夢華録 第16話 闘茶 あらすじ

 

 

引章いんしょう茶湯巷ちゃゆこう半遮面はんしゃめんの菓子や茶、琵琶の演奏が真似されていることに腹を立てていた。

 

盼児ふんじが”茶百戯”(ラテアートのようなもの)も真似されたか聞くと、茶百戯はされていないという。

それを聞き、盼児ふんじは問題ないと言った。

 

最初から いずれ真似されることは想定していたし、茶湯巷ちゃゆこうで売られている菓子は見た目こそ似ているが、味は美味しくない。

上質なものを作り続ければ半遮面はんしゃめんの名は上がると盼児ふんじは語った。

 

盼児ふんじ茶湯巷ちゃゆこうで琵琶を弾いている素娘そじょうに会いに行った。

 

開店7日目、盼児ふんじはお礼だと言って常連客に貴賓室で琵琶を聞かせた。

盼児ふんじの合図で琵琶の音が響く。

常連の袁屯田えんとんでん引章いんしょうの腕が衰えたようだと語った。

 

盼児ふんじの合図で、引章いんしょうが演奏を始めた。

先ほどまでは素娘そじょうが演奏していたのだ。

引章いんしょうの演奏を聴いた素娘そじょう引章いんしょうに弟子入り志願した。

引章いんしょうは弟子とは言わず2人で腕を磨こうと誘った。

 

素娘そじょうを引き抜かれた清茗坊せいめいぼう店主は、茶湯巷ちゃゆこうの店主を引き連れ半遮面はんしゃめんに押し掛けた。

 

店主は半遮面はんしゃめんのやり方は妓楼のように下劣で茶の湯に反すと非難し、今後半遮面はんしゃめんに出入りする客は茶湯巷ちゃゆこうでは もてなさないと宣言した。

 

半遮面はんしゃめんが下劣なら、なぜ真似をするのか、楽妓がくぎを使うのが下劣だと言うなら、皇帝も下劣かと盼児ふんじは問いかけた。

 

店主らは、半遮面はんしゃめんの客にどちらに通うか選ぶよう言って去ろうとした。

しかし三娘さんじょうが立ちはだかった。

盼児ふんじも、半遮面はんしゃめんは茶坊組合に届け出て銭を払い営業しているので 商いができないなら訴えると迫った。

 

脅せば店を閉めると考えていた店主は困り果て、闘茶で勝負することを提案した。

負ければ今後一切口を挟まない。

盼児ふんじは受けて立った。

 

勝負は 茶の色 泡立ち 味わい の3点で決め5名の判定員が判断する。

 

店主は北苑先春ほくえんせんしゅんという献上茶葉と天台てんだい山の禅泉を用意した。

盼児ふんじ銭塘せんとう雨前径山うぜんきんざん茶と雨水を用意した。

 

顧千帆こせんはんが店に到着した時、盼児ふんじは舞いながら湯を沸かしていた。

 

琴の名手である盼児ふんじは茶を点てながら茶筅で琴の名曲を奏でた。

 

茶の色の勝負は、両者引き分けとなった。

泡立ちの勝負は、茶百戯を披露した盼児ふんじが勝った。

味わいの勝負は、2対3で盼児ふんじが勝った。

盼児ふんじのお茶は唯一無二だと、決め手となった判定員は語った。

 

勝負を見届けた顧千帆こせんはんは、立ち去った。

 

店主は負けを認めると盼児ふんじを歓迎し立ち去った。

 

三娘さんじょうは勝負を見届けた客たちに貴賓室で菓子を振る舞った。

 

杜長風とちょうふうは転んだところを、三娘さんじょうに助けられた。

しかし三娘さんじょうが運んでいた菓子が顔に落ち顔は粉まみれになった。

 

三娘さんじょう杜長風とちょうふうをどこかで見たことがあると思ったが思い当らなかった。

杜長風とちょうふう三娘さんじょうの優しさと器用さに心を奪われた。

 

屋敷に戻った盼児ふんじは満月をみると踊りたくなり、舞を舞った。

 

顧千帆こせんはんは舞い続ける盼児ふんじを見ていた。

 

 

感想

 

