黒い影が動くのを見た。人の気配がする。
この場所で自殺した人がいる、と噂が流れるようになりました。
以前、同じ場所に建っていた工場での出来事です。
社員達は、自殺者の幽霊だと思い込むようになりました。
工場で働くYさんもその一人です。
会社に何か悪いことでも起こるのではないかと心配していました。
幽霊は噂の存在ではありませんでした。
会社に恨みがあるわけでもなく、みんなに見つけて欲しかっただけなのです。
幽霊は言いました。
家族ばバラバラになり、自分を失ってしまいそうだと・・・。
社員が怖れていた幽霊は、なんと自分が消えてなくなりそうだと心配していたのです!