これは潤智妄想物語です。腐要素有。潤智好き、大ちゃん右なら大丈夫な雑食の方向き。勿論、完全なフィクションですので、登場人物、団体等、実在する人物とは無関係である事をご了承下さい。尚、妄想ですので苦情は受け付けません。以上を踏まえてからどうぞ




























Story Ⅴ
一体どう言う仲なんだろう?♭長いソバージュの髪をアップにして片方に垂らし、派手なアクセサリーにややケバめの化粧。黒いスパンコールのロングドレスの肩には赤紫色の大判ショールを掛けている。
恐らく長瀬さんよりも年上だと思うが、年齢は不詳で、良く日焼けした浅黒い肌にラテンの匂いがする華やかな感じのおネエさんだ。長瀬さんの自宅兼用になっている2階から降りて来た様子だったので、そこそこ親しい間柄じゃないかとは思うが、その関係性が良く分からない♭
ただテーブルとカウンターがあり、壁には手書きの文字で書かれたメニューが無造作に貼られている様な、物凄くこじんまりとしたごくごく庶民的な店内に、このおネエさんは確実に浮きまくっていた♭
「おぉ、リ…じゃなかった茂子さん。着替え終わったのか?」長瀬さんは当たり前のようにこの茂子さんと呼ばれたおネエさんに答えると、俺達に「この人は島茂子さんと言って2丁目のショーパブで歌謡ショーをやっているタレントさん。ウチの2階の空き部屋をメイクルームとして使ってるんだ」と紹介してくれた。
「何か懐かしい匂いのする子達やねぇ。初めまして、島茂子です」茂子さんは俺達に向かってしずしずと挨拶をすると、おネエさんにしてはあまり騒がしくない柔和な口調で、2階に居た理由を説明してくれた。
「自宅よりここで着替える方がお店に近くて便利やから昔のよしみで長瀬に貸して貰ぅてんのよ。何や大変そうやったからつい出そびれてしもうてね」成る程そう言う事か。てか、昔のよしみって?♭すると、暫く唖然として茂子さんを眺めていた翔さんが、えらく畏まった調子で「あの…♭まさか城島先輩ですか?♭」と聞いた。
「良ぅ分かったね。さすがは櫻井君やわ。せやけどこの格好の時は茂子やで」え"ぇぇぇ~~~っっっ???!!!♭♭♭ビックリし過ぎて顎が外れるかと思ったぜ♭俺は一度も会った事は無かったが、城島先輩と言えば長瀬さんと同じ『TOKIO―BOMBER』の、しかもリーダーだった人じゃねぇか!!♭♭
城島先輩には数々の逸話がある。革ジャンにリーゼントがトレードマークでバイクから重機まで操縦出来、あらゆる知識が豊富。私生活は謎中の謎だが、一説じゃ投資でボロ儲けして山を買ったとか、無人島を買ったとかそんな都市伝説みたいな話まで聞こえて来る。そんな先輩がまた何だってこんな派手な姿に…♭♭
「ワハハハ♪潤お前、ただでさえデカイ目ん玉が飛び出しそうになってるぞ♪」驚愕する俺に長瀬さんがめちゃめちゃウケて「まぁ、人生色々あらぁな♪」と変なまとめ方をした。カウンター席に足を組んで腰掛けた茂子さんは、長瀬さんが持って来た水を一口飲むと、やや深刻そうな表情を浮かべ、智をさらった連中についての情報を教えてくれた。
「さっきさとちゃんがオレンジの上着を着た連中にさらわれたて聞いたんやけど、少年漫画のイタ車でオレンジの上着言うたら間違いなく『ショタ魂ゲイ団』やと思うわ。危ないオタクのグループでね、お揃いのオレンジの法被がユニホームなんやけど、ウチらの界隈でも評判良ぅないよ。
アニメの美少年では満足出来へんよぅなった変態集団やから、援交の男の子バージョンやないけど、未成年の男の子に、ご飯を奢ったりお小遣いあげたりして信用させといて悪いことしよるんよ。噂やと無理やりゲイビデオの撮影なんかさせてるみたいやわ。
確かにさとちゃんの特殊能力は荒くれには効果絶大やけど、変態が相手やとストーカーされたり、痴漢に遭ぅたり、真逆の作用してまうやん?さとちゃんは未成年ちゃうけど、見た目だけやったらねぇ。
完全に連中のストライクゾーンど真ん中やと思うし、何より未成年やないからこそ未成年以上の事をされてまう危険もあるんよ。命の心配は無いかも知れへんけど、うかうかしてたらどんないかがわしい事されるか分からへん」
