郵政民営化が、完全実施を前にして、もたついている。

 それはそうだ、小泉の言葉に踊らされ郵政民営化一本の選挙スローガンに一票を投じた大ばか者がいっぱいいるし、小泉チルドレンたちの先が見えているのに、この金融不安の中、株式公開に二の足を踏んでいるのだから。株式市場が低迷する中での公開は、即事業体の破綻を意味するからだ。

 もう一度確認したい、郵政民営化で何かよくなりましたか、景気は上向きましたか。答えられる人がいたら、教えてほしい。

 例を挙げよう、株式投信やら投資信託業務に手を出したのはいいが、お客の非難の声に早々に販売宣伝をやめてしまったことだ。そして桧原村を例に取ろう。

 あきる野市から片道1時間かけて現地へ行って、そこから配達して、帰りまた1時間かけて帰ってくる。こんな無駄なことを、効率化を目指すと言っていた郵便事業体がやっているのだ。

 また、窓口業務の報告、引継ぎの不徹底から来るお客からの苦情が、どんどん増えている。現場はたまったものではない、1つ屋根の下に窓口の区別もなく、4つの事業体が一緒になっている状態を想像してみればいい。

 今郵貯銀行が都市銀行とのATM相互利用ができるようになりましたって、盛んに宣伝を行っている。これだって、相互に支払う手数料問題が、絶対に浮かび上がってくるのだ。日本一の支店網を持つ郵貯と一都市銀行のATMどちらが利用率が高くなるか、見ものである。

 郵政民営化で都市部にいる人間にとって何が便利になったのかわからない常態でも、地方においては過疎地切捨てが確実に進行しているのだ。

 郵政民営化で、景気がよくなりましたか、景気は回復しましたか。この金融不安の中で生き残れるとしたら、株式非公開でいくしかないのだ。民営化とは名ばかりの状態を続けるという、国民を騙した選挙の結果は、後期高齢者医療制度の導入、郵政民営化での地方、過疎地域の切捨てと、便利になるどころか地域格差を広げ、弱者を切り捨てていくという新自由主義の剥き出しの資本の論理を私たちに見せ付けただけだった。

 このままでは国民資産としての郵貯、簡保に将来はない。