今日はここに家族だけで泊まる
上の娘はお泊まりと聞いて、はしゃいでいた
義母は祭壇を飾ってくれた
湯灌(ゆかん)が終わってからお寺の和尚さんに
連絡をする
市役所に行っていたパパも戻ってきて
私の父と母も来てくれた
通夜がない代わりに、枕経というのをした
まだ棺に入れる前に
お寺さんにお経を唱えてもらうやつだ
私は後ろの方に座った
前には父がいた
その肩は小さく、とても弱々しかった
こんな悲しい背中は初めてみた
枕経は30分程で終わった
お経を聞いてしまうと、少し実感がわく
亡くなったと
今まで騙し騙し何とか耐えていた感情が
初めて「喪」を感じてしまった
心がもやーっと黒くなる
ここから抜け出したい
ここにいたくなかった