吉祥寺シアターオープニングステージ第二弾。

さすが、とっても綺麗。入り口にカフェもあって、いい感じ。

今日は、ナイロンの役者さんがたくさんいらっしゃってました。


今回の公演には700人の中から選ばれた35人の役者達が出演。

技術やキャリアは、ばらばらとのこと。


劇場に入ると小型の分厚いパンフレットが無料で配られるのだけど

一人一人役者さんが個別に紹介されているし、

本谷有希子とケラの対談も掲載されているし、

なかなか読み応えアリ。これから観劇される方、お楽しみに。


以下、ネタばれの可能性アリです。


舞台は下手と上手に階段が設置されているくらいで、ほぼ素の状態。

35人出てくるんだもんなぁ・・・と思ったらオープニングのダンスで本当に全員出てきた(笑)

その中でも目を引く、拙者ムニエルの伊藤修子。小さくてちょこまかしていて、かわいい。


簡単にあらすじ。

恋人に見せつけるために左目をくりぬいた消崎由香(宗清万里子)と

頻繁にリストカットしてしまう消崎健太郎(野部友視)を中心に繰り広げられる

妄想コメディ。時に妄想と現実は入り乱れ、結局全部妄想?な結末。


いい加減なようで意に添っていたりしてだからこそ混乱してしまう、

いつも通りのナンセンスな会話。なんか、深い意味が?と思ったら

別に、ただ面白いだけだったりして。


それなのに物語が破綻しないのは、テーマを見え隠れさせる瞬間を

いくつも織り込んでいるから。今回はタイトル通り「若さ」だったけれど

最後の河野君(市川訓睦)が全裸になっちゃうところとか、最高。

本当、意味もわからず脱ぎたくなってしまうぐらいの年齢があるんだよなぁ。

と大笑いしながら見ていた(舞台で脱いだことありませんが)


