今回ご紹介するのは、エラ・フランシス・サンダースさん、前田まゆみさん訳の「翻訳できない世界のことば」です。
コチラは以前レビューしたリンク先の↓本と同じコーナーにあった世界のことばに関する読み物になります。
<作品紹介>
外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。
言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。
小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。世界6カ国で刊行予定。(Amazonより)
前回は本にまつわる世界のことばでしたが、今回は翻訳できない世界のことばです。
さっそくですが、ちょこっとだけどんな内容なのかレビューしていきたいと思います!
それでは~どうぞ!!
どんな意味でしょう?
突然ですが質問です(どどん)
FORELSKET(フォレルスケット)とはどんな意味でしょう?
ちなみにノルウェー語です。使い方としては、そうだな~。これは完全なる私の偏見ですが、ちょっと気障な人が紅葉が散るある土曜の午後とかに公園のベンチかオシャンティーなカフェとかで「ぼくはフォレルスケットなのさ」とか「ぼくは君にフォレルスケットさ」なんて言っているイメージ。
すみません、まったく意味不明ですよね。しらける前に正解に行きます。
正解は~『語れないほど幸福な恋に落ちている』でした。
あれま~!!世の中には甘いことばがあるものですね!!この短い単語でこれだけのアツいおもいを表現できるなんて情熱的です!どうです?皆さんも今日からフォレルスケット使ってみませんか?
お気に入りワード集
はい、本書にはこんな感じでひたすら世界の国の翻訳できないことばが解説つきで載っています。ここからは私が読んでいて気に入った翻訳できないことばをご紹介したいと思います!
COMMUOVERE(コンムオーベレ)
これはイタリア語で『涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸があつくなる』ことを意味します。本好きの皆さん、こういう経験しょっちゅうありませんか?私がイタリア人なら乱用しすぎて感動の価値が下がりそうです。
HIRAETH(ヒラエス)
これはウェールズ語で『帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち』を表すことば。また、過去に失った場所や、永遠に存在しない場所に対しても使われるそうです。
過ぎ去った過去のウェールズへの悲しみと郷愁が伝わってくる切ないことばですが、何だかこんな気持ち、よくわかる気がします。
VACILANDO(ヴァシランド)
これはスペイン語で『どこへ行くかよりも、どんな経験をするかということを重視した旅をする』ことを意味します。日本語でもこういう格言的なものはありますが、それを一言で表すことばってありませんよね。なので便利だと思い一票入れました。
流行りそう
読んでいて、日本語にもコレに近いことばがあるよな~と思う表現が多々ありました。たとえが違っても意味は同じなんじゃないかな?ということばが結構あるんですよねー。さすがに日本語でバナナを食べる時間を表す単語はありませんがね。(読めばわかります)
そんな中、チェルミーは日本でもバズりそうなことばを見つけましたw
じゃじゃーん!!
CAFUNE(カフネ)
ブラジル・ポルトガル語で『愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ』を言います。
いやーん!!
これは日本語の壁ドンや顎クイに相当するイケメンワードじゃありません?どう考えてもそうでしょ。
しかも「カフネ」とかお菓子にありそうな日本人にも発音しやすいネーミングセンス!これは壁ドン、顎クイ、カフネの三拍子で流行語決定です。
感想
ちょっと簡単なレビューでしたが、もっと知りたい!という方はぜひ本書をお試しください。大人の絵本的な作りなので短時間で読めちゃいますよ。
私がこの本でいちばんグッときたのは意外にも著者の挨拶文でした。
この本が、読者のみなさんにとって、忘れかけていたなにかを思いだすものであったり、または今まではっきりと表現したことのなかった考えや感情に言葉をあたえるものであればと願っています。
たぶん、たとえば一世代ちがうふたいとこについて語る言葉や、2年も前の夏に感じてうまく言えなかったことや、たったいま目の前にすわっている人の目が語っていることについての表現がみつかるかもしれません。さあ、どんな言葉との出会いがあるでしょう?(「はじめに」より)
このアンダーライン部分がね、共感できるっていうか。このもどかしさに名前があるんだなとわかったときの興奮や感動をこんなオシャレな一文にしてしまうハイセンスさよ・・。それくらい筆者の表現が素敵です。
こういう感性を持った人の本なら絶対気に入るだろうな~と思って読んだくらいですよん。嬉しいことに日本語もいくつか載っているので、(しかもポジティブなほうの日本語が!)これから読むかたはそこらへんもお楽しみに!
実際はどのことばも完璧には翻訳できないのだろうけれど、それはそれでいいですよね。心で感じることはできると思うので、たくさんの想像と経験を積みながら理解できたらいいなと思います。本来ことばよりも気持ちが先にあってこそなので!
以上「翻訳できない世界のことば」のレビューでした。

