ドジョウとミミズの方程式 3 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

植物や動物などの残骸有機物は表土で朽ちることはあっても閉鎖された土中ではない。

草の根が朽ちた跡の穴や生き物が掘った穴など通気性のある所にミミズのエサがあり、通常はそのような条件の場所にミミズはいる。

他に有機物など本来の土中にはないから当然だ。

そのミミズもまた有機でありやがて微生物に分解され無機になる。

ミミズは他の虫達と同じで、土中の掃除が担当だと考えれば良い。

そのミミズをエサにモグラは生きている。

モグラもまたミミズ同様通気口から侵入した微生物に無機に分解され、それを植物の根が吸い上げ地上に分散、そうやって土壌は循環している。

土壌とは多くの生き物達が築き上げる生命の住処であり、それ自体が生命体と考えれば良い。

閉鎖された土中に有機物が多ければそれをエサとするミミズは異常繁殖するが、微生物の通気口も乏しく、微生物が分解した無機を吸い上げる草も生やさなければ、とどのつまりはヘドロになる。

ミミズのうんこは適度な土の塊となり良い土になるとされているが、それは園芸用の赤玉土や鹿沼土のように、土壌ではなく土質を期待しているからだ。

子供の頃、「みみずにオシッコかけたらオチンチンが腫れる」と言われ、実験してみたのだが・・腫れなかった。

ミミズは嫌がることなく、むしろ温泉気分で喜んでいた。

これも昔からのミミズ崇拝の農業から出たことわざだった。

科学肥料にしろ、有機肥料にしろ、病気や連作障害などで農地が人の手に負えなくなるのは、「土壌の仕組み」を理解せず異物を投入し続けた結果だ。

さらに消毒と称して薬物を使用、土壌改良剤なるものまである。

人知の怪進撃は行き着くところを知らず、むこうミミミズだ・・

さぞかし・・重宝されて人の都合で虐待されるミミズも困惑していることだろう。