大館名物をはしごする(番外:北秋田市~大館市~北秋田市) | 日本一周(分割)自転車紀行

日本一周(分割)自転車紀行

2010年、MR4F(折りたたみ自転車)で突然西へ。
東海道、山陽道、山陰道を駆ける。

そして2年後、再び自転車に跨る…

ただし、自転車走行ではなく自転車旅行。
観光も食事も目的だし、宿泊はホテル。
普段は自転車に乗らない。

これでも日本一周できる…のか?


翌2014年5月5日朝。
旅館を出ると鷹ノ巣駅へと向かう。


昨日、大館市で名物が食べられなかったため、
どうしようかいろいろと考えていた。

大館市はそれほど有名ではないが、
名物が多い都市。

秋田県名物の比内地鶏ときりたんぽは大館市の名物であり、
今回の旅で絶対に食べておきたいものである。

一応、北秋田市より先でも店を探してみたのだが、
結論としては大館市で食べるのが一番。

そこで、いったん大館市に戻ることにした。


とはいえ、自転車で同じ道を戻る気にはならない。

すぐ近くならともかく15km程度はあり、
往復することを考えると、
体力的にも精神的にも僕には無理だ。

そこで電車を使って大館駅に向かい、
再び鷹ノ巣駅まで戻ってくることにした。


鷹ノ巣駅からJR奥羽本線に乗って大館駅へ。

本当はここで花輪線に乗り換えて
東大館駅に行った方が近いのだが、
花輪線は致命的に電車の数が少ないため、
大館駅から歩いて行く。


大館駅前には犬の銅像がある。

1匹座っている像には「忠犬ハチ公」と書かれており、
後ろには5匹一緒に「秋田犬の像」と書かれている。


秋田犬は国の天然記念物に指定されている
日本犬種のひとつ。

秋田県で闘犬や狩猟犬として
飼育されていたものを品種固定した犬で、
何と言っても有名なのが忠犬ハチ公である。


ハチは飼い主の死後も渋谷駅前で待つ姿が新聞記事に掲載され、
渋谷駅前に「忠犬ハチ公」として銅像が建てられた。

そのハチが生まれた地こそがここ大館市であり、
秋田犬を飼いたいと要望した上野英三郎により
買われたのだという。

ハチ公像といえば渋谷だが、大館市はまさにハチ公の故郷で、
この銅像以外にも各所に石碑などが建てられているそうだ。



鷹ノ巣駅
鷹ノ巣駅へ

奥羽本線
奥羽本線に乗って大館駅へ

ハチ公像
ハチ公像

秋田犬像
秋田犬の像




大館駅から中央通りを南へ。

15分ほど歩き左に折れると、
「秋田比内や」が見えてくる。


ここは比内地鶏を使った人気店の本店。

開店時間である11時までは10分ほどあるが、
既に何人かが行列を作っている。

11時を過ぎると間もなく中へ通されるので、
親子丼を頼む。


まず薬味が届き、続いて親子丼と鳥スープが運ばれる。

親子丼は、比内地鶏のもも肉の霜降り部分に比内地鶏の卵、
そしてあきたこまちを使った最高のもの。

それは美味しいだろうと思うし、
実際に美味しい。


比内鶏は比内地方で飼育されてきた純粋な日本地鶏で、
学術的にも価値が高く、国の天然記念物に指定された。

天然記念物になったことから市場には出回らないため、
比内鶏のオスとロードアイランドレッドのメスを
かけ合わせた一代雑種を
「秋田比内地鶏」として流通させた。

比内地鶏といえばこの一代雑種のこと。

ここで使用するのは放し飼いで飼育されたメスのみで、
肉の味がしっかりとしていて美味しい。

比内地方とは現在の大館市から北秋田市にかけた地であり、
まさに本場の味なのである。



秋田比内や
秋田比内や

親子丼
親子丼




一気に食べ終え、
店を出ると西へ歩く。

本来ならこのまま鷹ノ巣駅に戻るところだが、
もうひとつの大館市名物、
きりたんぽも食べねばならない。

昨晩訪れたものの空振りに終わった、
「元祖むらさき」に入る。


幸いにも店内はそれほどは混んではなく、
カウンターの席に通される。

注文するのはもちろん、
きりたんぽ鍋のセットだ。


きりたんぽはつぶしたご飯を杉の棒に巻きつけて焼き、
棒から外して食べやすく切ったもの。

もともとは炭焼きや狩猟のため山にこもるときに、
保存のために杉で作った串にご飯を巻きつけたもの。

山で仕留めた鳥や手近なゴボウやキノコなどと
煮込んで食べたことから始まったと言われている。


スープは比内地鶏でとった
だし汁をベースとした醤油味。

具は基本通り、鶏肉、ゴボウ、舞茸、ネギ、セリ。

ニンジンやシイタケなど風味が変わってしまうものは
入れないのが基本なのだという。

僕は正直、シイタケ同様に舞茸も好きではないのだが、
こういう形だと意外と美味しく食べられる。


食べてみると確かに、
雑味が入らない方がいいというのは分かる。

量は決して少なくはない。

親子丼を食べたばかりの身には厳しそうだが、
食べてみると想像以上にスッと入ってくる。


大館名物を連続で食べ、
すっかり満足すると東大館駅へ。

といきたいところだが、
そうもいかない。

東大館駅から自転車を置いてきた鷹ノ巣駅に行くには、
大館駅でJR奥羽本線に乗り換える必要がある。

一見、普通に行けそうに見えるが、
JR花輪線は3時間に1本、
奥羽本線は1時間に1本しかない。


現在、時刻は12時半。

幸いにも12時46分東大館駅発の
JR花輪線には乗れる。

しかし大館駅発の次の電車は13時45分発。
鷹ノ巣駅に着くのは14時を過ぎてしまう。


電車に乗るのは30分もないのに、
1時間半以上かかってしまうという理不尽。

時間に余裕があるのなら問題ないが、
何しろまだ今日はまったく走っていない。

これから100km以上走ろうというのに、
この1時間の無駄は痛すぎる。


結局、僕の出した結論はタクシー。

これならば30分程度で鷹ノ巣駅まで着く。
まさに時間を金で買うというわけだ。

出発前にわざわざ電車で戻って昼飯をはしごするのも、
余計な時間を短縮するためにタクシーに乗るのも、
まあ、僕の自転車旅行らしいといえばらしい。

最終的に全行程を自転車で回れば問題ないのだ。



西へ
西へ歩いていく

元祖むらさき
元祖むらさき

きりたんぽセット
きりたんぽ鍋セット

きりたんぽ
きりたんぽ鍋

東大館駅
東大館駅へ




東大館駅前からタクシーに乗り西へ。
13時前に鷹ノ巣駅前に到着する。

そして駅前の自転車置き場から自転車を取り出すと、
西に向かって走り始める。



走り始める
鷹ノ巣駅から走り始める





-----------------------------------------
2014年5月5日

鷹ノ巣駅(北秋田市)
走行距離:約0km

■大館名物をはしごする
(番外:北秋田市~大館市~北秋田市)