こんにちは
『授乳タイムをリラックスタイムに』を合言葉にラクな育児を応援している助産師の佐藤千鶴です
札幌・札幌近郊で母乳育児・育児相談を出張訪問しています
今回は、混合栄養についてをシリーズで書こうと思います
『混合栄養』と一言で言ってもいろいろ形があります
「母乳」がメインでたまに「ミルク」を足す程度なのか
「母乳」よりの混合栄養なのか(割合的に7:3とか8:2とか)
「母乳」と「ミルク」が半分ずつくらいなのか(母乳の後にミルクを毎回足す)
「ミルク」がメインでたまに「母乳」をあげる程度なのか
それぞれ違います。
最近は、「母乳バッシング」という言葉もあったりして、「母乳、母乳って言ってお母さんを追い詰めるな!」というご意見もあるようですが、私たちIBCLCは、「母乳」「母乳」とは言っていません。
お母さんが自分で赤ちゃんの栄養方法を選択できるように情報を提供をして、お母さんが決めたことを応援・サポートしています。
さて、今回のブログのタイトル「混合って便利⁉ラクな育児方法⁉」ですが、みなさんはどう思いますか?
世間一般の混合栄養ってどんなイメージでしょうか?
いろんな人に聞くと
ママが疲れている時や体調不良の時にミルクをあげてもらえるとラク
夜、パパに育児をしてもらい、自分は寝ることができるので便利でラク
出先で授乳室を探さなくて済むからラク
赤ちゃんがどれだけ飲んだかわかるから不安がない
ミルクも飲んでくれると預けて出かけられるので便利でラク
こんな感じでおっしゃる方がいました。
そしてネットに載っている混合栄養のメリットは、以下のものがありました
母乳プレッシャーからの解放
夜泣き改善で寝つきやすい
ママの身体を休めることができる
パパも授乳することができる
哺乳瓶の練習なしで保育園に預けやすい
快便になる
栄養が補給される
牛乳アレルギーの発症を予防する可能性がある
ミルクには母乳では不足しがちな鉄・ビタミンK・ビタミンDを補うことができる
さて、これらは本当でしょうか
このブログを見てくださっている方は、ネットの情報がアテにならないということはもうすでに理解していることと思います
一個人の体験だけで投稿している人のなんと多いことか…
いいんですよ。体験談載せていただいて。でも、それはその人と赤ちゃんの体験であって、あなたの赤ちゃんに当てはまるかはわかりません。そして育児が初めてでも「こうしたい」「こうやって育ててあげたい」という気持ちはどのママにもあります。
そしてその気持ちは一人一人違います。
さて、上記のいろいろ解説していきましょう。今回は項目が多いので、2回に分けますね。
「母乳プレッシャー」は誰がかけてきますか?
時々会う義母や実母が、パートナーである夫さんがプレッシャーをかけてきますかそれとも自分自身が「母乳でやりたい」のに「うまくできないこと」に悩んでいますか
義母・実母がいろいろ言う場合は、「あまり知識のない人が自分の知っている範囲でいろいろ上から目線でものを言っているんだな」くらいに受け止めてください。もちろんあまりに限度が過ぎる言動をする場合は、母乳外来などに一緒に連れて行って助産師から助言してもらうのもいいと思います。
夫の場合は、なぜ夫はそう思うのかをしっかり聞いてみてください。そしてママがどうしたいのかをしっかり話し合うことが大切です。ママがやりたい方にサポートしてくれるのが夫の本来の立場だと思うのです。残念ですが、男性は妊娠・出産・母乳を出すことができません。ですからその自分ができないことは、ママの意見を聞いてなるべくママの気持ちを優先してほしいと思っています。
気をつけて欲しいのは、母乳で頑張りたいと思っているママが辛いと漏らした時に『そんなに辛いならミルクにしてしまったらいいじゃん』とか『頑張らなくていいよ』という言葉をかけて追い詰めることです。
時と場合によっては、この言葉で救われることがあります。でもこの言葉を発するタイミングが非常に大切なのです。
『辛い』とママが漏らしている時は、「辛いけど頑張りたい。でも辛い」時なのです。そこでミルクにするかどうかを決めるのはママであって、決断はママに任せてあげた方がいいです。ママが決断した発言をした時にその決断を肯定する「ミルクをあげても愛情は伝わるよ。頑張ったよ」と声をかけてあげて欲しいです。
