世間では四十九日が明けると忌が明けたと言います。
そう、忌明けですね。

仏教ではこの四十九日を以って忌明けとなりますが、神道ですと五十日となります。

先日Twitterに人の魂をあの世と言うクラウドにアップロードするまでに四十九日かかるというツイートがありました。
言い得て妙でありました。

ではこの忌って何でしょう?
日本人は古くから死は穢れであると言う意識があります。
その穢れを他所に伝播させない、祝いの場に持ち込まないための期間が忌服なわけです。
これには神道的概念が要素となってます。

なので忌が明けると閉じていた神棚を開き、神社への参拝も赦されるわけです。


では喪は何?
喪は宗教的、対外的儀礼の規制より、日常生活や心情的な規制が主のようですね。
喪中期間は13ヶ月。
その間慎ましやかに故人を偲び暮らしなさい。
それが喪中のようです。
喪中は儒教的思想がもたらしたものであります。

忌中は穢れを遠ざける概念
喪中は故人を偲ぶ概念
そして仏教では人の死は穢れでは無いが、死者の魂が成仏するまでは懇ろに弔いなさいと言う概念なのでしょう。

但し、浄土真宗や真宗には忌や喪という習慣はなく、キリスト教も人の死とは神に召される事と言う解釈なのでここも忌や喪とは無関係であります。

さて、明治以前にはこの忌や喪の習慣が結構厳しかったようですが、明治7年に発令された大政官布告達でこの忌や喪の法令が定められました。
親や夫の死では忌明けは50日、喪明けは13ヶ月となっておりますが、対して妻の死は忌明け20日、喪明け90日です。
何⁉︎この差⁉︎

この法令は昭和には廃止されましたけどね。

現在の忌、喪の習慣はこの大政官布告達に則った部分が多いようですが、時代と共に簡素化されたり、宗教によっては習慣が異なったりしているので、後はもう世間体ってだけの概念になりつつあるんでしょうね。

夫より妻の方が軽いのは男尊女卑の名残なのでしょうけど、ちょっとここでチブクの風習が頭を過ぎりましてね。
機会があればチブクの事も書いてみたいと思います。
機会があればね。