「若さ」は武器なんだなぁ、と改めて思った22歳。




AD

女体道場。

すごい名前だ。

女体道場。


劇団名だそうだ。

脱ぐのだろうか。

毛皮族より露出するのか。


うーん。うーん。

個人的にはそれも楽しみだけど。


と思いながら劇団紹介を眺めてみたら

脱いだりすることに重点を置いている劇団ではないようだった。

物語の題材が、とっても私好みな予感だったので胸が高鳴った。


安心&脱がないのはちょっぴり残念な気持ちを抱え、劇場へ。

ちょっと一つ一つの席がせまくてお尻が痛い。

金曜日のソワレ、満員。話題性もあってドキドキ。


以下、芝居の内容を。


会社をすぐに辞めちゃう主人公、はぁーくん。

先輩から預けられた大事な荷物をずっと持っていることすら出来ない。

保険会社と証券会社を間違えて就活していたりして、

「いい年して」と怒られたりしてムシャクシャしている。


「@変態」というマニア向けビデオ店でアルバイトを始めた、はぁーくん。

その店には、鬼畜・スカトロ・屍姦などの性癖を持つ客がやってきて、

自分達がいかに辛い思いをしているか涙ながらに話す。


そんな客を

「本当は実行する勇気がないくせに、頭だけで妄想して満足してるんだ」

と、なじったりする、はぁーくん。


実は、はぁーくんは学習障害。

大事なものが多すぎると怖くなってしまうらしい。

だから物事が続かないとのこと。


ところが、小学校になじめない彼を学習障害と判断した

フリースクールの教師が幼少期の男の子に、

いたずらしていたという事実が判明する。


教師は、はぁーくんを手放したくないが故に、

彼を学習障害として学校に引き止めていたらしい。


つまりは。はぁーくんは。

学習障害でも何でもなく。


「ただのバカだったのねぇ!」


そんな話。


「学習障害ではなかった」ことが判明したときの

はぁーくんの表情が印象的だ。なんだか他人事には思えなくてヒリヒリした。


痴漢とか、変態とか、学習障害とか、色々な事柄を扱っているけれど

私がこの芝居から見たのは


「自分の弱さを何かのせいにしないといられない」

そんな何よりも人間らしい人間の姿と

「万人に受け入れて貰える事実には限りがあるという真実」

だった。


それらを見事に描き出している作品であると思う。

この芝居は、そういう現状を見せたままで終わる。

それがいい。潔い。だって、救いなんて見せたらいっぺんに嘘になる。

時間が経つにつれて、重みを増していく芝居の内容。


役者の過剰な演技は気になったものの、

そんなものを吹き飛ばしてしまうくらい脚本がよく出来ていた。


女体道場という劇団名から観劇を敬遠している人が多いようだが

勿体ないと思う。スタンダードな芝居作り、してる。


「オタンジョウ日警報」

公演を観た後だと、このタイトルも痛々しく思えてくるなぁ。



AD

窪田あつこが主宰を務める花歌マジックトラベラー。

以前、X-QUESTを観たときに、彼女がゲスト出演していた。

はちきれんばかりの肉をたたえたSM女王のいでたちで

舞台に出現した彼女のインパクトは強烈だった。

もはや他の役者も引かせる勢いで男に噛み付いていた彼女に

何故だか激しく胸が痛んだことを覚えている。


現在、小説やテレビドラマ出演、お笑い芸人、イラストレーターなど

劇団以外にも様々なジャンルで活動しているようだ。


「こ・・こんな人が主宰の劇団は・・さぞかし×××なんだろうなぁ」


と想像を膨らませていたのだが、今回はしっかりとしたテーマ性が

あったので、猥雑さが目につくようなことはあまり無かった。


ストーリーは、死を宣告された一人の少年が生と死の狭間の世界で

死んだ兄弟や家族、現実で少年の生を祈る友人達と関わりを持ち

それぞれの誤解をとき、天国へ昇っていくというもの。


特に目新しい展開はなくとも、キャラクターで魅せられたという印象。

前回までは、もっと下品な表現を全面に押し出していたようだが、

今回は大人しかった。

台詞が直球であることが、ほんの少し気恥ずかしい。


役者、窪田あつこは痩せて、セクシーになっていた。

一瞬、彼女だと分からないくらい、色気のただよう女になっていた。

騙された。そう思った。彼女はただのブスをウリにする女優ではない。

歌も、ものすごく上手いし器用な人なんだろうと思う。


ひょっとしたら・・・と思う。

小説も読んでみようかな。

AD

劇団四季「キャッツ」

テーマ:

劇団四季を観た。

何気に「CATS」は初見。


一部の客席ごと回転する舞台。

劇場の壁にはペットボトルや家具などの

普段、私たち人間が使っているものが張り付けられている。

どれも私たちが手にしているものの10倍くらいの大きさだ。


なるほど、「キャッツ・シアター」

私たちも猫同様だということか。面白い。


チラシから、あらすじを引用。


「満月が青白く輝く夜。個性あふれる野良猫たちが、

それぞれの生き方を精一杯歌い、踊り、競い合う、

年に一度の舞踏会。天上に上り、新しい人生を

生きることを許されるただ一匹の

『ジェリクルキャッツ』に選ばれるのは誰か・・・・」


もう、今更言うことでもないだろうが、役者さんが皆すばらしい。

歌や踊りを見ているだけで満足した。四季はやはり、すごい。


まぎれもない商業演劇。

誰もを納得させるだけのチカラを持っている。

しばらく芝居を観ることから離れていた。

こんなに長く期間が空いたのはいつ以来だろう。

もしかしたら、大学に入学してから、初めてのことかもしれない。


理由は色々と忙しかった・・・わけではなく

単に無気力になってしまったからである。

大学四年生になって、生活リズムが微妙に崩れていたのだ。

ヘタれている場合ではないと、ようやく復帰。


そんな観劇離れを打ち破った一本が

「センター街」 作:岩松了 演出:倉持裕

である。前から四列目?の下手端の席での観劇。


岩松了が作:演出した初演は観ていないので、今回が初見である。


岩松作品は一見、誰にでも見破れそうな展開や人間関係を

巧妙な台詞回しで覆い隠したり、露呈させたと思ったら煙に巻いたりして観客の意識を惹き付ける。

また、登場人物の視線や口調の端々から読み取れる情報が他の舞台より格段に多いので、

明らかにされる事柄が少ないにも関わらず、目が離せなくなってしまう。


今回は演出家が倉持裕ということで、舞台セットはかなり初演より具体化されていたようである。

二階へ上がる階段、そして、裏口へ至る天井が低かったことが印象的。

倉持裕は初演時は役者としてこの公演に参加していたのだそうだ。観てみたい。


内容は、センター街にある寂れた元喫茶店に出入りする人々の人間模様。

売春してる母親とか、自称彫刻家とか、詩人のおまわりとか、それが誰が誰を好きとか、そういう話。

ふと気付くと、劇中の人物の会話はみな一方的だということが分かる。各々の思惑に添って動いている人々の台詞の裏に隠されたサブ・テキストを読み込もうとするのだが、ちょうど感付いてきた頃に人物の出入りが激しくなる。ドアを開ける音と閉める音が耳に残る。

まるで、ちょっとした謎解きをしているよう。ゲーム感覚だ。やみつき。

人間関係の複雑さ、難解さ、重みを味わって満足出来る人には、たまりません。


女の人を描くのが上手いなと思った。

特に男受けのいい娘に対して罵詈雑言を浴びせながら、自身の脆さに崩れてしまう母親がとても

良かった。ラストシーンの展開にも納得がいく、長田奈麻の演技にほれぼれとする。


しのぶ役の北川智子が、とても可愛かった。

ぼくもとさきこ、町田マリーはもちろんのこと、役者が適材適所だったのも面白みを増した事実の一つだろう。女優陣はもちろんのこと、男優陣も加藤啓をはじめとして、キャラクターの面白さを発揮していた。