そしてママ自身が「母乳でやりたい」のに「うまくできないこと」に悩んでいる場合は、専門的な知識を持っているIBCLCを頼ってください。私たちは安易に「ミルクでいいんじゃない?」とか「母乳をあげるべきだ」とか「こうしなさい」ということは言いません。
どうやら同じ助産師でも「もうミルクでいいんじゃない?」とか逆に「ミルクをあげるなんて」という発言をしている人がいるようです。
もし、そんなことを言われて追い詰められたらすぐその人に相談するのをやめていいと思います。もちろん、最後に背中を押してもらうためにその言葉をもらいたかったという場合もあるので、ママがどう受け止めるのかだと思います。
こんな状況のママは、現状が整理で来てなくとにかく自分を責めがちです。そして自分のおっぱいは全然出ていない。ダメなんだという思考なっています。
ですから、現状を整理して今あなたはここにいる。と今の状態を客観視できるようにし、どうすればその理想に近づけるか、そしてその理想はどのくらいで果たせそうか、そもそもその理想以上に今のこの現状はママの頑張りによって作られたもの。と説明してあげると割と気持ちが落ち着いてきます。
そして自分を肯定できると、状況が変わることが多いのです。
ですから、その母乳プレッシャーは誰からのプレッシャーでどうしたいのかを明確にすることが一番です。
ミルクをあげると夜泣きが改善する
「ミルクを飲ませるとよく寝る」「お腹いっぱいにするとよく寝る」これはよく聞きますよね。でも、これが通用するのは、せいぜい生後1~2か月くらいまで。このあとは赤ちゃん自身のタイプによります。そして夜中に起きること=夜泣きと思っている人がいます。
夜中に頻繁に母乳を欲しがるタイプというのは存在します。
2~3か月以降の場合は、生活習慣そのものを見なおすところがあったり、昼間の過ごし方の問題だったりすることも多いのです。ですからそこを見直さず、ミルクだけを多くあげれば解決とはならないことがあります。ミルクの子は朝までぐっすりと言うのも、そんなことありません。
ミルクであっても夜中きっちり3~4時間ペースで起きて飲みたがる子もいます。
母乳の子でも夜飲んだら7~8時間くらいは寝る子もいます。
夜寝る前のミルクは、量関係なくミルクを飲めばいいタイプもいれば、いつもの量を飲まないと怒る(飲み切ってすぐに足りないと言います)タイプもいれば、いつもの量飲まないと早く目覚めるタイプもいます。
要は、
寝る前のミルクが量にかかわらず「寝る前にミルクを飲む」という行為がルーチン化している子
いつも140ml飲んで寝ていたけど、80mlにしてもいつもと変わらず起きる。逆に量を多く180~200ml飲ませてもいつもと同じ時間に多きるタイプ。
寝る前のミルクは同じ量じゃないと怒る子
いつもの140mlが120とか130mlになっただけで怒ります。量が140mlってわかっているタイプ(いつもの量を知っている)
寝る前のミルクを減らしたら、いつもより早く起きる子
いつも140ml飲んでいるのを120mlにしたらいつもより起きるのが早いタイプ
こんな感じでいろいろいます。これらは1回こっきりではなく何回か試してもらわないとわかりませんので、何回かやってもらい、あなたのお子さんはこうゆうタイプみたいだね~となるのです。
ですからミルクをあげれば夜泣き改善なんて安易に言えないのです(安易に発言している人の発信は見ない方がいいかもです)
栄養法別の乳児の最長睡眠時間の計測の研究って知っていますか?アクチグラフィーというもので睡眠時時間を計測したものです。
それによると、どの栄養方法であっても(母乳でもミルクでも)、児の睡眠時間に差はなかったとされています。
母乳育児の母親の睡眠時間は、母乳育児をしていない母親よりも優位に睡眠時間は長い。
夜間の児との添い寝も母乳育児の母親の睡眠時間を増加させた。
という研究もあります。
こちらのサイトは英語ですが、ABM Protocolの睡眠に関するものです。よかったら見てみてください。
日本ラクテーションコンサルタント協会のHPには、「親子にやさしい夜間/日中の過ごし方」家族向けハンドアウトというものと、「ベッドの共有と母乳育児」家族向けハンドアウトが載っています。
下の写真のものです。よろしければそちらも合わせてみてください。
ママが身体を休めるられないのは母乳だから?
