Paul Reed Smith CE-24 1991 Royal Blue もう一回レビュー | ★

    

という事で弾きこんでからの再度レビュー。

最初は「こんなものか」と思って触ってたんですけど、ある程度弾きこんでエスカッションをメイプルの物にした時に弦を外したから、新しい弦に交換してさらに色々弾きこんだわけです。

そうしたら最初にオーバーホールした時とは別物のように感じるくらい音は変わっていて、本当にいい音で好きな音になってくれました。

この話を知り合いの昔工房にいた人に話したところ、おそらく弾きこんだことによって一回バラしたのがしっかりなじんだんじゃないかなっていう予想でした。自分でもそう感じるかな。ネジや金属パーツなどバラバラにして組みなおしたのが弾いたときの振動とかでいい塩梅になるっていう感じでしょうか(まぁ基本緩んでくるんだけどね)

という事で改めて今の状況でレビューしますが・・・やっぱり今までのPRSとは全然違う気がします。

まずは生音。
生音はちょっとストラトに似てるかも。でももう少し太い部分が出てる感じで単音もコードもはっきりスッキリはしているけどストラトよりは太い音が出てる気がします。
生音でも十分気持ちよく弾ける音で夜にアンプ繋がなくても気持ちよく弾ける音です。
6弦単音で弾いてもネックは結構振動していて、もちろんコードで弾くとものすごくネックが響いてる感じがあります。
生音で単音、コード共に気持ちよく弾けると本当にいいギターに触ってるなぁと思えるし、何時間も弾きたくなっちゃいますね。

で、アンプに通すと生音で感じていたハイの部分が若干引っ込んでミドルが出てくる感じです。トレブリーな感じが減るというか。
ただジョイントネックという事もあってか歯切れもよくトレブリーな感じが減るとはいえ歯切れがいい感じはします。
ちょっと生音を聞いただけだと想像とは違う感じの音が出てきます。
PUの力ですかね?
粘りもあってコシもあるけどジャッキリ歯切れの良さもある感じです。
で、裏バネのエアー感と、重くて硬いボディーの音が出てる感じでミドルは強いですが全体的にきれいに鳴ってるかな。

で、最初の頃は5150OVERDRIVEで結構メタルメタルなのを弾いてたんですが、たまたまストラトに持ち変えたときのセッティング…TS-9にリバーブで弾いたところ「あら、びっくり」な音がでました。
ストラトのようなキレのいい感じもあるんですが、ストラトよりもミッドが強い粘りのあるパワーのない感じのハムバッカーの音。
でも太すぎずすっきりもしているようで粘ってくれる不思議な感じ。
他のPRSだとこんな感じではなかったかな-と思っております。
(記憶がないだけかもw)

でも明らかに違いは感じます。
どっちかというとボワボワした柔らかさはあまり感じないんですけどPUでミドルを強く出してる感じはします。
だからPUを変えたらもしかしたら全く別物になるかもしれないですね。


でも今は今の組み合わせで気に入ってます。


リアは91年のHFSで、フロントはおそらくあとから交換されたと思われる(これ前回オリジナルかもと書きましたが違うと思います)dragon2BASS。

(リアのHFS。ステッカーが今のものと違う気がします)

(フロントのDRAGON 2 BASS。こちらは最近のシールと同じ気がします)


非常にいい組み合わせです。
フロントは甘いトーンが気持ちよく、リアはきれいにカッティングの音、バッキングの音が出てくれます。

さてここからが前回書いたこととは違う事を書くかもしれないですが、おそらくこの重さとこのネックの薄さが音を作ってるんじゃないかと感じてます。
ですので本当は苦手ですけどこの薄いネックじゃないとこの音は出ないかなと。
後はメイプルネックだからこそのこの音かなとも思います。

組み上げ当初はサスティンが本当に短くて「こんなものかな」とは思ってたところはあったんですが、最近は結構長いサスティンで鳴ってくれます。でも今まで持っていたPRSに比べると短いかな。
で、粘るけどジャッキリ感もある。
ストラトみたいだけどストラトよりは太い音。
言葉にするのは難しいですが太いストラトの音って感じです。

ちょっと音の話は一旦STOPして、特徴的なところを書こうかと思います。
塗装に特に白濁感はありません。ただ現行のPRSと比べると…というか最近のギターに比べると塗装がムッチャクチャ硬いです。


薄いヘアラインの傷をコンパウンドで消そうとしましたが、全く消えず。
ホント時間が経ってカチカチの塗装って感じです。

あとは重いですがおそらくハードメイプルじゃないかなと思います。
バックはアルダーかマホガニーかわからないですけど、木地の色から考えるとアルダーの気がします。

(バックはアルダーかマホガニーか?ちょっとわからないです)