リニューアルオープンから1週間も経たないうちに、半遮面はんしゃめんのやり方が模倣されました。

その速さに驚きです。

真似したくなるほど半遮面はんしゃめんが成功していたということでしょう。

 

盼児ふんじ清茗坊せいめいぼうで琵琶を弾いていた素娘そじょうを引き抜きました。

 

すると清茗坊せいめいぼう店主が茶湯巷ちゃゆこうの店主を引き連れ殴り込み閉店に追い込もうとしました。

 

これを見て、なんという極悪人だろうと思いましたが、話が進むにつれどんどん、見方が変わっていきました。

 

盼児ふんじたちが そう簡単に諦めないと知ると、店主は闘茶で決着をつけようと言い出しました。

この辺りで、”あれ?この人そんなに悪い人じゃないかも”と思いました。

 

さらに判定員に袁屯田えんとんでん濁石だくせきが入っていたことで、店主に対する見方が変わりました。

本当の極悪人だったら自分の店に有利な判定員だけを用意しますよね。

ここで”割といい人かもしれない”と思いました。

 

さらに最後、盼児ふんじの言葉に共感し潔く負けを認めたところで、”すごくいい人じゃん”となりました。

 

14話で何四かし清茗坊せいめいぼうでステルス客引きのようなことをしていました。

何四かしのやり方を知った盼児ふんじはどっちが上とか言わないよう指示しましたが、店主の側からすると、面白くないことを半遮面はんしゃめんにされています。

 

清茗坊せいめいぼうに琵琶を真似された盼児ふんじ素娘そじょうを引き抜き、今回の騒動に繋がりました。

 

これまでの経緯を見ると、店主の側としては半遮面はんしゃめんの方が先に仕掛けてきた、という印象を持っていてもおかしくないのかな、と思います。

色々誤解があったのが、闘茶を通して相手の人となりを知ることができたように思いました。

最終的に和解できてよかった。

 

ところで、今回は一体何だったのか。

1話闘茶に使っているんだから物語にとって重要だったはず。

 

そういえば、以前にも似たような感想を抱いた回があったんです。

それは9話「勝負の賽の目」です。

盼児ふんじたちが池蟠ちはんと3本勝負をした回です。

9話を見た時も、これは本編に何か関係があるの?と疑問に思いました。

 

あの後どうなったか。

盼児ふんじ何四かしたちを使う権利を得、引章いんしょう張好好ちょうこうこうと出会いました。

 

今回店主に勝ったことで、店主を通じて誰かに面識を得るなどという展開があるのかな、と予想しています。

新しい土地に来た盼児ふんじが着々と味方を獲得していることを表しているのかな、と思いました。

 

最後、三娘さんじょうは倒れた杜長風とちょうふうを助けました。

「なんて優しく器用な女子なんだ」と杜長風とちょうふうは独り言ちました。

この感じ…。

もしかして三娘さんじょう杜長風とちょうふうにラブの嵐が吹き荒れる感じでしょうか?

そして引章いんしょう沈如琢しんじょたくと?キョロキョロ

 

7話で、杜長風とちょうふう三娘さんじょうのことを「荒っぽくて無礼な女子おなご」と言い、三娘さんじょうに川に蹴り入れられました笑い泣き

 

杜長風とちょうふうはメガネを持っていなかったことで三娘さんじょうが自分を川に蹴り入れた女子だとは気づきませんでした。

三娘さんじょう杜長風とちょうふうが粉まみれだったことで気づきませんでした。

 

7話では「荒っぽくて無礼な女子おなご」だったのが、今回は”優しく器用な女子”に。

なんだか楽しくなってまいりました!

 

今回、顧千帆こせんはんは画面に出てくるものの一言も話しませんでした。

しかしセリフはなくとも目が語っています。

闘茶を見守る顧千帆こせんはん盼児ふんじしか見ていません。

 

あのですね、前回自分の弱点が盼児ふんじだって気付かれたくないから他人のフリをしたって言ってましたよね?

あなたの視線を追えば、盼児ふんじが大事な人だってすぐわかっちゃうんですよ!

危機意識持ってください。

よろしくおねがいします。

 

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