認知症あるいは高齢者あるあるのひとつ……
「お金がない!(盗まれた)」
うちの両親の場合、「盗まれた」と言うことはありませんでしたが、「落とした」「置き忘れた」「間違って捨てた」が頻繁にありました。
実際に紛失したこともあるのですが、それは稀で、ほとんどはあとでちゃんと見つかります。
ただ、たいへんなのは、「失くした!」「捨てた!」と思ったら、パニックになってしまうこと
父は、キャッシュカード失くした!と思い、銀行に電話して止めてしまいました。再発行がこれまた面倒で
母は「ATMから20万円引きだして、そのまま置き忘れた」と言うので、記帳をしてみたら、引き出した形跡はなく、母の、妄想(?)でした。
マンションの配水管工事があったときは、個々の部屋に作業員の人が入る予定はなかったのですが、「作業が失敗して、うちに人が入るかも」→「貴重品が盗まれるかも」→「隠さなきゃ」という連想ゲーム(?)が母の中ではじまり、隠した通帳の隠し場所がわからなくなる…という騒動も。
現在、父は亡くなり、母は老人ホームにいますが、ホーム近くのスーパーとコンビニには行けるので、そこで買い物できる程度の現金を渡しています。
実家で暮らしていたときは、いつも二十万円程度を手元に置いていたので、今もそうしたがるのですが、少なめにとどめています。
しかし、先日のこと…
母の通院のついでに、近くのショッピングモールで食事や買い物をしました。
その日は楽しく過ごし、母をホームに返し、夜に電話したときも、「今日食べたミートソース、美味しかったねー」なんていう話を。
そして、翌日の朝のことです。
母から電話がかかってきました。
「やっぱりないのよ、お金が」
んやっぱりとは
母は、「昨日あなたに話したでしょ」というのですが、私は初耳。
母の「やっぱり」ではじまる電話には慣れているので、「またあれ(妄想、せん妄)かな」と思ってよく聞いてみると…
昨日、ショッピングモールでお金を落とした。
お札のまま折りたたんでズボンのポケットに入れて出かけ、トイレに行ったときに落としたらしい。
お金は失くしてはいけなと思ったから、買い物や食事中にもポケットから出して数えて確認した。
そして、「お札を確認してるところをあなたも見てたでしょ。ポケットに入れるなんて危ないわよ、って、あなた言ってたわよね」と。
そしてそして、「お金を落としたって、昨日の夜、あなたにも話したじゃないの」と。
母の記憶には、そのときの映像が鮮明にあるようなのですが……私は、お金も光景も一切見ておりません
「お金を落とした」という話も、前日の夜の電話では聞いていません
失くした金額を聞くと、最初は十万円だったのですか、話しているうちにいつの間にか二十万円になっていました。
母の手元にいくらあるか、正確にはわかりませんが、そんなにはないはず。
母は、夢と現実を混同することもあり、本人もある程度自覚しているので、「それ、夢だよ…」と何度か言ったのですが、納得はせず、母はいまも二十万円を失くしたと思っています。
「手元にまとまとまったお金を置いておきたいから、また現金を渡してほしい」とも、言っています。
手元にお金がないと不安…
その気持ちは、わからなくはないのですが、やはり現金はトラブルのもとなので、持たせるのは最低限にしたいところ。
母は、持っている全額をポシェットに入れて持ち歩いたりもしますし…
本人は用心のつもりなのですが、実に不用心
これからもあるんだろうな…お金にまつわるアレコレ。
母と娘のお金にまつわる攻防は、続いていきそうです。