何故、僕が(僕等が)古典をやるか。

第一には古典が好きだから。

第二には古典に込められた、書かれてから今現在まで蓄積された色々な人の思いがあるから。

古典は、単に古いもの、ということではなくて、
ずっとずっと長い間、人々に愛されてきた作品であると同時に、
色々な偶然や奇跡なんかも重なったと思うけれども・・・
今の、現代に伝えられた物語であるから。
普遍的な事柄だったり、昔も今も変わらない人間関係だったり。

そして、その中には
色々な人の失敗、やり直し、歓喜・・・思いが詰まっている。
それらに僕の(僕等の)思いを合わせたいのが一番大きいかもしれない。

しかし、今回、新和座では「書き下ろし」をやる。
別にもう、古典をやらないわけじゃない。 
座の創立の時に「色々な作品」に取り組む目標をたてていたわけだ。 
一つの目標が叶うということでもある。

今回の「書き下ろし」ももちろん、色々な人の色々な思いが重なり合っている。

作品「アポリア」に関して、僕の仕事は書いたら終わり。
演出は石井かほるがやる。

だから口は出さない、でも出る。どっちだ? 

いやあのね、何が言いたいかというと・・・
今回の物語は全員が主演であり、全員が脇役であるってことなんだな。。。
役者やスタッフの思いももちろん、登場人物たちの思いも重なり合っている。