妙昌寺は大地震が何時きてもおかしくない大変不安定な地域にあるお寺ですが、その不安を少しでも取り除くことも含め、日蓮聖人御降誕800年記念事業として、檀信徒と思いを一つに新本堂新築事業を進め、平成28年には老朽化した旧本堂を取り壊し、平成30年には晴れて新本堂の落慶式を執り行うことができました。 
落慶成った新本堂は、勿論現代の耐震基準は充分満たしている訳ですが、素人が見てもなるほどねと納得するような、地震対策も施されております。工務店の社長曰く、「直下型地震は下からの突き上げで柱が抜けちゃうから、妙昌寺は絶対抜けないように建てるよ」とのこと。確かに鰻屋さんの包丁が宙を舞った話を柱に例えれば納得です。社長のいう工法とは次のような仕掛けでした。

 

 


妙昌寺新本堂の基礎は、写真でもお分かりのように鉄筋の量を始めとして、かなりのオーバークオリティだと思います。そして、そのコンクリートの基礎の上に固定する横木を根太掛(ネタガケ)けというみたいですが、通常は基礎に埋め込んだアンカーボルトで締め、根太掛を基礎に固定します。そして、その根太掛に柱を固定金具で固定し立てます。
これに対し妙昌寺の場合は、まず、基礎の上に根太掛を固定するためのアンカーボルトをコンクリ―トの基礎枠の中に埋め込むまでは同じですが、それとは別のより長いアンカーボルトもコンクリートの中に埋め込んでおきます。
この長い方のアンカーボルトは柱と柱を繋ぐ一番下の梁といいますか、根太掛の直ぐ上に入る梁で、コンクリートの基礎と完全に固定する形を採ります。即ち、柱にしっかりと食い込ませた梁を基礎から延びた長いアンカーボルトで完全に締め付ける訳ですから、地震の時は金属のアンカーボルトが千切れるか、梁が割けるかしない限り、柱が根太掛から抜けることはないという理屈です。

 

 


勿論、これで絶対安心などとは思っておりません。素人なりにこうなったダメだろうなと想像するのは、基礎の下の地面が大きく動くことです。事実関東大震災では、大磯は部分的にせよ2メートル隆起したといいます。熊本や能登でも地面が大きく動いた場所の上に建っていた家屋は、古くても新しくても関係なく、皆全壊等の大きな被害に遭っていたようです。
妙昌寺の新本堂は、旧本堂と全く同じ場所に建てましたが、予想される次の大震災の震度7はどの様な揺れになるのか、やはり起きてみないと分からないというのが正直な結論かも知れません。