GIFTが上演されてから数日たち、無事に帰宅したわけですが、
数日たっても興奮さめやらず、といったかんじです。ふらふらとディズニー・プラスの配信をみてしまったりしているから、よけい抜けきらないのはまちがいありませんけど、それにしても。
ものすごいものをみたというか...これまでみてきたアイスショーとは完全に一線を画すものでした。現地/ライブビュー/ディズニープラスで観られた方は同意してくださるのでは。
まったく信じられないものです。
東京ドームでアイスショーという実に大胆な試みは成功するにちがいないと確信してはいました。終わってみれば、予想をはるかにうわまわりました。通常のショーをぬりかえてしまいましたよね。35,000人の観客をも演出の一部にしてしまった東京ドームならではのショーでした。これまでくりひろげられた20世紀のアイスショーと画線を喫した21世紀のショーといってもいいのかも...
ネガティブな要素は明らかにありました。氷と音響です。
東京ドームに出現したリンクの氷は決してすべりやすいものではなかったはずです。
ライトの演出のせいで溶けやすかったのか、人工芝の上にリンクをつくるとすべりやすい氷をつくるのが難しいということなのか、なんなのかよくわかりませんが、かなり柔らかそうに見えました。たった一人ですべっているというのに、すぐさま氷にはくっきりとエッジのあとがついていました。正面スクリーンには水しぶきがうつっていましたし、ディズニープラスをみてもニュースでみてもそうでした。うううむ。あれより柔らかい氷ってめったにないのじゃないかしら。記憶が正しければ、2016年のボストンでのWCぐらいじゃないかと。あの時は水たまりができるほどのレベルでした。だけど他は思い浮かびません。
たぶんその影響でしょう。ジャンプの着氷はかならずしもいいものではなかったですよね?もちろん、対羽生比です。試合でああいう着氷をする選手をみたら、こらえて偉い、と思ったはず。そしてGIFTでは転倒する気はまるでしなかったです。
あのいかにもやわらかそうな氷で?目印などつけられそうにない環境で、しかもあれだけライトの演出をやりながら?
いったいなんなのでしょう。試合にでていたころより、今のほうが上達しているのはほぼまちがいありますまい。うううむ、少し前だとピークをすぎている年のはずなんですけど。内村君との対談でいっていましたが、年齢のからむ考えって単なる思い込みってことなの???
東京ドームのリサイタルは音がよくないとさんざんきいていました。が、音響も全体的には悪くなかったです。特に生の楽器の音。たとえばLet's Go Crazyの生ギターの音なんてなかなかでわくわくしました。オケの音にしても不満はかんじなかったです。クラシックのコンサートホールなみとはいえないですが、そんなもの求めるほうがまちがいです。
録音された音楽の響き方も悪いものではなかったですよね。少なくとも試合より劣ることはなかったような。移動すると音の響きがちがうとか、選手が気の毒になるような試合ってあります。
大健闘だったとはいえ、やはりドームは音響としては難しい会場なのでしょう。ボーカルとか、羽生君の録音したナレーションも現地できいたかぎりでは、改善の余地があるように思えました。
配信では音とびがあったのでちょっとびっくりでした。現地で気がつかなかっただけかしら。それとも配信にする時になにか問題がおこったのかしら。
逆に、照明を使った演出という点ではドームはかなりよかったのでは。たとえばこういう演出です。
2023年2月26日にスケーター史上初の単独東京ドーム公演 Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023”GIFT”が制作総指揮羽生結弦さん、演出MIKIKO先生の元、開催されました。ライゾマティクスは演出をサポートさせて頂きました。大変貴重な機会に関わらせていただき誠にありがとうございました。
— Rhizomatiks (@rhizomatiks) February 28, 2023
©2023 GIFT Official pic.twitter.com/y6nZ68mJZa
ドームの天上を意識したものですよね。どうしてもリンクに目がいくのですが、ふと、上をみあげたときがまさにこんなかんじでした。ライブビュー/配信ではうつってましたっけ?
あと観客にわたされたライトの効果もすばらしかったです。ある意味、観客も一体になって曲世界をつくっていたんです。
配信された動画より現地でみたほうがよかったかもしれません。動画では観客の姿もちらちらみえましたが、現地では基本的に、遠くのスタンドで光が動くのしかみえなかったんです。それが星がまたたいたり、満開の桜の花びらが風にまうようで。実際の公演のときのとはちがいますし、グリーンのライトはなかったですけど、下の映像で雰囲気はまだわかるのじゃないでしょうか。現場ではさらに臨場感があったように思えます。今なら、ディズニープラスをみるのが一番わかるかしら。客席が大きめにうつるときより遠景のほうが、一塁側から三塁側、あるいは三塁側から一塁側の座席がどうみえたか、あるいはリンクからおそらくこうみえただろうというのに近いはずです。
GIFTで私たちはすごい羽生くんを見ることになるけれど、羽生くんは客席に満天の星を見ることになるんだね。そしてそこに見えなくても世界中から彼を見守っている星があることを彼は知っている。 pic.twitter.com/IdgkqXsgbS
— あっちゃん🫧🫧 (@ayadayo0114) February 21, 2023
セットの手は、一塁側からは意味がよくわからなかったんです。そうか、本塁側からみればこうなったのですね。顔がスクリーンにうつっていて、手が光っているのはわかったのですけど、全体と手の全体の構図、その意味はわからずじまいでした。一方向だけで全体を見た気になっていてはいけないということですねえ...
本日の紙面原稿です。オープニング「火の鳥」の衝撃からラストの「SEIMEI」まであっという間の2時間半。こちらの写真はオペラ座。「ここであの手が!」「まさかその手が!」と記者席も沸きました。#羽生結弦#GIFT_tokyodome https://t.co/cDOt7fV6pd
— Megumi Takagi/高木恵(スポーツ報知) (@megdale1021) February 27, 2023
うん、この写真をみると、正面からみた人たちはさぞわいたことでしょう。
曲との絡みについても書きたかったのですが、いいかげん遅くなったのでとりあえずこのへんで。まだ書く気なのか、自分(^_^;)
