トイレがすぐ近くだったので色んな人が来るけれど、通路の向こう側の斜め前なので、人の動きで(ぶつかったり等)邪魔されることなく、座っていることが出来た。
ということで、当然のことながら人間観察が出来る。これが、また結構面白いんだわ(笑)。
で・・・トイレだけど中国語でも「厠所」って書いてある。頭上の電光表示には、使用中の場合「有人厠」ってランプが点く。フムフム、漢字だし、意味判るわ~(笑)。勿論国際線だから、英語(OCCUPIED)も表示してあるけれど、乗っている人の年代からすると英語よりも漢字のほうが判るんじゃない?って人達ばかり。だけどね・・・年配者って視野が狭いから、ってより思い込みが激しいから周りを見ない人が多いので、色々とやらかしてくれるのだ(^m^)。
海外旅行をしていて、いつも思うのだけれど、今の時代の年配の人って、お金も暇も十分に有るので、海外旅行を何十回としている人がかなり居る。
中にはしっかりと学習して帰ってくる人もいるけれど、「ただ行ってくるだけ」「行けば満足」ってことで、何にも学んでこない人も居るようだ。
で・・・今回は後者の人が多かったみたいで・・・(笑)。まずトイレ。飛行機のトイレってドアを内側に押して開けるのが普通。押す場所も「PUSH」と書いてあるので、そこを押せば難なく開けられる。
まして今回は中国語で、って言うか、漢字で「押」って書いてあるので理解できないことはないと思うんだけど。。ドアの端っこの方を押してみたり、あれこれやっている人もいるし、ドアを開けた時点では暗いので(締めると電気が点く仕組み)、スイッチを探しているそぶりの人、「有人(=使用中)」となっているにも関わらず、ドアを開けようと頑張っている人など様々だった。
「有人」なんて文字を見れば凄く判りやすいんだけど、多分機内で過ごすということで、舞い上がっている人も多いんじゃないかなぁ?また、出るときはドアを押さえていれば、大慌てで出なくても大丈夫なのに、押さえていないから(構造上、ドアが自動的に閉まるようになっている)挟まれないように飛び出るようにして出てくる人もいた(笑)。
全日空とのコードシェア便といえ、機体もスタッフも全部中国国際航空の人ばかり。珍しく日本人スタッフが1人もいなかった。うん・・・中国は国営企業なのかしら?その割には機内雑誌には「民航」って書いてあったけど、よく判らん。(←調べようとは思わない私)。
で・・・今では機内は禁煙は当たり前となったけれど、禁煙になるのが一番遅れていたのが中国航空会社などだった。だから昔の作りなので、トイレのドアの脇に、壁に組み込まれた灰皿があった。
勿論そこには英語の「Ash Tray」の他に「灰皿」と書いてあるし、どう考えてもトイレのドアとは考えにくいのだけど・・・。飛行機のトイレの幅の常識から考えてもドアとは思えないくらいの場所にそれはあったし・・・。でも、3人に1人くらいの割合でその灰皿を引き出す人が多く、そして自分の間違いに気がつくと周りを見回す人が殆どだったのは、紛れもない事実である。
何人かが灰皿を引き出すのを見ていたのだけど、1人の老人(男性)の怪力(馬鹿力?)には母と目を合わせて「!!」だった。また、ど~してその時、2人して起きていたのかは不思議。これはきっと神様が「見ていなさい」と思し召し、私達親子を起こしていたのかもしれない。
1人の老人が他の人と同じようにトイレにやってきたのである。そして、多くの人がやったように灰皿をドアの一部と勘違いしたらしく引き出したのである。ここまでは・・・普通の人と同じことをやっていた。
しかし、当然のことながらドアは開かない。その人は完全にそこをいじればドアが開くと思い込んでいるので、何度かいじっていた。
そのうち「バキッ!」っと音がした。え?バキッ??何の音?って思ったので、そちらを向くと、灰皿を壁から外してしまっていた。恐るべし指先の怪力。
トイレの目の前に座っている人は爆睡していたから、多分見ていたのは私達だけ。で、その老人は内心は焦っていただろうけど、何事もなかったかのように灰皿を元の位置に押し込んでいた。そして、やっと「押」の文字に目が行き、トイレの中に入ったのである。
中に入ったので、私達の会話は聞こえないので喋りだしたけれど、第一声が「見た?あの馬鹿力。何も壊すまで力込めなくても・・・」だった。数多く海外旅行をしているけれど、飛行機を壊した人(大げさ?)を見たのは初めての経験だった(^^;あからさまには笑えないので、母と2人で目を合わせてニヤニヤ。当の本人が居なくなってから、2人でコソコソと話をしてまたもやニヤニヤ。
ここで、誤解のないように言わせていただくけれど、「正しいトイレの入り方」を教えるのは簡単なこと。
でも、人によって・・・特に年配の人・・・にはプライドの高い人もいるので「そんなこといちいち教えてくれなくても判る!」って逆にこちらが不愉快な目に遭うことが多いため、日本人観光客には敢えて、アドバイスはしないようにしているのである。
好意で教えてあげたのに、逆にこちらが不愉快な思いを進んですることはないからだ。まして、ツアーなどの団体の場合、「周りに恥をかかせた」と思い込む人も多いので、余計なトラブルを避けるには、見て見ぬ振りが一番いいのだ。
これが明らかに外国人と判る人から、ジェスチャーなどで教えられた場合は、対応が異なる。お礼も言わない代わりにその通りにするからである。でも、同胞であるがゆえに、問題は面倒なのである。
衝撃的な事件(?)の動揺が収まり、またもや眠りの世界へ。なんせ朝が早かったから、いくらでも眠れるのである。神経質な母でも「飛行機は唯一眠れる乗り物」で眠りについていた。