こんばんは
『授乳タイムをリラックスタイムに』を合言葉にラクな育児を応援している助産師の佐藤千鶴です
札幌・札幌近郊で母乳育児・育児相談を出張訪問しています
今回は、混合栄養についてのシリーズ第1弾その2です。
前回の続き、ネットに載っている混合のメリットの解説をしていきます
今回はこの4つについて掘り下げていきます。
快便になる
栄養が補給される
ミルクには母乳では不足しがちな鉄・ビタミンK・ビタミンDを補うことができる
牛乳アレルギーの発症を予防する可能性がある
ミルクをあげると快便になるって本当
この混合押しの記事を書いていた保健師さんのお子さんは、ミルクを足すようになったら快便になったそうです
もちろん、そうゆう子もいるでしょう。でも、そうじゃない子もいます。
一般的には、母乳育児の子の方が便通がいいと言われています。でも、母乳が十分出てぷくぷく太っているのに排便は1週間に1回という子もいますし、4~5日に1回ということもあります。
排便のコントロールはとても大切ですが、お子さんが苦しそうじゃないこと。母乳やミルクなどの飲みがいいなら、そのまま様子見てもいいこともあります。どの程度様子見るかは、個人個人によって違うことも。。
それに、排便は、運動とも関係しています。
運動が足りないだけでもでなくなることもあるので、快便なるからミルクを足して混合にしよう!とはならないですね
栄養が補給される
ミルクには母乳では不足しがちな鉄・ビタミンK・ビタミンDを補うことができるって本当
この栄養の面は、母乳に勝るものはないのに、どうしてこうなるのか不思議です。成分的にはこんなです。
それと、ミルクには絶対入れられない免疫物質が母乳には沢山入っています。
ビタミンKの不足については、確かに母乳中には少ないので、出産したらK2シロップというものを飲むことになっています。
どうしてビタミンK2シロップを飲むかは、小児科学会・産婦人科医会などの提言書を読んでいただければいいと思いますが、抜粋して載せますね。↓
「新生児と乳児期早期はビタミン K 欠乏性出血症を発症しやすく、その中でも肝胆道系 疾患を有する児はビタミン K 欠乏による頭蓋内出血のハイリスクです。ビタミンKは胎盤透過性が低いため出生時の備蓄が少なく、また、生後早期は肝臓 のプロトロンビン合成能が未熟です。加えて、母乳中のビタミンK含有量は少なく、 新生児の腸管内におけるビタミンK2産生も期待できないこともあり、新生児はビタミ ンK欠乏性出血症を発症しやすいことが知られています。」
このミルクをあげるとビタミンKが補えるという主張でいけば、ミルクを飲む子は、ビタミンk2シロップを飲まなくていいという理屈になりますが、母乳の子もミルクの子も混合の子もビタミンK2シロップは、飲ませることになっています。
ビタミンDについては、確かに母乳中には不足していますが、ママが、ビタミンDの入っている食材を沢山摂ること。ママも赤ちゃんも両手の甲くらいの面積が15分間日光にあたる程度、日陰で30分間くらい過ごす程度の日光浴をするとビタミンDが合成されると言われています。
極端に外に出ない。買い物も全てネットスーパーで済ませ、出かけない。極端な菜食主義者であるならば、ビタミンDが不足していないかかかりつけの小児科医に相談してください。
この場合は、ビタミンDを補えばいいのです。
ちなみに、生後1か月から飲めるビタミンDのシロップも売っています。
不安から安易に飲ませなくていいですよ。心配ならかかりつけ医に相談してくださいね。
そして鉄不足について。ミルクには沢山の鉄分が添加されています。でも実はその吸収率は実に悪い。鉄という成分はもともと吸収率が悪いものですが、母乳に含まれている鉄は、ミルクに添加されている鉄より含まれている量が少なくても吸収率はいいので、お母さんが鉄分の多いものを食べながら母乳育児をする。そして赤ちゃんは補完食を食べるようになったら、鉄分の多いものを食べさせることで鉄不足にはなりにくいと言われています。
ミルクの鉄の吸収率―10%くらい(4~5%なんて書いてあるものも)
母乳の鉄の吸収率ー50%くらい(20~50%とかいてあるものも)
赤ちゃんが鉄不足になるからミルクを飲ませるのではなく、お母さんが鉄分の多いものを摂取して母乳をあげて、適切な時期に適切な補完食を与えて貧血を予防する方がよっぽど効果的なのです。
もちろん、必要があるミルクは飲ませて欲しいですが、ミルクを飲ませているから栄養が十分と思いこまないでほしいと思っています。
牛乳アレルギーの発症を予防する可能性がある
この牛乳アレルギーのことを書いている方は意外と多く、でもきちんとこの論文を読み込めている人は少ないのです。混合のメリットの1つとしてこの牛乳アレルギーの予防を書いた保健師さんも2020年のメディアが取り上げた記事を読んで混合にするとアレルギーの発症を予防すると思い込んでしまったようです。
しかし、この研究は
母乳vs混合を比較したものではないこと。
出生時から母乳だけで育てるよりも母乳と牛乳由来の人工乳を与えながらの混合栄養で育てたほうが、牛乳アレルギーの発症のリスクを下げると示したものではないこと。
これがきちんと研究論文を読み込んだ人にはわかります。
でもメディアによって、センセーショナルに描かれてしまった
日本ラクテーションコンサルタント協会がこの研究について見解を出し、研究者からもらった回答があります。それがこちらです。
その後、2022年の4月に日本小児アレルギー学会が雑誌に発表したものがあります。
それが、「生後早期から母乳量が十分でっ低血糖や脱水等のリスクがなければ、その後あえて人工乳を追加しなくても牛乳アレルギーの発症のリスクは低い」と総説で載せています。
なので、アレルギーの発症のリスクが低くなるとか、リスクが低いなどという人がいたら、きちんと知らないのだなと思ってください。
いろいろ書きましたが、混合栄養を否定するものではありません。必要な人に必要な量を補足することを私も勧めています。
そして、母乳だから、混合だから、ミルクだから、ということはなく、どんな栄養方法でも育児は大変なのです
大変さを栄養方法でマウント取り合わなくていい。何かを否定し、自分を肯定する方法を取らなくていいのです
ですから、ご家族・周りの方を沢山頼って育児してほしいなと思います。
ママがやりたい栄養方法ができることを応援しています
第1弾は、その1・その2に分かれてしまいました。
第2弾は、「ミルク缶に書かれている量は飲めないといけないのか⁉」について書きたいと思います。
それは、「ママの不安感とミルク缶に書かれている量は比例する」気がするからです。
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