茂子さんは綺麗にマニキュアが塗られた指でハンドバッグからスマホを取り出し、急に男の喋り方になって誰かに電話を掛けた。「もしもし?城島やけど、『ショタ魂ゲイ団』のヤサ探して欲しいねん。せやな、5分以内に頼むわ。ほな、よろしゅう」
「さっすがだねぇ~♪茂子さんの情報網は相変わらず絶賛稼働中か?」長瀬さんが親指を立て、「こりゃ午後の営業は休みだな」と良く研いだ中華包丁をラックから取り出した。「長瀬、包丁はアカンよ。鶏ガラちゃうねんから。ガラにも無い事したらアカン」
智奪還に加わろうとしたらしい長瀬さんをコテコテの親父ギャグで窘めた茂子さんは、ものの2、3分で折り返してきた返信を聞いて数回頷くと、ここにいる全員に告げた。
「目撃した奴おったわ。コナンやキャプ翼のイタ車が3台、5丁目の裏路地街にある『鰐縞(わにじま)サッシ』の廃工場の方角へ走って行ったらしい。因みにこの廃工場は『ショタ魂ゲイ団』団長、鰐縞勘治(わにじまかんじ)の持ち物やね。月に5、6回『ショタ魂会』っちゅう集会をやってるそうや」
すげ~♭俺達がここに来てから未だ30分も経ってねぇのに智の居場所が割れた♭「茂子さん!ありがとうございました!!」俺と翔さんは同時に頭を下げ、ガッチリと手を握り合った。長瀬さんが中華鍋とおタマを持ってまるで銅鑼の様にグワンと鳴らす。
「俺も行くよ~♪面白そうだから♪んじゃ相葉さん、運転よろしく♪」ニノに背中を押され、相葉は頭を抱えて嫌々と首を振りながらそのまま店外に連れ出されて行く。
「行くぜ松潤!!ブッ込みだ!!」「おう!!」ラーメン屋の格好のまま、先発で750CCをぶっ飛ばす長瀬さんに続き、俺と翔さんの乗ったデコ軽トラは一路5丁目の裏路地街へとすっ飛んで行った。
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ものの5分と経たない内に5丁目の裏路地街に到着した俺達と長瀬さん、面白がるニノと巻き込まれた不憫な相葉は、『鰐縞サッシ』と書かれた錆だらけの看板が傾いている廃工場の前に集合した。
舗装されていない地面の、割りと広めな駐車場には、頭を突っ込む様な形で、雑然と停められた3台のイタ車があり、それぞれに少年漫画の有名なキャラクターが描かれていた。
そんなイタ車の手前に車を停めた俺達は、連中に勘付かれないようこっそりと廃工場の入り口に忍び寄ると、所々ひび割れた窓の隙間から、ガン首揃えて内部の様子を確認した。
大体20坪くらいだろうか?工場としてはややこじんまりとした敷地の中、打ちっぱなしのコンクリートや鉄骨の梁が剥き出しになっているがらんどうの空間の中央に、古くさいテーブルやソファー、パイプ椅子。簡易ベッド等が煩雑に置かれている。
テーブルの上には握り潰されたビールや缶チューハイの空き缶。食い終わったカップ麺だとかコンビニ弁当なんかのゴミが散らかり、オレンジの法被を着た無表情な面のオッサン達が、ボソボソと会話しながらスマホやタブレットをいじったり、ノートパソコンの画面を覗き込んだりしていた。
多分今まで何度もやって成功していた事なんだろう。俺達みてぇな襲撃者にブッ込まれるとは夢にも思っていねぇのか、まるで警戒する様子もない。ソファーの上には両手と両足を結束バンドで拘束され、猿ぐつわを噛まされた智が荷物みたいに放り出されていて、自分を見下ろす相模原元店長を、さも不安げに見上げていた。
「いい格好だなぁ~智。お前が悪いんだぜ。俺が特別目を掛けてやったのに生意気に拒否りやがってさ~。挙げ句にセクハラで本社に通報するとか何様だよ。おとなしく一発 ヤ らせときゃこんな目に遭わなかっただろうに、これぞ自業自得っつ~やつだよな」初めに見た時はいい奴だと思っていた相模原の、穏和そうな眼鏡面が今じゃただの変態オタクに見える。
相模原は不適なニヤニヤ笑いを浮かべながら、ふんぞり返って怯える智を眺め、俺の大好きなマシュマロほっぺを無遠慮にペタペタしやがった。あんの変態クソ野郎~~!♭汚ぇ手で俺の子猫ちゃんに触んじゃねぇ!♭ブチ殺すぞヴォラァ~!♭♭
両手に握った木刀がミシミシと音を立てる。俺の右隣の長瀬さんが「未だ折るなよ潤。折るのは奴らをブチのめした時にしろ」とヒソヒソ声で言った。左隣の翔さんはいつでも行ける様に恐ろしい目付きをしてゴキゴキと首を回し、完全に戦闘態勢だ。
