ママのお客様が連れてきて、二度目にお一人で来られた方。

 

たまたま二人になったとき、耳元で囁かれました。

 

「どうや、俺の女になれへんか。不自由はさせへんで」

 

久々に言われたな、このフレーズ。

 

この間書いたばかりだけど、「おまえは俺のものや」となんら変わりがありません。

 

自由、不自由はその人の価値観。

 

いくらお金に困らなくても、そんな人の愛人になるなんて不自由極まりない。

 

この手の男性は、やんわりお断りすると勘違いなさる方が多いので、「間に合ってます」ときっぱり。

 

「なんや、そんなに男がおるんか」

「ええ」

「それやったら、俺もその仲間に入れたってや。一人くらい増えたって、どうってことあらへんやろ。金はいくらあってもええもんやで」

「お金も間に合ってます」

「そんなパトロンがおるんか。どうせ、どこかの爺やろ。それで、満足させられるんか」

 

女を寝る対象としかみない、物としか見ない、お金がすべてだと思っている。

 

三拍子揃った、お下劣思考の持ち主。

 

こういう手合いには、思考がそれで凝り固まっているから、なにを言っても無駄。

 

「すみません、私の趣味じゃないんです」

 

ホステスにはあるまじき、無茶苦茶失礼な言葉を返しました。

 

次に返ってきた答えは予想通り。

 

「たかがホステス風情が、なに言うとんねん。おまえら、金持ちを捕まえるために働いとるんやろうが」

 

「そうだとしても、趣味というものがありますので。こちらとしては、選び放題ですから」

 

こんなお客様を他の女の子につけるとろくなことにはならないから、ここらへんで退散願って、二度とお店に来ないようにするか、このお店ではそんなことを言わせないようにするか。

 

ということで、またまた失礼な言葉の返礼。

 

「ママはおるか?」

「今、呼びますね」

 

席を立ってママのところに行き、手短に事情を話す。

 

ママも心得たもので、私のバックにはさる偉い政治家がいると話したものだから、そのお客様はそれ以降なにも言わず、黙ってお酒を飲んでお帰りになりました。

 

もう、来ないだろうね。

 

こういった人は、権威や権力に弱いもの。

 

権威や権力に弱いと言うのは、裏返せば憧れがある。

だから、自分より弱い者を牛耳ろうとする。

 

そんなとこではないかと、私は思っています。

 

ま、女が一律に弱いと思っているところは、世間知らずというか、可愛いというか。

 

ましてや、夜の世界で10年も働いている女です 笑

 

ママの話程度で大人しくなるようじゃ、所詮は遊び慣れていないのがまるわかり。

 

女は、男次第で、天女にも魔女にもなります。

 

そこをわかっていない。というか、私が天女になるのは、それをわかっていなくて、自然体で優しい人。

 

遊び慣れていて、うまく落とそうとしている人はわかるからね。

 

お金もいらない百戦錬磨の女性の心は、意図して掴めるものではありません。

 

ましてや、私のように風変わりな異端児ならなおさらね。

 

昨日書いたように、「同伴はできへんけど、お店に行っていいかな」と、本当に自分を情けなく思いながらも、勇気を出して言えるような、そんな人が私は大好き。

 

不自由させないと言う人に限って、束縛するものです。

 

世の女性方、これよく覚えておいてください。

 

決して、甘い言葉(甘くはないけどね)に騙されないようにね。

 

 

おやすみ