69. 最後の願い

『心筋梗塞』
…重大な診断をくだされましたが、
心臓カテーテル法などの詳しい検査ができず
心筋にどれくらいのダメージをきたし
冠状動脈の(心臓を栄養する血管)閉塞している部位や程度など、
詳しいことがよくわからないまま、
母は小康状態を保っていました。

詰まっている血管が、冠状動脈の末端辺りだと
それほど大きな支障がないこともあるのです。
生命を左右するほどではない軽い症例も
私自身これまでたくさん見てきました。
「このままうまく乗り切れるかも」
私達は願いも込めて、母に望みをかけていました。

主治医のA医師の見解はわかりませんでしたが
「もし在宅になったら(退院できて在宅医療・看護)
 誰が看られるんですか?」

などの質問もあり、余計に淡い期待を抱いたのです。
上記の質問に対してはむろん!「私が看ます」でした。
この3ヶ月弱、母に辛く寂しい思いをさせたこともあり
迷わず“仕事を辞めて、私が母さんの看護・介護をする”
                 と決めていました。
訪問看護・介護保険なども併用しながら
母の傍にいてあげたいと心から思いました。
そう「ぜひ、そういう状態にまで回復してほしい!」
という祈りにも似た心情だったのです。


心筋梗塞を起こして5日目…
あのモニターの異常に気付いた朝から、
もうすでに5日目を迎えていました。

“小康状態”とは書きましたが、
素人の目から見てもわかるくらい
母の様子は変貌していきました。
腎臓をはじめ、多くの臓器がうまく働かない…
いわゆる多臓器不全、末期の状態でした。

手や足(特に足首から下)は
水風船のように膨れ上がり(浮腫)
薄青白く冷たく、透き通ったような色をしていました。
これ以上は水を貯めることができない…といった感じで
指も曲げることすら出来ませんでした。
手足がこのような状態なのですから、
全身にも(各臓器・細胞にも)水が溜まり
生きていく為のきちんとした機能が
果たせていけなくなっていたのです。


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