私には、20歳も歳が離れた
気の合う友人(ドイツ人)がいる。

彼女との出会いは、
娘が10歳の頃、
現在、私の職場であるダンススタジオに
娘が移った頃。

後に、彼女と一緒にそこで仕事を始めて、
いろいろな事を乗り越え、
至る所へ一緒にワークショップへ
行った戦友であり、
尊敬する友人だ。

娘の方が、彼女と歳は近いし、
彼女の両親の方が私と歳が近い。
彼女とは、共通した所も多く、
話題に事欠かない。

若い力という物は、
こちらにも力を与えてくれる。
彼女のエネルギッシュで、
クリエイティビティな姿勢には、
こちらも刺激されてきたし、
いつも驚かされた。

いつだったか、
私と娘でバレエを観劇に行くんだけど、
一緒に行く?
と誘ったところから
私達は、お互いが何か興味ある物を
見つけると一緒に行くようになった。

さらに彼女の従兄弟も観劇が大好きで、
時間があいさえすれば
(観劇の予定が有れば、彼はこっちを優先する)、彼も一緒に出かけるようになった。

そして今の住まいも
彼女が一緒に内見をしてくれた。
ドイツの不動産事情が
あまりよくわかっていなかった私にとって、
彼女から一緒に見に行こうか
という言葉が何より心強かった。
20歳の年上なのに、
私が随分と頼りなく見えたのかもしれないが...

ただこういう場合に、
私が一人で対応すると
聞き逃しや勘違いも生まれる可能性もあるので、ネイティブドイツ人の彼女が
一緒にいてくれて助かった。
そして今では、彼女はご近所さんでもある。

引越しの時も私の住んでいた所の
友人達と彼女の友人達が手伝ってくれた。

でも彼女は、今では友人ではあるが、
“元同僚”
になってしまった。

約3年程前から彼女は、
以前からの夢であった仕事の
実現に向けて動き出そうとしていて、
その都度、彼女から相談も受けた。
そしてうちのボスと折り合いが
悪い事も聞かされていた。
ボスの人間性に問題があることは、
私も承知した上で、
これは仕事だからと今も割り切っている。
しかしボスの彼女への理不尽さが
彼女を病んでいった。
心もそうだが、
身体的に目に見えておかしな症状が
出始めていた。
そして彼女があと半年したら、
スタジオの公演もあるだろうし
(まだこの時、決まっていなかった)、
それを終えたら生徒さん達とも区切りがよく、
彼女自身が快く辞められると言っていた。

ところが、クリスマス明けの休暇中に
彼女から私の所に
“ボスから突然、解雇通告所が送られてきた”
と連絡があった。

結局、ボスは彼女の若い力、才能と
自分が老いていく事による劣等感、
受け入れがたい新しい思考を解雇という形で、
自己保身に徹底して潰した。

彼女は、人望も厚く、
小さな子供達から若者まで慕われていたので、
このことは、休暇中の出来事だった事もあり、
大騒動となった。

ボスの言い訳めいた言葉は
生徒さんや親御さんの心に歪みを
生んだだけだった。

こんな事がたった1年半前に出来事だが、
現在、彼女はかつてからの夢であった仕事を
していて、体も心も穏やかに過ごしている。

自分が共感できたり、
尊敬する思いは、
歳の差など関係ない。
もちろん長く生きた分だけ...
ちょっとだけ経験値が
上がるからボスのように
自分の子供と同年代の意見を
認められない人もいる。

私は、10〜20歳、
年が離れた友人達と一緒にいた事がある。

その中でも一番歳が離れていた友人とは、
すごく気が合って、
彼女といるとすごく楽しかった。

ただお互いを認め合えないと、
この関係性は、成立しないのかなぁとも思う。
ただ、ただ心に響くもの、
いいと思うモノに素直で有ればいいだけ。

私は、こんなオバさんを
彼女が私の事を
友人と呼んでくれる事を
誇りに思う。