「ネモフィラの青い瞳」
春の寓話
小さな可愛いネモフィラが、広いお空に向かってお話しています。
「ねェ、大きな大きな青い空さん。私は小さいけど、あなたと同じ色をしてるでしょ? 私ネモフィラって言うの。英名では、ベイビー・ブルー・アイズって呼ばれているんだけど・・・どうかしら? 私、赤ちゃんの青い瞳にそっくりでしょ!
でも、私はじゅうぶんに成長した大人なのよ。」
お空は何にも答えません。でも、ネモフィラは続けます。
「私、あなたと同じ色なのはなぜかって、知ってるかしら? 私はあなたを映し出しているの。実は私、人間の心も映し出しちゃうのよ。驚くでしょ!」
と、自慢をはじめます。
お空はやっぱり何にも答えてくれません。
ネモフィラはまた話します。
「私をみつめる人間が悲しい顔をしていると、私も悲しくなっちゃって、同じブルーになるの。でも、人間が明るく朗らかな眼で見つめる時は、私も嬉しくなっちゃって、晴れ々としたスカイブルーで輝くの。私のこと、嫌いだって見る人には、私もイヤだなあ~と、思うから汚く映っちゃう。人間の心がわかっちゃうのって、ちょっと辛いわ。
でも、大人ってこうなのよね」
と、またまた自分だけが特別だとばかりに威張ります。
何でも知ってる大人のつもりなのでした。
それでも、お空は、黙ったままです。
たくさんの小花をつけたネモフィラのおしゃべりが続きます。
「大きな空さん、なぜ答えてくれないの。こうして、あなたの色と心を映し出してあげてるのに・・。そうそう、人間も何も言ってくれないわ。ただ皆で『かわいい~! 』って言うだけ。
私が折角、その人間の心に応じて映し出してあげてるのに。だから時々、さみしくなるの。どうしてかしら? 教えて! 大きな青空さん。」
すると、
それまで黙っていたお空が、急に鋭い光と共にゴロゴロッ!と、すさまじい音で話し出しました。
春雷(しゅんらい)です。
「ネモフィラさん! きみは自分を知ってるのかい?
自分を知らなきゃ他の人の心なんかは、知りっこないんだよ。
他のものに流されない自分をつくりなさい。
そして、何よりも自分を正しく知り、自分の心を守りなさい!
それがほんとうの大人というものだよ」
と、言いつつ・・またもや、ピカーッ!と輝きます。
ネモフィラはその激しさに、驚くのではなく、感動しました。
それで、すぐに
「そうです! 私は自分を失って周囲の反応に流されてばかりいました。ありがとう! 大きな空さん。これからは、もっともっと大人になって自分を知り、自分の心で決めた通りのことを相手に示すことにするわ!」
一瞬にして、既に大人になった気分のネモフィラが決意をこだまさせました。
その時、
お空は突然暗くなり・・・にわか雨が大きな涙のようにバラバラッ!と降り出します。
途端に、ネモフィラは青い涙のようにポロポロ!と、お花の顔がこぼれ落ちていきます。
自分の決意を忘れてしまったのでした。本当は何も知らなかったのです。
やっぱり、ネモフィラはいつまでも可愛い『青い瞳をした赤ちゃん』だったのでした。
自分を知らないネモフィラさんは、雨に降られただけで、すぐに!自分を失って流されるのでした。
自慢して大人ぶっていた分だけ、要注意のネモフィラさんでした、と。
(終わり)
【地の片隅での小さな会話】
ゆうゆ「かわいいネモフィラさん!大変だったわね・・大丈夫?」
ネモフィラ「大丈夫です。あたし、ちょっと調子漕いでただけだわ。本当は、自分より利口で賢いものが沢山いるのは知ってたわ。ただ・・負けを認めたくなかったの。でも、これからは小さな自分の身の丈を忘れずに本心から謙虚になればいいのでしょ?」
ゆうゆ「そうね。誰でも、皆~皆!自分の限界を弁えているものよ。そんな姿勢で生きる闘いをしているのだわ。偶々、ネモフィラさんは大きな空に露見して教わっただけね。頑張って~きっと、反省したから大丈夫だわ♪」
日常を生かされていることを「当然」と思わないで、感謝する一日を重ねようネ!
あなたは知っていましたか?日本の内閣府の【ムーンショット目標】を?
2050年までに[サイバネティック・アバター]暮らしとなる私達!内閣府のムーンショット目標とは?内閣府公式HPへ!どうぞ!
弊ブログをご覧くださり心から感謝いたします。
A generous free gift from Earth!
♪「プチ童話館 」♪
♪「童話の宝石箱 」♪
♪「心に優しい童話集・草花編 」♪
(The above is written by ゆうゆ)