レッスンやお稽古場などで脚本をもらうと…
人それぞれ、十人十色の解釈が生まれます。

その十人十色を一つの物語としていくわけですが…

どうしても解釈ができない、
だったり、
どうしても、何度やっても監督や演出家からOKが出ない
っていうことないでしょうか…

ではここで算数の問題です。

9999×512はいくつでしょう?
答えは5,119,488なのですが・・・。
この掛け算、どのように解答を導き出したでしょうか。

 9999
× 512
――――――
 
というひっ算が思い浮かびましたでしょうか?
この場合・・・9×2、1、繰り上がって、1×9・・・
と言うように計算していくのがセオリーかと思います。

しかし、上記の式は以下のように書き換えられることもできます。

10000×512-512

もちろん、四則演算ですから、5120000-512を行えば、先ほどよりはなんとなく簡単に思えるかもしれません。


閑話休題。
このように一つの答えを求める式でも色々と分解してみたり、違う方法をとることで早くなったり、かけ算の仕組みが更に理解できたり、計算の違う物の見方ができるようになったりすることがあります。


このように台本や脚本も違う角度、違う物の見方が出来る時があります。
例えば、自分の役以外の役を中心に読んでみたり、幕や場の順番を違えて読んでみたり、自分の役以外のところだけを読んでみたりと…色々とやれる事はあるわけです。

そうした中で大事なのが「固定観念」を持たなかったり、柔軟な思考をしてみたり、チャレンジ精神を持つということだと私は考えています。

私たちの仕事は所謂セオリー的な正解があるかもしれませんが、答えのあるものではありません。難しそうな脚本に出会ったら、ぜひ、見方を変えて解釈を行ってみるのも面白いかもしれません。

自分の役につまったら、拠り所の基本は台本です。
その台本を読み深め、色々な角度から解釈しなおし、精査するのも大事な役者さんの仕事の一つだと思います。
もちろん、日々、最初から最後まで全て台本を読むことが一番肝要です。
つまった時に自分自身で見つけだした台本の違う読み方をしてみるのも一つなのではないでしょうか。