牛乳が切れそうだったので、近くのコンビニへ。
レジを打ってもらっていると、隣のレジには小さな女の子とお父さん。
くりっとした目の女の子、かわいい。4歳くらいかな─。
親子は私より先にレジを済ませ、女の子が
「私のチョコレート買った?」
「買ったよ」
その声に私はなんとなく振り返り、立ち去るお父さんの後ろ姿を見送りました。
お父さんのお顔は拝見しませんでしたが、この国の人にしては小柄で細身。黒髪に少しだけ白髪が交じっています。
その背恰好と、着ていたジャンパーが、私の父を思い出させました。
小さい頃、私はソファーをステージに、よく歌を歌っている子供でした。
なので、親戚の家に行った時、父に、「(みんなの前で)歌を歌ったら、
チョコべぇを買ってあげるよ」と言われ、そんなことでチョコレートを買ってもらえるならと歌ったのを覚えています。
何を歌ったのかも、チョコべぇがどんなお菓子だったのかも、うろ覚えなのですが、
父と約束どおり、スーパーまで一緒に買いに行ったことは、はっきり覚えています。
「チョコべぇ」、検索してみたら出てきました。
ピエロのようなやじろべぇの絵が入ったパッケージのチョコレートバー。(ヌガーをチョコでコーティング)。その写真を見ると、記憶の扉がパタパタと次々に開いていき、私の心に住む父と繋がったような温かい気持ちになりました。
「チョコべぇ」にお心当たりのある方、検索してみて下さい。
佐藤 ゆかりでした。