先日、『プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影展』の感想(こちら )を書いたことに関連して・・・。
NHKで放送されている「テレビでスペイン語」の中に、『美術からひも解くスペイン♪』というコーナーがあって、そこで、ゴヤの作品が紹介されていたので、その時紹介されていたゴヤの作品をこのブログでも紹介しておきます。
大の闘牛のファンだったというゴヤは、版画集「闘牛技」を制作しています。先日、感想をアップした後、この版画集「闘牛技」について全く触れていなかったことに気がつきました!
『ゴヤ展』でも、版画集「闘牛技」から10点くらい展示されてたのですが、ちょうど今月の「テレビでスペイン語」講座の中で紹介されていた作品が含まれていたんです。
『版画集 闘牛技33番 マドリード闘牛士におけるペペ・イーリョの悲劇的な最期』
33点からなるゴヤの版画集「闘牛士」の最後の1点。観客席などは一切省略され、アレーナ(闘牛場の砂場)の中で対峙しているような臨場感のある作品です。
1801年5月11日、セビーリャ出身の闘牛士ペペ・イーリョ(ホセ・デルガード)は、マドリード闘牛場で、牡牛の角にすくい上げられ、地面に投げ出されて悲劇的な死を迎えました。この時、スペイン中が悲しんだそうです。
喪に服したこの花形闘牛士の最期を、ゴヤがエッチングで描いた作品です。
「テレビでスペイン語」講座のテキストによると、闘牛の起源ははっきりしないけれど、野生の牛に襲われたために野牛狩りが行われ、それが起源になったといわれていることが書かれていました。
現在の闘牛のスタイルが確立されたのは18世紀末から19世紀初頭で、ちょうどゴヤが生きた時代だったそうです。
ゴヤの時代に闘牛は、スペインの国民的娯楽となり、スペイン全土に広がったと言われているそうです!
ゴヤは大の闘牛ファンで、自身も闘牛の経験があったようです。
版画集「闘牛技」は、対仏独立戦争が終結した後の1815年から16年にかけて制作され、出版の意図をゴヤ自らの言葉で「スペインにおける闘牛の発生から発展および現状を概観する」と述べているそうです。
量感のある巨大な塊の牛と人間との対峙、臨場感あふれる戦いの場面、まさに「光と影」の闘牛場で「生と死」のドラマがモノトーンの世界に繰り広げられているのです。そしてそのドラマは『33番、ぺぺ・イーリョの悲劇的な最期』で終わりを告げます。それはまさにスペインの英雄の栄誉の死の場面に他なりません・・・とテキストに書かれていました。(「テレビでスペイン語」12月号テキスト p33「闘牛士とスペイン人の心」より)
ゴヤの作品として「闘牛士」は有名な版画集なのに、すっかり忘れて(笑)書き忘れてしまったので、少しだけまとめてみました♪
私、まだスペインに行ったことがなくって・・・。ガウディの代表作であるサグラダ・ファミリアやアルハンブラ宮殿を見てみたいんですよ♪以前「世界ふしぎ発見」でサグラダ・ファミリアとアルハンブラ宮殿について、スペインの特集が放送されたことがあって、スペインの魅力がたっぷりと放送されていたことがありました。(その時に書いた記事は、こちら )世界的にも素晴らしいと言われているプラド美術館にも是非行ってみたくって!(プラド美術館には、ゴヤの銅像が立っているそうですよ!)スペイン人は美術館でデートしたりするのが当たり前で、美術鑑賞は日常的なことなんだそうですよ♪
「テレビでスペイン語」の『美術からひも解くスペイン♪』は、スペイン絵画の巨匠であるゴヤだけでなく、ベラスケスをはじめ、ピカソなどの作品を紹介しながら、スペインの文化や歴史についても紹介してくれています。(今、放送されている「テレビでスペイン語」は、昨年の再放送なんですけどね・・・。)
スペイン語の勉強はもちろんですが、スペイン美術に興味のある方にも、お勧めですよ♪
