第6回本公演『サロメ』の作中で、洗礼者ヨカナーン(ヨハネ)という人物が出てきます。

$偽典:もなから文書-長谷川奈美3これは何者か…
現代で言えば、霊能者か予言をする人か…とにかく、カリスマがあり、乞えば、とっても良い話をしてくれる、そんな人です。インチキではなく、徳が高かったのでしょう、お弟子さんがたくさん居たそうです。

悩みがある人にはその悩みを解決する方法を、
寂しい人にはその心の寂しさをうめる方法を、
辛いと思っている人にはその辛さを覆す方法を、
このヨカナーンは人々に話していたのです。

職業は洗礼者。つまりユダヤ教の神様に代わって、その神様を信じます、という証を人々に与えていたといいます。
仏教でいうところの得度を行う僧のようなイメージでしょうか。

そんな素晴らしい彼に人々は聞きます。
『あなたは預言者エリヤ様なのですか?!』
預言者エリヤとはこの物語の背景でもあるユダヤ教世界でもっとも有名な預言者と言ったところでしょうか。
もちろん、エリヤ自体は旧約聖書の登場人物ですので、このサロメの世界に生きてはいません。
それでも人々はこんな徳のある人を『エリヤ』のようにすごい人だ!と賛美したのです。

$偽典:もなから文書-ならりえ3しかし、彼は人々に言います。
『わたしは確かに,悔い改めのためにあなた方に水でバプテスマを施しているが、わたしの後に来る方はわたしより強力だ。わたしはその方の履物を脱がすにも値しない。その方は、あなた方に聖霊でバプテスマを施すだろう。』
と言ってイエス・キリストの来訪を予言したのです。

こうした人気ある人がユダヤ教の神様以外の、それも人間の来訪を言ってしまう。
これは、ユダヤ教の偉い人達にとってはたまってものではありません。
だって、そんなこと、旧約聖書に書いていないのですから…たしかに、救い主がくるという預言はかいてあるかもしれません。しかし普通に生活していて、それが今だ、なんて誰も思わないのです。もっと未来だろう、と…しかしヨカナーンは上記のように宣言したのです。

面白くないユダヤ教の教師たちは怒り爆発です。
そこで、彼らはあの手この手でヨカナーンを陥れようと策略をめぐらしますが…
ヨカナーンが領主エロデの不義を批判したが為に捕まってしまいます。
捕まったヨカナーン。ユダヤ教の人々は領主エロデに彼の引渡しを懇願します。
果たしてヨカナーンはこの後どうなってしまうのか…


劇団新和座第6回本公演 サロメ
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