豆腐マイスターを香港で開催して感じたこと
豆腐マイスター香港開催、今回の開催で感じたことをいくつか記載しておきます。
◆海外開催は、現地の豆腐情報が必要。
日本の豆腐はこうだ、ということを伝えることはもちろん重要なのだが、
現地には現地の豆腐があり、現地の人は日々それを食べている。
だから現地の豆腐がどういうもので、どういうつくられ方をしていて、
というのも合わせて伝えなければいけない。
今回は講師のまめちゃんが事前に香港に入り、売っている豆腐の
原材料をリサーチしてくれた。
圧倒的に多いのは凝固剤がグルコノデルタラクトンのお豆腐。
これは、日本でも昔よく使われていた酸凝固剤と言われるもの。
保水性に優れているので薄い豆乳でも固まる。
食感は滑らかなのだが、作り方によっては酸味のあるお豆腐が
できるのが特徴だ。
私も2つほど豆腐を購入し、試食してみたが両方とも酸味を感じた。


現地の豆乳もリサーチ。こちらはほとんどが砂糖入りの調整豆乳。
濃度も薄い。

無調整豆乳をまめちゃんが買ってきてくれたので、飲んでみると
日本ではありえない薄さ。
おそらく大豆固形分5~6%くらいだろう。

※左端の黒いパッケージのボトルが現地の無調整豆乳。
◆海外開催での料理レッスン
また料理は、現地で買う事のできる豆腐を使ってつくれる
料理でないと意味がないと感じた。
今回の香港のスーパーなどで手に入るお豆腐は、
どれも酸味を感じる味だった。
どうしてもにがりのお豆腐になれている
我々はこの酸味を感じるお豆腐はなじめない人多いと思う。
でも現地に人にとっては、これが当たり前。
だからこの酸味があるお豆腐の使い方も教えないといけない。
今回の井上先生はさすがの対応。
デパートなどでしか手に入らない、日本風のお豆腐を使った料理と、
ローカルのスーパーなどで売っている通常のお豆腐を使った料理と
両方織り交ぜてくれました。

※現地で買える日本風の豆腐、博多屋さん。

※ローカルのスーパーで売っている通常のお豆腐。角を切って使います。
先生曰く、たまに悪くなって使えないものがあるから多めに買っておくとよいとのこと。
お料理は、もちろん香港テイスト、でも日本人が好む味付けとなっていました。
とても美味しかったです。
今回は、レストランの厨房で料理レッスン。いつもと違った雰囲気でまた楽しかったです。
先生はいつもこの厨房でレッスンをしているだそうです。
◆豆腐の歴史はその国の歴史を踏まえて。
日本人として、豆腐の歴史やその進化などを知っておくことは必要ですが、
その伝え方は考えないといけないと思いました。
受講生が日本人ばかりであれば、豆腐の日本における
歴史や進化には興味を持ってくれるのですが
外国の方が入ってくるとそうはいかないのかな、と。
特にアジアなどでは独自の文化を築いているので、日本での豆腐の歴史よりも
自国での豆腐の歴史の方が大切であったり興味を持つかもしれない。
こう考えると、豆腐の世界史、みたいなものも必要
なのかもしれません。
◆ローカルな情報も必要。
香港では市場で豆腐が売っているという事で講座後視察に。

お肉屋さんの店先で、豆腐がそのまま置いてある。
日本のように水をはった水槽に入っているわけでもなく常温の状態。

正直、大丈夫かな、と思ってしまう。
まあ肉や魚も同じようなところがあるので日本の衛生基準で考えてはいけないのだろう。


おじさんに頼むと、そのお豆腐を切って売ってくれる。
1丁500~600gくらいだろうか、7HKD。だいたい100円くらいかな。

切ったお豆腐をビニール袋に入れてくれた。
なんだか昔のお豆腐屋さんで、ボールに入れてくれたのを思い出した。
普段はやはり生では食べず、火を通して料理して食べるそうです。
しかしここは生で試食をしておかなければ、と思って食べてみると、
スーパーの豆腐よりきつめの酸味がします。
これも腐っているわけではなく酸凝固剤グルコノデルタラクトン
の仕業かな、と思いました。
豆腐の腐った状態とは少し違う感じだったので。
後から、友人にfacebookで教えてもらったのですが、中国では凝固剤に
酢水を使った酢水豆腐というのがあるそうです。
うーん、これなら納得、という感じの味。
これは推測ですが、もしかすると酢水でつくるとお豆腐が酸性になり、
このような常温での保存状態でも腐らないのではないかと思いました。
そう、日本のお寿司がかつて日を持たせる食として使われていたように。
そう考えると酸っぱいのも意味があるのかも。
またそれが現地の人にとって当たり前の味なのかも。
これは現地でないとわからない情報ですね。
これが正しいかどうかは、もっと聞き込み調査をしなければなりませんが、
いくつかの仮説がつくれただけでもラッキーです。
こうやって考えていくと、海外で食の事を伝えていくとき、自分たちの
国の価値観を押し付けるのは絶対よくない。
その国の食事情、背景などから様々な情報を読み取り、仮説をたて、
現地の食文化や食生活に尊敬を念を持ってあたらなければいけない
と実感しました。
以上


