コープさっぽろと社会医療法人孝仁会(釧路)は1日、健康診断事業に関する包括連携協定を結んだ。コープが早ければ今秋から約200万人の組合員を対象に始める健康診断事業で、治療が必要と判断された場合、孝仁会が釧根地域で運営する病院をスムーズに受診できる体制を整える。コープが同様の協定を結ぶのは初めて。今後、他地域にも広げる方針だ。
 コープは全道の店舗や宅配のトドックセンターなど、約160拠点に自前の健診車を巡回させ、組合員が買い物ついでに健診を受けられるようにしたい考え。
 健診車は既に1台導入しており、医師や運転手ら計12人体制で職員向けの巡回健診を4月から始めた。健診車は今後5年で、最大15台体制に増やす。事業費は少なくとも15億円程度とみている。
 健診では心電図や胸部のエックス線検査などを行う。自由診療での受診料は約1万1千円と想定するが、国民健康保険の適用を受けることで引き下げを目指す。
 孝仁会は健診車が巡回する際も、必要に応じて医師らを派遣する。コープは災害時などに孝仁会系列の病院に食料や生活用品を支給する。
 コープによると、道内は特定健診の受診率が約46%で全国最低水準だという。1日にコープさっぽろ本部で開いた協定式で、大見英明理事長は「健診で病気を早期発見できれば初期段階で対処できる。事業を通じて組合員の健康増進に貢献したい」と話した。

2024年7月1日 21:26北海道新聞どうしん電子版より転載