母乳だと体を休ませられないと感じるのはどうしてでしょうかこの場合2つのパターンがあります。
1つは、授乳の姿勢そのものが辛くて授乳をすると肩が凝ったり背中が痛くなり疲労感が増す人。この姿勢は哺乳瓶授乳の時でも同じです。哺乳瓶授乳の姿勢が辛い人もいます。
もう1つは、授乳は献血しているような状態と言われています。著しく体力がなく疲労感が増している方、産後貧血を指摘されていたり、栄養が足りていない(極端な食事制限をしている方も含め)方で、身体がしんどいと思う方がいるようです。
ではどうするか
本当にしんどくて一時的にミルクをあげて身体を休ませた方がいい場合もあります。
この場合は、今授乳をしなくても、乳腺炎のリスクはないのか、何時間なら開けてもいいのかなど考えてみてください。
ちなみに、インフルエンザやコロナなどの発熱をしている場合でも授乳はしてもです
ママが感染症にかかってもその抗体が母乳を通じて赤ちゃんにいくので、赤ちゃんは抗体ゲットとなります
授乳姿勢が辛い場合は、母乳だろうがミルクだろうがラクな姿勢にすればいいのです
母乳の場合のラクな姿勢はさんざんブログで書いていますので、過去ブログを見てください。それでもできない場合は訪問に呼んでください
意外と盲点なのが哺乳瓶授乳の姿勢ですこの哺乳瓶であげる姿勢が実に辛そうな姿勢の人が多い哺乳瓶であげるときだって「授乳」です。これが辛いから自動で飲ませる装置やグッツを購入してしまうのだと思います。
これは結構危険です
窒息の原因になることがあります
哺乳瓶の位置がずれる危険性があります
空気を吸ってしまい、中耳炎のリスクも高まります
もうお腹いっぱい・飲みたくないと思ってもやめることができず赤ちゃんの苦痛につながります
どんどん出てくるミルクを一気に飲まないと行けなくて飲みすぎになることがあります
赤ちゃんを抱っこして慈しみ、可愛いな~と思い授乳する機会が減る。赤ちゃんとの絆を深めるチャンスが減るかもしれない。
哺乳瓶の授乳だって楽にできます。その方法を見つけてください。
私は訪問に行ったときに、哺乳瓶での授乳姿勢も見せてもらいます。徹底的に授乳はラクな姿勢でやるのがモットーです
そこに母乳かミルクかなんて関係ありません
授乳は授乳です。ママが楽な姿勢で飲ませられることが、赤ちゃんも
からだが辛くでミルクに一時的にするのは、いいかもしれません。でも、それがずっとになると今度は、
哺乳瓶を洗う
消毒する
ミルクを眠たい時でも安全な方法で調乳する
こことても重要
哺乳瓶で飲んでいる時は、窒息の危険があるから寝ながら授乳できないので目が離せない
排気(ゲップ)させる
と、こんなに工程があるのです。これってラク?
夜中の場合で、哺乳瓶が沢山あれば、翌朝まとめて洗って消毒ができますが、翌朝の仕事がたんまりあることになります。
そしてここで出てくるのが、パパも授乳することができママが休めるというもの。
パパが授乳したがるので混合にしたい。
というご意見多いのです。
ここで私が気になるのは、「パパが」と言っているのか「ママが」と言っているのかです。主語が誰か。
「パパが」と言っているのであれば、前にも言ったように母乳を出すことができないパパはママがどうしたいか聞いて尊重してほしいのです。ママの乳腺炎のリスクを考えて言っていますか?授乳以外にも赤ちゃんをかわいがる方法はありますし、絆を深める方法はありますよ。
そしてもし、やりたいなら哺乳瓶であげるすべての工程を一人でやってくださいね。授乳のいいとこどりをしないようにしてほしい。
「ミルクを作るのは面倒・哺乳瓶を洗う・消毒するのは面倒だからそこはやらない」のであれば、ママはラクになっていないかもしれません。
「飲ませる」行為というのは可愛くてやりたい気持ちはわかります。
だったら間接的にパパの作ったものをママが食べて母乳となって出てくるのでもいいですよね。
パパが作ったものが母乳になって出てくる。
それと離乳食をパパが作って食べさせる(片付けもやってね)
保育園に預けるのに練習なしで預けれる
この「練習」って必要でしょうか
まず保育園に行く=哺乳瓶の練習が必要。と思っている人が多いと感じます。保育園に行く月齢が半年前ならまあわかるのですが、時に「1歳過ぎてから復帰です」という人も練習しなくてはいけないと言っていることもあります。
保育園に行く何か月も前から哺乳瓶に慣れさせる必要はないです。
哺乳瓶の練習をしてても保育園に行ったら全く哺乳瓶が吸えない子
哺乳瓶の練習をしなくても難なく哺乳瓶で吸えた子
哺乳瓶の練習でもうまくいかず、保育園でもうまくいかない期間が一定期間ありそれが2週間で吸うようになった子
哺乳瓶の練習は何となくうまくいったけど、保育園では吸わず、1か月間保育園にいる間30~40mlしか飲まず過ごして1か月後にいきなり吸うようになった子
哺乳瓶の練習も保育園でも哺乳瓶は吸わず。その代わり離乳食はどんどん進んだ子
などなど本当に沢山の子に出会いました。
私の結論は、哺乳瓶の練習は親子ともにストレスでしかない
だから、やりたくない練習は無理にしても意味がないかもしれない
だって、家で吸えても環境変わり保育園だと吸わないこともあるんだから。
それでも練習したいんですという方にはママがストレスにならない練習方法をお伝えしています。
そこはパパの出番かもしれませんね
直接授乳も哺乳瓶での授乳も、レスポンシブ・フィーディングです
赤ちゃんは母乳でもミルクでも自分に必要な量を知っています。
長くなったので、次の項目からが「その2」として次のブログに載せますね
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