▼お芝居をしていて、自分自身で制限をつけてはいけないと考えています。
▼常に120%、200%、2000%と元気と気持ちの高揚とをもって臨むことが良いと思います。
▼自分自身で「こんな感じでいいかな~」という思いでやっていても周りで見ている人には物足りない時がままあります。
▼ちょっとやり過ぎかな?と思うくらい・・・思い切り気持ちを出し切らないと見ている人に気持ちの移り変わり、役の云いたい事は伝わらないと思います。
▼ぼくはこのことを「リミッターをはずす」と云いますが、気持ちも相手役への思いも、役に関する全て、自分自身の制限を外して、思い切りやってみると、声も動きも表情も次第に大きく、より多くの人に伝わるお芝居になるのではなる第一歩だと考えています。
▼勉強をし始めたうちは特にだと感じています。
▼常に120%、200%、2000%と元気と気持ちの高揚とをもって望む、お稽古中でも練習中でも常にテンションを張り続けすべてにおいて全力投球することは非常に大事です。
▼なぜならば、本番の舞台やスタジオでは練習やお稽古と違っていろいろ違う要素が含まれてきてしまいます。
▼お客様の反応だったり、空気感だったり、相手役の状況だったり…自分では予想していなかった不測の事態。
▼それに伴い、緊張や、いつもと違う感覚に陥る事もあるかと思います。’リミッター’をはずし、お稽古中、練習中から常にテンションを張り続け、全力でやるからこそ、本番でもさらに良いお芝居をお客様に提供できると考えます。
▼人間は不思議なものでなんでも抑えることは簡単にできるのですが、すべてを発揮しきるのはとても時間がかかるようです。
▼常にすべてにおいて全力投球、100%以上の力で望むことで本番でやっと・・・8割くらいの力が出せるのではないでしょうか。
▼お芝居も仕事としてあらためて捉えてみます。つまりお金をもらい、生活の糧にするわけです。
生活の糧―――人間以外の動物、とくに肉食動物は獲物を狙います。獲物を狙う動物は常に真剣です。気配をコントロールし、身体も弛緩と緊張を繰り返しじっくりと狙う。
しかも、自分の持てる力を出し切ります。そうして、その日の食料、糧にありつけるわけです。
▼人間も仕事をすれば、汗をかき、身体を酷使して真剣に取り組みます。
▼お稽古も仕事と捉えたら、お稽古が終わり、お稽古場から出てきたら、精神的にも肉体的にも真剣になったが故に疲れている事がのぞましいでしょう。その対価として、色々な技術、お芝居などが身に付き、その上で仕事としてのお金、糧が得られるのではないでしょうか。
▼世の中に疲れずにもらえるものなどありはしない、そう考えるものであります。