喧嘩があまり得意じゃないニノは、少し離れた片隅で、相葉と共にちんまりと纏まり、スマホをかざして中の様子を撮影している。建物の内部では恐らく団長の鰐縞だと思われる、バーコードハゲの1番年長らしいオッサンが、簡易ベッドの傍らに置いてある三脚に、かなり高性能そうなデジカメをせっせとセッティングしていた。
「この人達は俺の同士でな、今からお前の映像をたっぷりと撮影してくれるその道のプロさ。無論ただの映像じゃねぇ、有料でネット配信されるモザイク無しの裏映像だ。海外のサーバーを経由して世界中にばらまかれるから、もうマトモな商売なんて出来なくなるぜ智。
でも心配すんな、俺のダッチワイフとしてずっと可愛がってやるからせいぜい稼いでくれ」相模原のそんな言葉に、他のオレンジオタク達が変態丸出しなニヤケ面で「早く始めようぜぇ~♪」と囃し立てる。それを受けた相模原が涙目で震える智のシャツに手を掛けようとした。
もう見ていられねぇ!!♭気付いたら俺は木刀で窓を叩き割り、必死で中に飛び込んでいた。「智ーーー!!!」ハッとして振り向く手前のオタク1号を思いっきり蹴り飛ばし、木刀でボコボコに叩きのめす。さすがにくたばっちまったらヤベぇから、頭は殴らないで置いてやる事にした。
続いて長瀬さんと翔さんが同時に中へと飛び込んで来る。長瀬さんは素手ゴロでも超強ぇ。たちまちオタク2号と3号をブチのめし、翔さんは逃げまどうオタク4号と5号に空き缶やパイプ椅子をぶつけてスッ転ばせると、泣き叫ぶ4号を踏みにじりつつ、目を剥く5号を木刀で殴りまくっていた。
「このクソガキが!!♭」ずる剥けオヤジの鰐縞がこめかみに青筋立てて拳を振り上げる。「うるせぇ!この変態クソハゲが!!」俺は木刀でその拳を凪ぎ払い、渾身の力で鰐縞の 股 間 を蹴りあげた。
悲鳴を上げてうずくまる鰐縞のケツに向かって全力で木刀を振り下ろす。ギャーと喚いて前と後ろを手で押さえ、不細工にコケた鰐縞をフルボッコに叩きのめした俺は、自分の出来る最大限の睨みを効かせ、腰を抜かす相模原に詰め寄った。
「お、お、おま…!♭お前は!♭風嵐高校の…!♭こんな事していいのか?!♭が、学校に通報して退学にしてやるぞ!!♭♭」必死こいて虚勢を張る相模原の眼前にどっしりと立ちはだかったのは長瀬さんだ。長瀬さんは腰を抜かす相模原の襟首を掴み、そのまま自分の目の高さまで引き上げると、顔が変形するくらいの勢いで思いっきりぶん殴った。相模原の眼鏡と前歯が鼻血と共に空中に飛ぶ。
「久しぶりだなぁ相模原。昔からクズだったが、大人になってもクズのまんまか?」「な、長瀬お前…!♭こんなガキ使って暴力沙汰を起こしやがって…♭警察に通報して商売出来なくしてやるからな!♭」超間抜けな歯抜け面で顔を腫らし、フガフガ言いながら後退る相模原に、長瀬さんは半笑いで超絶恐ろしい台詞を吐いた。
「面白ぇ…『TOKIO―BOMBER』敵に回して無事でいられると思うんならやってみろ…。てめえの貧相な面はもう関東全土のヤンキーに知れてんだぜ…」いつの間に入って来たのか、ニノがスマホを示しながら、相模原にとどめを刺す。
「ああそれから。あんたとそいつらが大野さんにやろうとしてた事は音声バッチリでちゃんと録画してやったから。警察に通報すんのは勝手だけどさ、そこいらで寝てるオレンジのオッサン達は今までやって来た悪行でタイホ確定だし、ヤバいのあんたの方なんだけど?」
これで完全に勝負が決まった。相模原はたちまちおとなしくなり、コンクリートの床に沈むオレンジオタク達を呆然と眺めると、くたくたとその場に座り込んだ。
俺は智の猿ぐつわを外し、短ランのポケットから取り出した爪切りで結束バンドを切ってやると、どさくさ紛れにムギュッと抱き締めた。「ごめんな智。俺が相模原のセクハラを本社にチクったせいでこんな怖い思いをさせちまって…」「潤君…」俺の胸でウルウルする智に、遠くから翔さんが「おいこら松潤!!♭抜け駆けすんじゃねぇ!!♭」と大声で叫んでいた。
子猫さとぴ奪還完了です
それにつけてもミタゾノさんといい、島茂子さんと言い、TOKIO兄さんの女装キャラってしっかり確立されている感じが致しますねぇ~
さて、このお話もそろそろラストが見えて参りました
学園物と言いながら学校殆ど出て来なかった相変わらず行き当たりばったりなお話ですが(大滝汗
)もう暫しのお付き合いをお願い致します