こんばんは
『授乳タイムをリラックスタイムに』を合言葉にラクな育児を応援している助産師の佐藤千鶴です
札幌・札幌近郊で母乳育児・育児相談を出張でおこなっています
今日は食事と乳腺炎のことについて。
では、みなさん問題です。
Q.昨日の昼に久々のお出かけをしました。赤ちゃんは抱っこ紐の中で良く寝てくれて助かりました。久しぶりお出かけだったので、お昼は焼肉弁当を食べ、間食にケーキも小さいの1個食べました。そしたら夜からおっぱいが痛くなりました。どうやら乳腺炎のようです。
A.1乳腺炎の原因は、焼肉弁当とケーキを食べたこと
2.乳腺炎の原因は、ケーキだけにある
3.乳腺炎の原因は、焼肉弁当だけにある
4.食事は関係ない。他のことが原因ではないか、いろいろ聞いてみる
さて、皆さんならどうしますか?
出産後の退院指導で、よく言われるのが「授乳中の食事は、和食中心でね。ケーキや脂っこいものは禁止ね。」とにっこり笑顔で言われます。
↑いつもこんな理想的な食事ができるといいけど育児中はそんなの無理な日も。。
私が助産師なりたてのころは、これがスタンダードだったように思います。
でも、今はいろんなことがわかってきて、食事の内容だけで乳腺炎になること。は考えにくいことがわかってきました。
授乳間隔はいつも通りだったのか?
授乳姿勢や吸わせ方は、適切だったか?
授乳の椅子はどうだったか?
外出して慌てた授乳にならなかったか?
外出先で、ずっと抱っこしてて循環は悪くなっていなかったか?
外出してて水分はいつも通り飲めていたのか?
など食事以外のことが原因のことがほとんどです。
食事も、ホールケーキほぼ一人で食べた
とか
肉だけ食べてご飯も野菜も全くなしで水分摂取もなし
とか
極端なのはよろしくないですね。
毎日お菓子ばっかりで、食事はまともな食事はしていない
とか
ファーストフードばかりで、基本野菜もご飯も食べない
これでは困ります。
お母さんの健康によくない
でもね、たまに出先でカットケーキ食べる
買ってきたお弁当やてんぷらを食べる
たまにハンバーガー食べる
毎日ひとくちチョコレートを何個か食べる
これぐらいは、いいじゃないですか~。
これだけじゃ素人のブログになるのできちんと科学的に説明します。
母乳の中の脂肪は、乳腺腺房細胞という乳汁製造工場みたいな所で作られます。
作られた脂肪は、腺房細胞の細胞膜にくるまれた脂肪の玉として
おっぱいの中に放出されます。
お餅やあんこのない大福をちぎった感じ(あんこがないならお餅と一緒か)になります。
成乳の脂肪球は直径2.0~6.0㎛。
乳管は乳腺腺房細胞の近くでは細かったものが、乳頭の近くでは広くなります。
乳管の太さ(太さまで乗っている資料はなかなか少ない。乳管内視鏡のことが書かれている東京医科歯科大学の乳腺カンファレンスの資料を見ました)は、いろいろ検索してみたら0.4~1.0mmくらいだそうです。つまり、400~1000㎛位のものが入る太さだそうです。
JALCが出している『母乳育児スタンダード 第2版』には、こう書かれています。
『通常用いられる乳管内視鏡の外径は400~1700㎛で、乳管と脂肪球の直径を考えると比較しても脂肪球が乳管につまること考えにくい』
㎛って全くピンときませんが、mmより小さい単位です。
色々書かれたものがあるので整理しますと、
成乳の脂肪球は2.0~6.0㎛。
ちがうサイトでも脂肪球の大きさは、0.1~15㎛。
乳管の太さは400~1000㎛(400~1700と書いてあるものもある)の大きさのものが入る
ということは、脂肪球はかなり余裕で乳管を通過できる。ということになりません?
しかも脂肪球同士はくっついて、ぷよぷよみたいに集まることはないそうです。
と言うことで、乳管を脂肪球が詰まらせるのはかなり困難ということになるかと思います。
最初の質問の答えは「4」が正解となります。
生化学をしっかり理解していないと、「食べものでおっぱいが詰まる」
と昔から言われている言い伝えや都市伝説を医療者が、本当のことの様に言うことになります
でもこんなこと言う人は、「私は勉強していません。昔の知識だけでモノを言っています」と公言しているようなもので、ちょっと恥ずかしい。。。
乳管が詰まるのは、赤ちゃんの飲み方や飲ませ方の姿勢などが大きく影響するというわけです。
ただし、ものごとに絶対はありません
そして、体質というものがあります。
私は『いつも同じもの(同じ食品)を食べて、いつもおっぱいの調子が悪くなるものはありますか?』
と聞きます
そのものがあればどのくらいの量食べているのか聞きます
調子が悪くなった量より少なめに食べてみることをすすめています
そうすると意外と大丈夫なことも
いろんなお母さんに教えてもらっています
育児中は結構ストレスがあります。
何故か、甘いものを食べたくなったりすることも多い
好きなものを食べて、ニコニコ笑顔で育児をしましょう
育児中のママを厳しい食事制限で追い詰める表現をしないで欲しいな~と思います
母乳の方も混合の方もミルクの方も、困ったことがあったりこれでいいのか?と思うことがあったらいつでもご相談にのります。
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今日もゴキゲンな1日