溝延の東、広がる果樹園を通り最上川沿いに出ると、舟戸の渡し跡があります。
かつて溝延は、西川や寒河江(白岩)方面から天童・山寺方面へ行き交う人々の水運の要衝の地でした。出羽三山詣りや山寺に参拝する行者たちの通り道でもあり、多くの人々が舟を使って最上川を渡り、、古くから渡船交通の重要拠点とされてきました。
1698年の記録に、溝延の枝郷として家数25軒の舟渡(舟戸)村をあげ「是ハ古来ヨリ御座候故、年数覚不申候」と残されています。また、舟戸公民館脇にある毘沙門天は、溝延城の南東(最上川寒河江川河岸)方位の鎮守社だったようですので、古くは南北朝時代頃から集落そして渡船場としての機能を構成していったのではないでしょうか。
古くから続いてきた渡し舟も、時代の流れの中で平成元年にその役目を終えました。
立て札の奥に木造の舟が見えます。以前はこのように舟も見ることができましたが、現在はどこへいったのかその姿は見えません。立て札のみが古きよき溝延を物語っています。今となっては貴重な写真です。
(溝延西小路の追分石)
「右やまでら、左おさなぎ」と彫られています。今でいう道路標識ですが、右は山寺へ、左は東根の若木権現を案内しているようです。出羽三山詣りを終えた行者は、寒河江川筋を通りここ溝延に入り、山寺の参詣者は右の「舟戸の渡し」へ、若木権現へ向かう行者は左の道を通り「田井の渡し」へ向かったようです。
古きより溝延の交易・交流を支えたターミナル。
今は一面、果樹園や畑が広がりますが、すがすがしい山河を育むこの景色が、今も人々にやすらぎとパワーを与えてくれています。
※溝延西小路の追分石は、現在は溝延研修センターのロータリーで見ることができます。
設置場所は変わりましたが今も昔を伝えつづけています。
(舟戸の渡し付近の最上川)
【溝延散策に役立つカモ『machi歩きMAP(参考)』】
道の駅寒河江チェリーランド レンタルサイクル⇒レンタサイクル:寒河江市観光物産協会 (sagae-kanko.com)
※溝延へは寒河江川沿い下流へ片道10分程度の道のりです。サイクリングロードをご使用ください。
≪交通アクセス≫
高速道路 山形自動車道 寒河江ICより 10分程度
東北中央自動車道 東根ICより 8分程度
天童ICより 15分程度
おいしい山形空港(東京・大阪・名古屋・札幌線)
車で10分程度
最寄り駅 左沢線 寒河江駅 車で10分程度
山形新幹線(奥羽本線)
さくらんぼ東根駅/天童駅 車で20分程度
バスストップ 仙台⇔寒河江線 寒河江高速バスストップ
車で10分程度
河北町路線バス 南部線 ※「舟戸」バス停下車
※「溝延南口」バス停下車
【関連スポット☆】
山寺立石寺HP⇒http://www.rissyakuji.jp/
山形県東根市神町東2-3-26