28日(火)のNHK『クローズアップ現代』は、27日(月)に引き続き、がん患者さんが抱える問題がテーマの放送でした。
昨日のテーマは、「がんとともに(2) “働き盛り”失業の不安」でした。
今回、全国1200人のがん患者に行ったNHKのアンケートによると、がんと診断された時、「仕事を継続したいと考えた人」は、57.2%、しかし、「診断後、仕事を失った人」は、全体の35.4%という結果だったそうです。
この結果から、仕事の継続が容易ではない実体が伺えます。
早期発見や医療技術の進歩により、がんは治る病気になってきてはいるけれど、がんは、時として長期治療を必要とし、治療を終えた後も、定期的な検査を受けたり、治療の後遺症による体力や低下や体調の変化にみまわれることが少なくない病気です。
こうした中で、職場復帰は、患者や家族にとって、経済的にも精神的にも、生活を送る上での支えとなるはず・・・。
しかし、患者に対する企業の理解は、十分とはいえず、患者となった従業員のそれぞれの立場に柔軟に対応できるしくみは、まだまだ課題が残っているようです。
番組の中で、仕事を辞めざるおえなくなった方、再就職先が、なかなか見つからない方に取材を行っていました。
血液のがん、白血病と診断され、今も抗がん剤治療を受けているHさんは、正社員から準社員に雇用形態を変更せざるおえない状況に陥ったそうです。(通院が週3日という長期治療が必要だった為、休職期間が足りなかったそうです。)準社員になって、収入は正社員の時の5分の1に減ってしまったそうです。年間125万円かかる治療費は、収入では補えず、貯金を取り崩しながら生活を送っているそうです。
胃がんになり、胃を全摘出し、職場復帰したものの後遺症に苦しみ、周囲の理解をえられないまま退職に追い込まれてしまったという方もいました。
再就職が難しい実体も放送されていました。がんを克服したのに、再就職先が、なかなか見つからない30代の女性が取材に応じていました。がんによる闘病生活が、7年にも及んでしまったそうです。人より苦しい想いをし、頑張ってきたのに、理解してくれる人は少ない・・・。苦しかった経験をし、専門学校でデザインの勉強もし、努力してきたのに、企業には、7年の闘病生活を、ただの空白期間と思われてしまうことが辛い・・・と訴えていました。
スタジオゲストは、静岡県立静岡がんセンター総長の山口建医師でした。
山口医師が、がん患者さんの抱える苦悩は、三重苦、四重苦の世界だと思う・・・。
身も心もボロボロの状態で、医療費もかかり、職を失うと、収入が途絶える。そして、生きがいも無くしてしまう。
人より苦しい思いをして、崖っぷちを見てきている大変強い方たちなので、企業も、そのことの重要性を理解してくれれば・・・ということをおっしゃっていました。
同僚の理解や思いやりが大事で、企業側の理解が必要となり、がんは、不治の病ではなくなってきている事実をもっと知って欲しいということをおっしゃっていました。
医師、企業、患者さんの三者の連携が必要ということで、番組をまとめていました。
27日、28日とがん患者さんが直面する問題についての放送がされ、人事に思えなくて、特に昨日の内容に関しては、自分も同じ立場になったら、どうしたら良いのか?ということを考えさせられる番組でした。
本当に辛い気持ちは、患者さんご本人の立場に立ってみなければ、わからないことなのかもしれませんが・・・。
今、ちょうど『ターミナルケア』の勉強をしている途中なので、がん患者さんの不安や抱えている問題に関して書かれた本も読んでみようと思いました。
最後に、昨日、がんを告白し、闘病生活を続けていたロック歌手の川村カオリさんの訃報を知りました。
心よりご冥福をお祈り致します。