トップのカービングですが、これも今まで持っていたものとは全然違います。
特にノブの部分の落とし込み?っていうかくぼみの部分は全然今と違う気がします。
トーンの部分のくぼみはそこまでない感じです。
で、前にオーバーホールした時に思ったのですがメイプルの厚みが現行と比べると厚いと思います。
(TOTALでは同じかもしれないけど)
なぜそう思うかというと、ボリューム、トーン、ロータリースイッチの穴からボディの厚さを見るとかなり厚めにメイプルがとってあります。
前に違うPRSでポット交換した時かなんかに見たときは結構薄くて、これって変な落とし方したら陥没しちゃうんじゃないの?ってくらい薄かったんですが、今回の個体はそういうのは問題なさそうです。
まぁカービングが浅いからっていうのもあるかもしれませんが。
でもそれも伴って重さがあるんでしょうね。

トップのトラ目は10TOPとは言えないですけど…いい味があって好きです。
ギラギラなのもかっこいいですけど、これくらいなのもありかなぁ。
というか、本来レスポールに関しても思うんですけど、あんなバリトラなのってビンテージだとないわけですから。
ほどほどのが好きです。個人的には。

あとはボディートップには目立った傷はありませんがバックによくある乾燥しすぎの塗装割れの線があります。


あ、バックは3ピースですね。
乾燥しすぎて継ぎ目が結構出てます。
メイプルトップ、アルダー(マホガニー?)3ピースバックです。

で、昔の特徴でもあるスモールヒール。


これって多分今のような大き目のヒールのほうがいいこと多いんだろうけど、弾いてみるとハイフレットが凄く弾きやすいです。
24Fまで使う事は少ないですが、21Fとかのあたりまで実にアクセスしやすい。
このあたりもいいなと思います。

後は見た目になっちゃいますけど、ブラックヘッドにスモールロゴ。


今のようなステッカー的な感じもかっこいいけど、みんな持ってるのとちょっと違うんだなー的な感じで好きかなー。

あ、ウイングペグも特徴的ですね。これもちょっとばらしてきちっと組み上げたんですが、これをこの時代に考えるってすごいですね。発想が凄いなぁって思います。
ただ…ボクはちょっとポストにまくのが好きなタイプ(ロックポストでも半周くらい巻いちゃうタイプ)なので、ウイングペグは太すぎてまけないところを考えるとちょっと交換も視野に入れてます。
ただ穴の位置などを考えてポン付けでいいのがあればなーって感じです。

後から気が付いたのですけどナットも変わってますね。
PRSは黒の人工樹脂(タスクみたいな)のだったような気がします。
これはすり合わせ時に牛骨に代わってますね。
ここも音の変化の要因だと思います。
特に違和感も感じてないので、このままでいいかな。

フレットですが…もう結構減っていて、あと一回すり合わせできるかな?くらいしかないです。
ですから今後のことも考えるとフレット打ち直しも視野に入れたいなと考えてます。
あまり低すぎるフレットは得意じゃないので…ここは検討しなくてはと思ってます。

指版は結構黒黒したインディアンローズだと思います。
カスタムだとハカランダだとか…。木だけ見てで判断できないのでわかりませんがおそらくインドローズでしょう。

そして前から一番書いていた違和感。ネックの薄さですけど、いまだに薄いと思います。
できればもうちょっと太くなればなぁなんて思いますけど、前と気持ちが変わったのは
「この薄さがこの音を作っている」かもしれないと思うと、じゃあしょうがないかなぁみたいな。
弾きにくいだけであって、弾けないわけではないので。
そう割り切ることにしました。なので今は特に抵抗?嫌な感じはなし。

あとPUの事をもう少し書くと、当初の予想ではリアはHFSでフロントがパーツがなくてドラゴンⅡじゃないかって予測してたんですが…この時代はまだドラゴンⅡないと思うんですよね。確かドラゴントレブル、ドラゴンベースだった気がする。
のとPU裏面のシールが新しい感じからやっぱりフロントは載せ替えたんだろうなって思います。
ただいい年の取り方はしていて、新しいPRSの元気がいい感じではないかなぁ。もっとマイルドな感じ。
フロントもそうですね。特にフロントは気持ちよくソロが弾ける感じの音です。
ハーフトーンもそれが出てて、ロータリーだからリアから二番目のハーフトーンはエレアコみたいな感じです。ピエゾみたい。
フロント側のハーフトーンはストラトよりな、クランチとかでも使える感じです。
ただ音量差が結構あるのでLIVEで使うのは難しいかもしれないですね。
でももし今のPUで悩んでる人がいたら、今はいろいろな種類が出ているけど、昔のPUもいい感じにまろやかな感じがしておすすめかもしれないです。

