今日の日本経済新聞の40面「文化」に、新劇に関する記事とともに、劇団四季『鹿鳴館』の話題が掲載されていました。
今、劇団四季が『鹿鳴館』を再演しています。自由劇場で、10月10日まで。
詳しくは、四季HPで・・・。
http://www.shiki.gr.jp/applause/rokumeikan/index.html
『鹿鳴館』は、三島由紀夫さんの原作で有名なので、ストーリーもご存知の方が多いと思いますが・・・。
鹿鳴館の大夜会を舞台に、陰謀家の影山伯爵(日下武史さん)と芸妓上がりの妻・朝子(野村玲子さん)を中心に、恋と政治の渦に翻弄される男女が描かれています・・・。
私も、数年前に観ました。
豪華なセットと豪華な衣裳、華やかだった印象が残っています。
演出を担当された浅利慶太さんが、「鹿鳴館」のセリフを、美しい日本語とおっしゃっているように・・・。まさに、知的なセリフに圧倒された記憶があります。
今日の日経新聞の記事は、“新劇の基礎を築いた小山内薫さんが二世市川左団次さんと自由劇場を旗揚げして今年で100年。劇団四季が「新劇百年」と銘打つ記念公演を行うなど、「新劇」の意味を再考する機運が高まっている”という内容でした。
「鹿鳴館」を演出された浅利慶太劇団四季代表が、「演劇は言葉の芸術で、文学の立体化運動である。新劇百年に際して文学的に価値の高い作品を上演すべきだと考えた」とコメントされていました。
100年前、小山内さんが自由劇場で上演した「ヨーン・ガブリエル・ボルクマン」が、今秋、俳優座劇場で上演されることも書かれていました。(11月公演の「ヨーン・ガブリエル・ボルクマン」に関する記事は、こちら。http://confetti-web.com/detail.asp?tid=103357 )
「正統な新劇」を継承することを掲げて53年に劇団四季を結成した浅利代表は、「新劇の本流は四季である」と語っていました。その自負は、四季が言葉を明晰に伝えるため母音を強調する独自の朗誦法を確立、興行の経済的自立を実現したことからなるというお話が載っていました。一語一語が明瞭に発音されなくては、作者の思想も演出家の意図も、観客に伝えることは出来ない・・・。(四季の舞台やミュージカルのセリフは、本当に聞き取りやすいんですよ・・・。セリフを全部、母音に直して練習されるという方法で稽古されているところを見たことがあります。2階席の後ろに座っても、はっきりと聞こえるんです。素晴らしいです。)
ただ、新劇は94~2000年に千田是也さん、杉浦春子さん、滝沢修さん戦後演劇を率いた築地小劇世代が亡くなったことで終わっているという見方もある・・・。演技スタイルなど独自なものを確率できなかった・・・という批判も根強く残っているという事も書かれていました。
最後は、新劇像は、さまざまだが・・・。新劇の良い遺産を引き継ぎ、成熟させて世界水準の演劇を作り出す事、それが新劇百年が指し示す課題だといえる・・・という記事でした。
この記事を読んでいたら、また『鹿鳴館』が観たくなってしまいました♪