自分の歯だ。食堂ではご飯を食べ終わった人達が入れ歯を外して洗っているけれど、私だけはそんなことはしないからな!」と自信のある顔つきになり「80歳すぎて入れ歯じゃない人は私だけ」と喜びました。

「すごーい!お義父さん」と何度も言いました。

舅はご満悦でしたね(笑)

 

帰る時、舅はいつものようにエレベーターの前まで見送りに来てくれました。「また来るからね~」と手を振ると、舅が頷きながら「いや~ありがとう、ありがとう」と笑顔で手を振ってくれました。

 

扉が閉まってエレベーターが動き出した時に私が「お義父さん、また更に忘れてきちゃったね…」と言うと主人が「俺は70歳代らしいからなー」と得意げに言い「俺はそんなにジジィじゃねー!見た目も違うだろうッ!」と吠えた姿が面白くて、私が笑うと主人も笑っていました。