あ、CEだからジョイントネックなんだけど、PRSくらい細かくきれいに作ってあっても、やはり木の伸縮までは読めないから、ネックとボディーにまぁまぁな隙間があるよ。だから気にしてる人がいたらあまり気にしなくて大丈夫だと思います。

ペグ、PU,ネック周り、ボディーと書いたからあとはブリッジかな。

これはちょっと厄介だったです。
イナーシャブロックと一体型なのが90年前後のPRSの特徴らしいんだけど、弦のボールエンドが引っかかるのがブリッジのかなりコマの近くで引っかかるように設計されているので、弦のボールエンド付近の弦が巻いてある部分がブリッジの溝にのっちゃうんですよ。これはちょっと頂けなかった。

(弦の巻いてある部分がブリッジの駒のところまで来ている)

 

どうしようか考えたけど、前に書いた通り、古い弦のボールエンドだけを切ってボールエンドを新しい弦に通して引っかかる部分を下に下げたって感じ。文章にすると難しいね。
でもこれでとりあえず溝の部分に弦の巻いてある部分は乗らなくなったし、オクターブもばっちりあったし結構いい感じになりました。


そういえばもちろんこれ中古で買ってるんだけど、なぜか最初から裏バネが5本張ってあって、別に使いにくくないからそのままにしてあるけど。


ばらして理由はよくわかったというか。
スプリングハンガーをネック寄りに絞めていくとCEだからネックのメイプルの部分までネジがいっちゃうのね。
で、そのままネックの側面にネジが入っていけばいいんだけど、丁度ボディーとネックのネジの部分とぶつかっちゃう感じなんですよね。だから5本でネジがあまりにもネック寄りに入っていかないようにしてあるのかな。
(短いネジ使えばいいんだけど)

あとは前にも書いてるけど今のブリッジの調整方法とはちょっと異なるかなと思います。
例の自信がないなら触るな6本ネジ(ブリッジを止めてあるボディーに刺さってるネジね)を下げないとコマのイモネジを全開まで下げても2ミリ以上の弦高になっちゃってね。
結局6本ネジを下げることによって1.6mmとかに調整できるようにしました。
でもそうするとアームアップで一音半は上がらないかな。
だからあの説明書通りにならなくても大丈夫なんじゃないかなって思います。
要するに自分の弾きやすい部分見つけられればそれでいいんじゃないかなぁ。
そう思ってセットアップしました。
特にアームの動きにもチューニングの狂いも気にならないかな(激しくアームは使わないけどね)

ちょっと出たからついでに書いておくけどCEのデタッチャブルのネジは4本同じ長さじゃないです。
前2本は長いネジ。後ろ2本は短いネジ。後ろ二本は短くないとPUに当たっちゃうから短いんだと思います。

色に関してはロイヤルブルーですから本来はナチュラルバインディングなしの、黒エスカッションのはずなんだけど、なぜかナチュラルバインディングのエスカッションクリームでした。
このスタイルはなかなかない仕様のようです。

(ROYAL BLUEと書いてあります)


ブリッジの下の色やけしていない部分を見るとまだロイヤルブルーが残っていてそれもきれいな色だったけど、この緑がかった色も素敵ですよね。


もうちょっと抜けてくれるとかっこいいなとも思うのでこの先を楽しみにしてます。

最後に…1991年と考えたとき、前にも書いたけど特にビンテージとは呼べない気がします。
自分的には70年代もビンテージとは呼べない気がしていて(最近は70年代前半はビンテージかなぁとも考えだしましたが)
やはりそのあたりを考えると、本当はビンテージが欲しかったのが本音かな。

だけどこれを買った理由はPRSという会社が始まって6年目?とかくらいの最初の頃の物。
そういう最初の頃っていうのは、会社を大きくしたい、いいものを作りたいという気持ちが入っているものが多いと思っています。
(もちろん今もプライドを持って作っていると思いますし、今でも造りがいいと思いますけどね)

そういう事を考えて購入に至ったわけです。
そして最初は本当に「うーん・・・」って感じだったのが、ここまで気に入るとは思いませんでした。
いいお買い物だったなぁと思います。

という事で1991年のポールリードスミス CE-24のレビューでした。

次は
今度こそ
ビンテージギターが欲しい!!(笑)


それでわ。