遺言を書く必要が高まった理由の3つ目のお話です。

それは、ずっと景気が低迷し続けているからです。

なんだか「風が吹いたら桶屋が儲かる」みたいな話に
聞こえるかもしれませんが、真面目なお話です。

私よりも上の世代の方たちは、日本の高度経済成長の
真っ最中が働き盛りでした。

ですから、親の資産など当てにしなくても、自分の財産は
自分で作るという自信に満ち溢れていました。

なにせ、来年は必ず今より給料もボーナスも上がっている
のが当たり前の時代でしたから、ローンを組むのも気楽でした。

昔は25年ローンが普通でしたから、30歳で家を建てても
55歳で払い終わり、定年で退職金をガッポリもらって、
老後は悠々自適の生活でした。

でも、今はどうでしょうか

今は35年ローンに生命保険まで入らされて、必死で住宅ローン
を払っても、定年までに払い終えられる人はわずかです。

その上、給料は上がらず、ボーナスもいつカットされるかわからない。
それどころか、退職金も貰えるかどうかわからないし、リストラされる
危険もある。

そんな不安と闘いながら、今の若い人達は本当に一生懸命に
毎日働いているのです。

さらに追い打ちをかけるのが教育費の増大です。
子供の数は減っているのに、一人あたりの教育費は非常に
増えています。

子供一人育てるのに最低でも1千万円はかかると言われています。

小さい頃から、塾やお稽古事に通い、大学は行くのが当たり前のような
時代です。親の負担は増すばかりです。

そんな時に、相続で親の資産が手に入るとなったら、皆さん
どうしますか

「貰えるものなら、1円でも多く貰いたい」

それが本音ですよね。

ですから、遺産分割協議の話し合いになると、どうしても
お互いの利害がぶつかって、なかなかうまく話がまとまらない
のです。

最初からまとまらないのなら、話し合わずに済むように遺言を
書いておく。

これが、残された家族を相続トラブルから守る有効な方法なのです。

私が、口をすっぱくして「遺言を考えて下さい」って言っている意味が
わかっていただけましたよね。

それでも、何か言いたそうなアナタ・・・
続きはまたゆっくりお話しましょう。