母が入院して1週間。
私はこれまで以上に両親の事が気になって仕方ない日々でした。

父は、急にひとりになった不安からか、同じことを何度も聞いたり、些細なことで混乱したり——これまで見たことのない様子を見せ始めていました。

私は、両親を高齢者施設へ入所させるために動き出しました。
けれど、一番の壁は父の説得です。

施設に対して強い抵抗感を持つ父。
きっと簡単には首を縦に振らない。
でも——母がいない今、この“寂しさ”が心を動かすきっかけになるかもしれない。
そう思った私は、ある作戦を立てました。

まずは、母が退院後に自宅での生活が難しいことを、少しずつ理解してもらうこと。
そして「母のために、一緒に施設を見てほしい」と頼み、実際に足を運んでもらう。
最後に——
「二人一緒なら安心だよ」と、そっと背中を押す。

一歩ずつ、逃げ道を残しながら、でも確実に前へ進める。
そんな流れを描いていました。

同時に、私は施設探しを始めました。

仕事の昼休み。スマートフォン片手に検索を繰り返す日々。
「ここ、いいかもしれない」
そう思えばすぐに電話をかけ、空き状況を確認。

時には少しだけ仕事を抜けさせてもらい、実際に足を運び、パンフレットを手に取りました。
限られた時間の中での情報収集は、まるで時間との戦いでした。

私が譲れなかった条件は、はっきりしていました。

要介護1の母と、要支援1の父が一緒に暮らせること。
同じ部屋、もしくは近くの部屋で生活できること。
最低限のプライバシーが守られる設備があること。
そして、日中を楽しく過ごせる環境があること。

探していく中で分かったのは、この条件を満たせるのは有料老人ホームに限られるという現実でした。
選択肢は決して多くありません。

それでも諦めずに探し続けていると——
「ここかもしれない」
そう思える施設に出会いました。

実際に話を聞きに行くと、スタッフの方はとても丁寧で、こちらの状況にしっかり耳を傾けてくれました。
そして、思いがけない提案を受けます。

「ご夫婦で一緒に入れるお部屋、宿泊室ならご用意できます」

その施設は、小規模多機能型居宅サービスと有料老人ホームが一体となった場所でした。
通所・宿泊・在宅を組み合わせながら支える仕組みを持った施設だったんです。

ようやく不安の闇の中に灯りがともりました。

けれどそこには、ひとつハードルがありました。

「この施設に入るには、ご両親の住所をこちらの市に移していただく必要があります」

なるほど、そう来たか〜!


そう思うと同時に、


施設の詳細の確認と契約
住所変更に伴う各種の手続き
実家の片付け
母の病院とのやりとり
何より父の説得、、、
入所の準備

凄い数のハードルが、縦一列でなくて、横にも上にも、一気に見え始めて

年度末の仕事の忙しい時に、うわ〜💦と軽くパニックになったのでした、、、

(続く)