内田 和成
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

ボストンコンサルティンググループ
シニア・ヴァイス・プレジデントの内田和成氏の著書。

先日書評を書いた The McKinsey Way に続き
こんどは THE BCG WAY です。

俗にいうロジカルシンキングの本です。
で、この本は「仮説」に重点を置いて説明しています。

売り上げが下がった場合で説明しますと

【2006年度○○社 赤字の原因分析】

売上減少┳→単価の現象ー→×(単価は変わってない)
    ┃
    ┗→販売数の減少┳→商品が原因ー┳→他社が新製品を出した
            ┃       ┃
            ┃       ┗→他社に比べて故障しやすい
            ┃
            ┗→販売が原因ー┳→他社のインセンティブが高い
                    ┃
                    ┗→販売チャネルが悪い

みたいな感じになります。
あー、書くのつかれた( ´Α`)
Excelだったらこんなの3分で書けるのに・・・
しかも携帯だとちゃんと表示されなそうです。
申し訳ありませんm(__)m

で、上のツリーを見てみると一目瞭然ですが
考えうる原因を全て網羅していません。

分析において必要なのは全ての情報を
一つ一つ詳細に分析して完成品を作るのではなく。

全体像をイメージして
一つの仮説を作り、
その仮説の正当性を検討して
却下or更に掘り下げて分析する
というプロセスを踏むことです。

全てを分析するのには時間がかかるし、
その分析にかかった期間に経営環境が変化し
分析は正しくても分析結果は間違っているという恐れもあります。

そのため、仮説を用意して
検討違いのものはバッサバサと切り捨てることにより
肝心要の部分に時間をかける事が出来ます。
また、分析対象が間違っていた時の
出戻りの労力も小さくて済みます。

ただ、仮説にも良し悪しがあります。
さっそく例を挙げてみましょう

Q.日本の司法制度が犯罪者に甘いのは何故か?
 仮説①→判例に沿った判決を下しているから
 仮説②→むやみに量刑を重くしては他の罰則とのバランスがとれず
     法の整合性が取れないため、結果的に社会情勢を無視して
     判例に沿った判決を下しているから

※実際はどうか分かりませんが仮説なのでご容赦下さい。

では、どちらが良い仮説でしょう?
     ・
     ・
     ・
     ・
     ・
     ・
その通り!仮説②です。

悪い仮説、良い仮説
上の例を見れば分かると思いますが
違いは内容が結論に近いかどうかではありません。

上記の仮説を見比べてみると
悪い仮説は大まかな分析に留まってます。
それに対し、良い仮説はより具体的に踏み込んで考えています。

良い仮説の場合は
じゃあ、なぜ整合性がとれないのだろう?
本当に整合性はとれないのだろうか?
この点は変えて全く影響ないんじゃないか?
と、より詳細な分析や解決の仮説を立てるところまで進めます。

しかし、悪い仮説の場合は
じゃあ、なんで判例に沿っているのだろう?
本当に判例に沿っているのだろうか?
という検証までしか進める事は出来ません。


では、この仮説構築力はどうやって鍛えるのか?

答えはシンプル。

経験です。

勘というのは
過去の経験から仮説を立て、検証を行い、結論を出す。
その動作を無意識にかつ瞬時に行っていることの結果です。


しかしそんなに都合良く経験が積めるわけでもないし
仮説構築能力を磨くために本番に望むのはリスクが高すぎます。
むしろ手段が目的になってしまい本末転倒です。

で、この本で勧めているのが
普段から仮説を立てる癖をつけること
また、身近な人と議論して検証する事です。
そして失敗する事。

失敗してもしつこく仮説を立てて検証することの
必要性を著者は説いてます。
仕事だとそんな簡単に失敗は出来ませんが
家族や友人、同僚相手であればいくら失敗しても問題ありません。
練習を重ねる事によって精度は上がっていきます。


書いてある内容は全体を通せば
月並みなロジカルシンキングの本ですが
要点を「仮説を元にした分析」に絞っているので
非常に簡潔で分かりやすく良かったです。

ロジカルシンキング系の本を読んだ事のない人は勉強に、
ロジカルシンキング系の本を読んだ事のある人はおさらいに
良いと思います。

硬派なタイトル(?)とは裏腹に読みやすい本です。


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