数年前・・・・
とある教え子から
「養成所を辞めたいんです」
と相談を持ちかけられたとこがある。

理由を聞いたら・・・
「社長さんが芝居をしたことがない、事務の人だったからです。」
との事だった・・・
さらに聞けば、社長さんから色々とアドバイスを受けたが、
芝居をしたことがない人に言われたくないというのが一番の理由のようだった。

ふむふむ。
バカか、かと。
一蹴してやった。

そもそも資格も何にも要らない役者という職業なんだぞ、と。
それに、その役者を評価する多くは芝居経験のないお客様なんだぞ、と。

改めて思うのだが・・・
本当の謙虚さって言うのは、相手の肩書きや地位、来歴で態度を変えることではないと思う。
偉い人だからいうことを聞く、とか・・・
有名な人だから言うことが正しいはず、とか・・・
そりゃあね、一番は、経験者や先輩、先生に聞いたりするのがダイレクトだと思う。
でも、芝居でもなんでもそうだと思うけれども・・・
その業界の人でなくても、色々な人の話を素直に聞くのが本当の謙虚さだと考える。

偉い人や有名な人だけの話が自分にとって合っているとも限らないし、
お客様のネガティブな感想こそが自分にとってあっているかもしれないし、
全然違う業界の人の言っていることが実は最大のヒントであったり・・・

真の謙虚さって、色々な人の話をきちんと聞いて、自分の中で噛み砕くからこそ、磨かれていくものだと考えている。