昨日、『アスリートの魂』で、「日本を元気づけた 石川遼19歳の誓い」が放送されました。


石川選手は、約2ヶ月に及ぶアメリカ遠征で、6つの大会を転戦しました。その遠征の真っ最中に起きた日本の震災・・・。その時、石川選手が何を思っていたのか?石川選手の挑戦の舞台裏に迫る・・・という番組でした。


番組で使われていたインタビューは、地震前に収録したものもあり、普段は見れないような19歳の素顔を覗かせている場面も見られました。


今年2月初旬、石川選手は3年目となるアメリカツアーへ向けて出発しました。その時のインタビューで、日本を代表して、結果を残したい!と、強い決意を口にしました。


日本を出発してから1ヶ月。

アメリカ、フロリダ州で、大会に備えて、入念な準備をしている石川選手の元へ・・・。


渡米前に、なぜ日本を代表として挑むと言ったのか?という質問に、このままじゃ日本のツアーが世界から離されるな・・・という危機感というか、日本人がメジャーに優勝争いをするっていうか、同じ人じゃなくても、交代、交代っていうか、それくらいの流れでないと、日本のゴルフツアーのレベルを認められないと思うし、だから、すごく責任があるかな・・・と語っていました。


その様子からは、日本のゴルフ界のためにも、自分が活躍しなければならないという強い決意が伝わってきていました。


日本で賞金王に輝き、史上最年少で日本のゴルフ界の頂点に立った石川選手ですが、この2年、世界の舞台では、なかなか思うような成績を残せず苦しんできています。


石川選手は、世界のトップの選手のプレーを目の当たりにするうちに、いつしか自分のゴルフが変わっていったそうです。

アメリカだったら、この人が狙っていたら、自分も狙おうとか・・・周りを見過ぎたり、羨ましいと思うあまりかもしれないけど、気づかないところで、そういう風に動いて、そこはよくないかな・・・と語っていました。


今年こそは、自分らしく、バーディーを狙う、攻めのゴルフを貫きたい・・・と考える石川選手。


アメリカのコースは、フェアウェイが狭く、至る所にバンカーだらけ・・・。一度、フェアウェイを外すと、スコアを伸ばすことは難しくなるため、狙ったところに、正確にボールを落とせることが重要となります。

石川選手は、得意のドライバーショットの精度を上げようとしていました。


練習量も、いままでの1日100球から300球に・・・。

世界で結果が残せるように、一切の妥協を許さない姿勢が見られました。


僕は今まで、ゴルフのことを考えすぎて煮詰まっちゃって、頭の中がパンクしたような経験、一度もないんで、この際どこまでゴルフのことを考えられるのか?っていうくらい、試しに考えるのもいいんじゃないか?と思って・・・と語っていました。


全てはゴルフのために・・・。専属の料理人をつけて和食中心の食事にしたり、他にも生活の隅々にまで気を配っていました。

自分の行動ひとつひとつ、ゴルフのためにと考えることが、そういう生活に繋がっていくと思うんで、それが、最後の一打に泣くか笑うかの部分になっていくと思うんで・・・。


3月10日。遠征、3戦目!

世界ゴルフ選手権に臨む石川選手の姿がありました。世界トップレベルの66人が参戦し、その中には、タイガーウッズ選手やフィル・ミケルソン選手といった、石川選手が目標とする選手が顔を揃えていました。

大会初日、トップと2打差の2位、最後まで責めのゴルフを貫くことができた石川選手・・・。

しかし、その6時間後に、海の向こうの日本で、かつてない災害が起きます。

地震の模様は、アメリカのメディアでも大きく取り上げられることとなりました。


一夜明けて、石川選手に海外の取材が殺到!被害の詳しい状況がわからないまま、コメントを求められて困惑する石川選手・・・。

滅多に見たことのないイヤホン姿で、取材陣から離れて練習を行う石川選手。


最終日、順位が大きく下がって、42位で終わります。海外の大会で、ようやく掴みかけた上位への大きなチャンスを逃してしまったのです。


各メディアからは、震災についてのコメントを求められていました。

石川選手の表情からは笑顔が消えていき、どんどん暗く沈んでいきました。

ゴルフの成績ではなく、思いも寄らぬかたちで集まる注目・・・。事態の大きさに、うまく言葉が見つからない石川選手。

震災について、今の心境は?と質問され・・・。

そのことに関しては、もうコメントをそんなにしたくないなと思ったんですけど・・・。まあ・・・・・海外に居るっていうのは辛いですね。

被害が大きかった地域に住んでいる友達や知人を気遣うコメントをされていました。


ゴルフへの影響は?

正直、そうは思いたくないというか、実際にその影響はないと思う。僕の中では決めているというか、そこは、しっかりと分けたいという気持ち・・・。

気持ちの整理がつかないまま震災とゴルフを切り離そうと、必死になっている姿がありました。


震災から2週間・・・。アメリカに渡って5戦目の大会、アーノルドパーマー招待も、本来のゴルフが戻らないまま、予選通過のかかった2日目、大きなミスをしてしまいます。18H、バンカーで大苦戦。この18Hで、まさかの8打。結果、予選を通過することができませんでした。この18Hに関して、今までゴルフをやってきた中でも、なかったことで、自分が何をしているんだろう・・・と思ったそうです。

日の丸を背負ったという大きな意味では、不甲斐無いし、ここまでの戦いっていうのは、自分で納得できない。もっと出来るんじゃないか?というのはある・・・と語っていました。


震災から20日。石川選手は、大きな決断をします。

今シーズンの獲得賞金の全てを、被災地の支援のために寄付することを決めます。

19歳の決断を世界中のメディアが報じ、石川選手は、メディアを通して、被災者の人たちと向き合う覚悟を決めます。


この時、石川選手は、自身のHPに、このようなコメントを記しました。

僕と被災者のみなさんは、ゴルフを通して、ずっと繋がっています。

そう思えば、僕もゴルフに100%集中できます。

きっと、みなさんに思いは届く、そう信じています。


そして、臨んだマスターズ・トーナメント!3回目の挑戦で、初の予選突破!そして、20位という、素晴らしいプレーを見せてくれました。

Going my way ~どこまでも続く道~-アスリートの魂 石川遼選手


ひとりでも多くの人に勇気や元気を与えられるように頑張りたい。スポーツの力で、明るいニュースを提供できればという気持ちでいるんで、そうなってくれればいいですね!


日本代表として日の丸を背負ったゴルファーとして、一人の日本人として、被災地の人たちに自分は何をすべきなのか?獲得賞金の全てを被災地に寄付するという決断が、どれほど悩み抜いて出したものだったのかを知りました。

普段、スポーツの世界は、華やかな表舞台しか見ることがないので、陰でどれくらい練習しているのか、どれほどのプレッシャーを抱えて大会に臨んでいるのか?といった舞台裏を知ることが出来る機会はなかなかないんですよね。あれほど苦悩していたとは・・・。この番組で知ることができて良かったと思います。


私も辛く苦しいことがあっても逃げないで頑張ろう♪という気持ちになりました。この番組を見て、ますます石川選手のファンになりました。