私は”テンション”を『緊張』と理解しています。
辞書(三省堂 大辞林 )で意味を調べますと、
テンション 【tension】
1 緊張。不安。
2 物理学で、張力(ちようりよく)。
3 (主に若者語で)気分の盛り上がりのこと。
となっています。
釣りをよくやる人は釣り糸のテンションの具合、等という言葉でおなじみかもしれません。役者さんにとって、テンションとは、「気持ちの変化をコントロールするための
緊張(状態)」だと私は考えています。
つまり、例えば、大泣きするシーン、悲しいシーンこそ、テンションを目一杯張らなければいけないのではないかと考えています。
ちなみに私は稽古場では「テンションを上げて」とは言いません。
「テンションを張って」と言います。
これは、舞台上、周りに目を配り、様々なことに対応できるように緊張する、いわば、何に対しても反応できる状態にしましょう、という意味で使用しています。
緊張の状態といっても、身体が硬くなっては意味がありません。気持ちも身体もリラックスし、同時に適度に引き締めることが必要なのだと思います。自分自身でそのバランス感覚を身につける事も非常に大事です。
テンションを張り、色々な状況に対応できる準備ができてこそ初めて、気持ちの変化、盛り上がりも盛り下がりも表現できるのではないか、私はそう考えています。