今回の旅は、講座前日の夜中に入り、終業後朝発の便で帰るという強行
でしたが、それでも現地にいくのと行かないとでは大きな違いが
ありました。
収穫は大きかったです。
今回現地でお世話になった井上恵子先生、黒田さん、受講生の皆さん、
味とみスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
◆海外開催は、現地の豆腐情報が必要。
日本の豆腐はこうだ、ということを伝えることはもちろん重要なのだが、
現地には現地の豆腐があり、現地の人は日々それを食べている。
だから現地の豆腐がどういうもので、どういうつくられ方をしていて、
というのも合わせて伝えなければいけない。
今回は講師のまめちゃんが事前に香港に入り、売っている豆腐の
原材料をリサーチしてくれた。
圧倒的に多いのは凝固剤がグルコノデルタラクトンのお豆腐。
これは、日本でも昔よく使われていた酸凝固剤と言われるもの。
保水性に優れているので薄い豆乳でも固まる。
食感は滑らかなのだが、作り方によっては酸味のあるお豆腐が
できるのが特徴だ。
私も2つほど豆腐を購入し、試食してみたが両方とも酸味を感じた。


現地の豆乳もリサーチ。こちらはほとんどが砂糖入りの調整豆乳。
濃度も薄い。

無調整豆乳をまめちゃんが買ってきてくれたので、飲んでみると
日本ではありえない薄さ。
おそらく大豆固形分5~6%くらいだろう。

※左端の黒いパッケージのボトルが現地の無調整豆乳。
◆海外開催での料理レッスン
また料理は、現地で買う事のできる豆腐を使ってつくれる
料理でないと意味がないと感じた。
今回の香港のスーパーなどで手に入るお豆腐は、
どれも酸味を感じる味だった。
どうしてもにがりのお豆腐になれている
我々はこの酸味を感じるお豆腐はなじめない人多いと思う。
でも現地に人にとっては、これが当たり前。
だからこの酸味があるお豆腐の使い方も教えないといけない。
今回の井上先生はさすがの対応。
デパートなどでしか手に入らない、日本風のお豆腐を使った料理と、
ローカルのスーパーなどで売っている通常のお豆腐を使った料理と
両方織り交ぜてくれました。

※現地で買える日本風の豆腐、博多屋さん。

※ローカルのスーパーで売っている通常のお豆腐。角を切って使います。
先生曰く、たまに悪くなって使えないものがあるから多めに買っておくとよいとのこと。
お料理は、もちろん香港テイスト、でも日本人が好む味付けとなっていました。
とても美味しかったです。
今回は、レストランの厨房で料理レッスン。いつもと違った雰囲気でまた楽しかったです。
先生はいつもこの厨房でレッスンをしているだそうです。
◆豆腐の歴史はその国の歴史を踏まえて。
日本人として、豆腐の歴史やその進化などを知っておくことは必要ですが、
その伝え方は考えないといけないと思いました。
受講生が日本人ばかりであれば、豆腐の日本における
歴史や進化には興味を持ってくれるのですが
外国の方が入ってくるとそうはいかないのかな、と。
特にアジアなどでは独自の文化を築いているので、日本での豆腐の歴史よりも
自国での豆腐の歴史の方が大切であったり興味を持つかもしれない。
こう考えると、豆腐の世界史、みたいなものも必要
なのかもしれません。
◆ローカルな情報も必要。
香港では市場で豆腐が売っているという事で講座後視察に。

お肉屋さんの店先で、豆腐がそのまま置いてある。
日本のように水をはった水槽に入っているわけでもなく常温の状態。

正直、大丈夫かな、と思ってしまう。
まあ肉や魚も同じようなところがあるので日本の衛生基準で考えてはいけないのだろう。


おじさんに頼むと、そのお豆腐を切って売ってくれる。
1丁500~600gくらいだろうか、7HKD。だいたい100円くらいかな。

切ったお豆腐をビニール袋に入れてくれた。
なんだか昔のお豆腐屋さんで、ボールに入れてくれたのを思い出した。
普段はやはり生では食べず、火を通して料理して食べるそうです。
しかしここは生で試食をしておかなければ、と思って食べてみると、
スーパーの豆腐よりきつめの酸味がします。
これも腐っているわけではなく酸凝固剤グルコノデルタラクトン
の仕業かな、と思いました。
豆腐の腐った状態とは少し違う感じだったので。
後から、友人にfacebookで教えてもらったのですが、中国では凝固剤に
酢水を使った酢水豆腐というのがあるそうです。
うーん、これなら納得、という感じの味。
これは推測ですが、もしかすると酢水でつくるとお豆腐が酸性になり、
このような常温での保存状態でも腐らないのではないかと思いました。
そう、日本のお寿司がかつて日を持たせる食として使われていたように。
そう考えると酸っぱいのも意味があるのかも。
またそれが現地の人にとって当たり前の味なのかも。
これは現地でないとわからない情報ですね。
これが正しいかどうかは、もっと聞き込み調査をしなければなりませんが、
いくつかの仮説がつくれただけでもラッキーです。
こうやって考えていくと、海外で食の事を伝えていくとき、自分たちの
国の価値観を押し付けるのは絶対よくない。
その国の食事情、背景などから様々な情報を読み取り、仮説をたて、
現地の食文化や食生活に尊敬を念を持ってあたらなければいけない
と実感しました。
以上


今回の旅は、講座前日の夜中に入り、終業後朝発の便で帰るという強行
でしたが、それでも現地にいくのと行かないとでは大きな違いが
ありました。
収穫は大きかったです。
今回現地でお世話になった井上恵子先生、黒田さん、受講生の皆さん、
味とみスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。